AB!SS02:disappeared
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 くそっ!

 また完売か

 いつ行けば買えるんだ!これは

 俺たちは、完売の看板を前にうなだれる

 

「悪い。ごめん今日もだめだった」

 バツの悪い顔をする戦線のメンバー

「1週間はりついてもだめ。日中じゃだめなのかしら」

 腕組みをするゆり

「あきらめるのか?」

「いいえ、あきらめないわ」

「いついっても完売。じゃあ、どうすればいいんだ?」

「そんなのは買ったやつから奪い取ればいい」

 野田が力ずくの案をだす

「そんなのダメだよ」

 大山が止めに入る

 

「そうね。だからミッションを発動するわ。オペレーション"stand by"」

「え!それやるの?」

「なんだよそのオペレーションは!」

 はじめて聞くオペレーション

「たいしたことないわ。このオペレーションは大勢いても無駄だから音無君一人でお願い」

 

 次の日の早朝

 俺は学校には行かず近くのスーパーに並んでいた

「どうしてこんな朝早くにならばなければならないんだ?」

「うるさいわね。朝一番に行かないと売り切れるの!つべこべいわずに並ぶ」

 無線機の向こうからゆりの声が聞こえる

 

 

「ありがとうございました」

 俺は小さな袋を片手に持ち店を出る

「ゆりはこんなの欲しがっているのか」

 袋の中の小瓶を確かめる

 

「結弦」

 学校の正門をくぐると同時に声がかかる

「奏」

 そこには奏がたっている

「だめじゃない。遅刻するなんて」

「ゆりにこれ買ってこいといわれたんだよ」

 小瓶の入った袋を見せる

「中はなにが入っているの?」

 ごそごそ

 ビニール袋から小瓶をとりだす

「これだよ。今まで話はさんざん聞いているが、現物見るのは初めてだ」

 奏は小瓶の中身に興味津々の様子

「もしかして気になるのか?」

 コクリ

 無言の返事を俺に返してくる

「二つあるから一つくらい開けてもいいだろう」

 

 かぽっ

 行儀が悪いと思いながらもふたをあけ、奏に差し出す

 

「ハンドソニックバージョンゼロ」

 右手には小さなスプーンが表れる

 奏は俺から小瓶を受け取ると、スプーンで軽くかき混ぜる

「いただきます」

 そしてスプーンですくった後、奏自身の小さな口に運ぶ

 

「…もしもし音無くん?聞こえる?…もしもし…」

 ゆりからの無線だ

「もしもし俺だ。聞こえているぞ!ゆり」

「やっとつながったわね。それで例の物は買えた?」

「あぁなんとか…」

 

 カラン!

 背後で金属音がする

 振り替えると足下には先ほど奏に渡した小瓶が転がっている

「か、奏!」

 俺はあたりをみわたす

 が、しかし奏の姿は見えない

「結弦」

 奏!

 空から聞こえる奏の声

 見上げると大きな羽を広げた奏がいる

 

「ありがとう…」

 空に溶け込んでいく

「あたしの心残りはこれだったみたい」

「か、奏!」

「ありがとう…ゆ…づ…」

 空の青さに吸い込まれていく

「き、きえた…」

 

「もしもし!もしもし!音無君!」

「…」

「音無君!」

「ゆり…」

「どうしたのよ!音無君!」

「奏が…奏が…」

「天使がどうしたの?」

「…奏が…消えた…」

「て、天使が消えた?どういうことよ、それ!」

「奏が…、奏が食べるラー油を口にしたら消えた…」

 

説明
AngelBeats!の二次創作
登場人物は、音無・天使(奏)・ゆり

・元ネタ
 天使は、麻婆豆腐が好き。
 音無と天使・お互い名前で呼び合う。
 +品薄の商品(麻婆とあまり関係ない)
ネタ発掘してからしばらく放置していました。ちょっと旬を逃したかもしれません

かなり短いですので、さらっと読めると思います
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コメント
ス、スゴイオチだなぁオイッ!(robebo)
タグ
AngelBeats! 天使  消える 音無 

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