孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝42
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呉での会議が終って魏と蜀と天角の将達は、それぞれの領地へと戻っていた

 

それぞれの領内ではたいした問題は起きていなかったが、この2週間で溜まった仕事をそれぞれが必死で挽回していた

 

それから三ヵ月後、今度は蜀での会議が始まる日が訪れた

 

魏と呉の将達は、事前に決めていた通り一旦天角に集合しそれから成都に向かう事になる

 

三ヶ月ぶりに一刀に会い喜びのあまり、一刀に抱きついた将達が何人もいたことは想像に難くないだろう

 

それらの将達を諌めるのに暫く掛かったが、一刀達は予定通り蜀の成都へと向かうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「それにしても、一刀は成都には行ったことがあるのよね?」

 

一刀「ああ」

 

雪蓮「どんな所なの?」

 

一刀「桃香が治めているだけあって、民達は穏やかだ・・・・・それと朱里と雛里が頑張って内政をしていたから市も賑やかだったな」

 

雫「なんでも、朱里と雛里は一刀様の政策を大胆に取り入れているみたいですね、市役所や区画整理など」

 

一刀「俺は提案しただけだよ・・・・・それと、南蛮のみい・・・・・孟獲が俺が行った時に悪さをしていたみたいだけど、今では仲良くやっているみたいだね」

 

蓮華「それは聞いているわ、なんでも一刀が南蛮併合に協力したらしいじゃない」

 

明命「はい♪わたくしも微力ながらお手伝いしました♪みいちゃん達とも仲良くなれましたし♪」

 

小蓮「トラやミケやシャムも元気にしているかな〜?」

 

百合「あの子達は、元気がとりえみたいなものですよ〜♪」

 

一刀「そうだな」

 

月「楽しみです〜〜〜♪」

 

聖「朕も楽しみなのじゃ♪」

 

天和「蜀でもいっぱい歌うよ〜〜〜♪」

 

地和「じゃんじゃん稼がせて貰うわよ♪」

 

人和「忙しくなりそうです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一同は成都へと辿り着く

 

そこには、蜀の重鎮達がお出迎えをしていた

 

桃香「ご主人様〜〜〜♪久しぶり〜〜〜♪」

 

愛紗「お待ちしておりました♪ご主人様♪」

 

鈴々「お兄ちゃん〜〜〜〜♪久しぶりなのだ〜〜〜〜♪」

 

星「久方ぶりですな♪主よ♪」

 

朱里「お待ちしてました!ご主人様!」

 

雛里「あわわ、お久しぶりでしゅ」

 

白蓮「よ〜〜〜♪一刀〜〜〜〜〜♪」

 

璃々「ご主人様ぁ〜〜〜♪おかえりなさいぃ〜〜〜〜♪」

 

紫苑「こらこら♪璃々♪・・・・お久しぶりです♪ご主人様♪」

 

桔梗「久方ぶりですな♪お館様♪」

 

みい「おにい〜〜〜〜♪久しぶりだにゃ〜〜〜〜〜♪」

 

ミケ「あにしゃま〜〜〜♪お土産持ってきたか〜〜〜♪」

 

トラ「にぃにぃ〜〜〜♪お話してにゃ〜〜〜〜♪」

 

シャム「にいしゃま・・・・・だっこいっぱいして♪」

 

みい「みんな〜〜〜♪南蛮の全てを持ってして歓迎だにゃ〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪」

 

ミケ&トラ&シャム「「「にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜にゃ〜〜♪♪♪♪」」」

 

明命「はうあう〜〜〜♪みなさんお久しぶりですぅ〜〜〜♪//////」

 

小蓮「元気だった〜?みんな〜〜〜♪」

 

百合「元気そうね〜♪」

 

みい「ミンにシャオにユリだにゃ〜〜〜♪久しぶりにゃ〜〜〜♪」

 

焔耶「腕は鈍ってないか?お館」

 

一刀「みんな、久しぶり!焔耶は相変わらずだな・・・・・」

 

焔耶「てっきり女に呆けて素振りの一つもできなくなっていると思っていたんだがな?」

 

一刀「おあいにく様、鍛錬は続けているよ」

 

焔耶「ふん!後で見てやるから覚悟しておけ!」

 

桔梗「焔耶よ、その台詞はお館様に勝てるようになってからいうのだな」

 

焔耶「もう勝てます!わたくしだってずっと鍛錬に勤しんで来たのですから!」

 

星「だが、まだまだ主には遠く及ばないな♪」

 

焔耶「黙れ!星!」

 

愛紗「星!焔耶!ご主人様達をこのままここに留まらせておくつもりか!?」

 

桃香「そうだよ〜〜!はやく中に案内しなきゃ!」

 

焔耶「は!はい!桃香様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同は、桃香達の案内により成都の城下町に入る

 

そして、入った瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御遣使い〜〜〜〜♪」

 

「ありがとう〜〜〜〜♪御使い様〜〜〜〜〜♪」

 

「きゃ〜〜〜〜♪北郷様〜〜〜〜〜♪」

 

「乱世を収めてくれてありがとう〜〜〜〜♪」

 

「こっち向いて〜〜〜〜〜♪北郷様〜〜〜〜〜♪」

 

 

 

 

 

一刀「あ・・・・・あはははは/////////」

 

恥ずかしくて、今にも項垂れてしまいそうな一刀がいた

 

桃香「あははは♪本当にご主人様って人気者だね〜〜〜♪」

 

愛紗「ご主人様には、わたしの命を救っていただいて、南蛮の併合に尽力、そして何より今回の乱世の沈静・・・・・蜀の民は、ご主人様を敬愛しております」

 

月「へぅ〜〜〜〜〜〜//////////」

 

詠「ここまで歓迎されると、かえって引くわね・・・・・」

 

霞「う〜〜〜〜ん♪ええ街やな〜〜〜♪」

 

嵐「うううう・・・・・見世物にされている気がする////////」

 

菖蒲「本当にいい街ですね、雫さん」

 

雫「はい」

 

恋「美味しそうな臭いがする・・・・・(じゅるり)」

 

音々音「恋殿〜〜〜、今しばらくの辛抱を〜〜〜〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

???「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

???「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

この時の一同は気付いていなかった

 

蜀の民達に混じっている不穏な空気に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一同は成都城内に入る

 

 

 

 

 

朱里「ここが桃香様の居城、成都城です♪」

 

華琳「へぇ〜〜〜〜、なかなか綺麗なお城ね」

 

雪蓮「流石は、人徳の劉備のお城ね♪」

 

桃香「も〜〜〜、華琳さんも雪蓮さんもそんなに褒めないでよ〜〜〜、恥ずかしいな〜〜〜〜////////」

 

星「そうですとも、褒めないであげてくだされ♪」

 

鈴々「そうなのだ♪頑張っているのは朱里と雛里なのだ♪」

 

桃香「も〜〜〜〜、星ちゃん!鈴々ちゃん!」

 

星「おや?何ですかな?」

 

鈴々「鈴々、本当の事言っただけなのだ♪」

 

桃香「そうだけど〜〜〜!そんなはっきり言わなくったっていいじゃない!ぶーぶー!」

 

「あははははははははははははははははは♪♪♪♪」

 

桃香の天然をネタして一同から笑いの声が巻き起こる

 

しかし、その時

 

???「北郷一刀!!!覚悟ーーーーーー!!!」

 

???「ていやーーーーーー!!!」

 

「!!!???」

 

突然の女性二人の怒声に、一同の笑い声は止まる

 

一刀「っ!」

 

キイン!    ジャラン!!

 

飛来する飛び道具を忠久の柄で受け流すが、続いて飛んでくる鎖に忠久を絡め取られてしまう

 

華琳「な!?」

 

雪蓮「ちょっと!?どういうこと!?」

 

月「ご主人様!?」

 

恋「ん!」

 

ジャキン!

 

???「うわっ!?」

 

忠久に絡みついた鎖を恋が方天画戟で切り裂き、その者は尻餅をついた

 

朱里「はわわ!!?柊ちゃん!!?」

 

雛里「あわわ!!?何をするんですか!!?雛罌粟ちゃん!!?」

 

桃香「ご主人様に何てことするの!!?」

 

愛紗「柊!!雛罌粟!!お主達自分のやったことが解っているのか!!?」

 

恋「ご主人様に酷いことするやつは・・・・・恋が許さない」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

柊「うっ!?」

 

雛罌粟「ぐっ!?」

 

柊と雛罌粟と呼ばれた者達は、恋の放つ殺気に身震いする

 

一刀「恋、そこまでにしておけ」

 

恋「ご主人様・・・・・わかった・・・・・」

 

恋を手で制して、一刀は狛煉から降り二人の前に出た

 

一刀「とりあえず、はじめましてかな?・・・・・俺は、北郷一刀だけど・・・・・君達は?」

 

柊「我の名は、姜維!字は伯約!」

 

雛罌粟「僕の名は、馬謖!字は幼常!」

 

一刀「何!?」

 

姜維に馬謖といえば、もはや説明するまでもない有名な武将達だろう

 

残念な意味で

 

だが、この二人が生まれるのはもう少し先のはず

 

たとえ生まれていたとしても、まだまだ小さいはず

 

一刀「(まぁ、そんなこと考えてもしょうがないか)」

 

この世界に自分の持っている知識なんて通用しないのは解りきっているため、一刀もこれ以上のことは考えなかった

 

一刀「そうか・・・・・それで、俺に武器を向けると言う事は、二人は俺のことを認めていないという事でいいかな?」

 

雛罌粟「その通りよ!」

 

柊「朱里様と雛里様が敬愛していると言っても!我らは葉認めない!」

 

朱里「柊ちゃん〜〜、雛罌粟ちゃん〜〜、ご主人様は凄い人なんですよ〜」

 

雛里「そうです、二人にも言っているはずでしゅ、蜀はご主人様の策でここまでよくなたって」

 

柊「それは認めます!しかし!それは朱里様と雛里様が形にしたことであって、こやつがやったことではありません!」

 

雛罌粟「そうです!それにこんな画期的な策がぽんぽん出て来るなんてあまりにも不自然すぎます!きっと何処からか転用してきただけに決まっています!」

 

一刀「(確かにその通りだ、この二人は勘がいいな)」

 

朱里「そうだとしても!ご主人様のおかげで蜀はここまで安定しているんだから!そんな歓迎の仕方はないでしょ!?」

 

雛里「(コクコクコクコク)」

 

雛罌粟「朱里様!雛里様!こやつのことをご主人様呼ばわりしないで下さい!」

 

柊「ついでに言えば、我らは曹操や孫策のことも認めてはいない!」

 

桃香「ちょっとちょっと!!?柊ちゃん!!?」

 

桂花「何ですって!!?」

 

春蘭「なんだとぉ!!?」

 

蓮華「お姉様を侮辱するつもりか!!?」

 

思春「無礼者め!!ここで血祭りにあげてくれる!!」

 

春蘭と思春がそれぞれの武器を抜き、二人に詰め寄る

 

華琳「春蘭!止めなさい!」

 

雪蓮「思春!武器を納めよ!」

 

春蘭「しかし華琳様!」

 

思春「このような侮辱!許せませぬ!」

 

華琳「これから大事な会議が開かれるのよ」

 

雪蓮「そうよ、こんな時に血なんて見て気分を滾らせたくないわ」

 

春蘭「・・・・・わかりました」

 

思春「御意に・・・・・」

 

一刀「話はわかった・・・・・それで、どうすれば二人は俺達の事を認めてくれるのかな?」

 

柊「簡単な事!我らに実力を示せ!」

 

雛罌粟「あんた達の噂は聞いているけど!噂だけに頼るほど僕達は世間を狭く見ていないわ!」

 

一刀「具体的にはどうすればいいんだ?」

 

柊「我らと試合をせよ!」

 

雛罌粟「天の御遣いの実力がいかなるものか、この目で見極めてやるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「ごめんね〜〜〜、ご主人様〜〜〜、華琳さん〜〜〜、雪蓮さん〜〜〜」

 

愛紗「着かれて早々こんなことになってしまって・・・・・本当に申し訳ありません・・・・・」

 

一刀「いいんだよ」

 

紫苑「二人とも本当はいい子なんですけど、時々ああやっておちゃめをしてしまう事があるんです」

 

雪蓮「いいのよ、それにそう簡単に全ての人間に認めてもらおうとは思っていないわよ」

 

華琳「わたし達のやろうとしていることは、簡単には達成できない事は解りきっているはず、こんな壁が立ちはだかる事なんて重々承知よ・・・・・逆に言えば、これくらい乗り越えられなくては晋の国を創ることなんて出来っこないんだから」

 

一同は、柊と雛罌粟を先頭に闘技場へと向かっていた

 

白蓮「柊と雛罌粟は、朱里と雛里を敬愛しているからな」

 

星「その敬愛振りといったら、見てるこっちが恥ずかしくなってきそうなほどであるからな♪」

 

鈴々「二人とも、朱里と雛里をお兄ちゃんに取られると思っているのだ♪」

 

璃々「よくそのことで二人を困らせているよね〜、柊ちゃん〜、雛罌粟ちゃん〜」

 

柊「そこ!五月蝿い!////////」

 

雛罌粟「璃々!黙っていなさい!////////」

 

璃々「お母さん〜〜」

 

紫苑「はいはい♪怖くないわよ〜♪二人とも照れているだけだから♪」

 

純夏「・・・・・それにしても」

 

零「そうね、あの態度が気に入らないわ」

 

桃香「本当にごめんね〜〜」

 

小蓮「それに・・・・・なんだか・・・・・」

 

蒲公英「うん・・・・・」

 

明命「はい・・・・・」

 

桂花「あれは目に余るわね・・・・・」

 

聖「・・・・・・・・・・」(じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜)

 

小蓮と蒲公英と明命と桂花と聖は、二人の体つきを見ていた

 

背は小蓮よりちょっと高いくらいだが、それはまさにボンキュッボンの表現がしっくりくるだろう

 

現代的に言えば、ロリ巨乳の範疇に収まるだろう

 

蒲公英「(話を聞いていると、朱里と雛里の弟子みたいだけど・・・・・あれは反則に近いよ〜〜)」

 

小蓮「(うううう〜〜〜〜、なによあの体〜〜〜)」

 

明命「(はうあう〜〜〜、羨ましいです〜〜)」

 

桂花「(巨乳反対!!)」

 

聖「(思わぬ強敵の出現じゃ〜〜〜)」

 

それはまさに、男を誘惑するために生まれてきたような体

 

女として、いきなり敗北を味わった五人がいた

 

雪蓮「ま、実力を示せと言われれば示すけど・・・・・やりすぎちゃったらごめんなさいね♪うふふふふふ♪」ゴゴゴゴゴゴ

 

華琳「試されるのは好きじゃないけど・・・・・二人ともなかなか可愛いし、わたし好みの体をしているじゃない♪閨でどのようにわたし色に染めてあげようかしら♪うふふふふふ♪」ゴゴゴゴゴゴ

 

柊&雛罌粟「「(ゾクッ!!)」」

 

後からの二人のオーラに寒気を感じたが、何とか平然を装い歩く二人だった

 

その時

 

???「みなさんぅ、どちらに行かれるのですかぁ?」

 

柊&雛罌粟「「(ビクッ!)」」

 

突然、周りの人間に癒しを与えることができるようなウィスパーボイスが聞こえてきた

 

その優しそうな声に、先頭二人組みは妙な反応を見せる

 

桃香「あ♪杏奈ちゃん♪みんな紹介するね♪この子は法正ちゃんだよ〜♪」

 

杏奈「みなさんこんにちはぁ、わたくしは法正、字を孝直ともうしますぅ」

 

雪蓮「呉の王、孫策よ」

 

華琳「魏の曹操よ」

 

杏奈「皆様方がぁ、この度は三国同盟を結んでいただいてまことにありがとうございますぅ、これからよろしくお願いしますぅ・・・・・と、いうことはこちらのお方がぁ・・・・」

 

一刀「うん・・・・・俺は北郷一刀だよ、よろしく、法正さん」

 

杏奈「よろしくお願いしますぅ、天の御遣い様ぁ」

 

一刀「俺のことは、北郷か一刀って呼んでほしいな」

 

杏奈「それではぁ、北郷様と呼ばせていただきますねぇ」

 

一刀「それでいいよ」

 

愛紗「それにしても杏奈!」

 

杏奈「はいぃ?」

 

愛紗「柊と雛罌粟はお主が見ているはずだろう!」

 

焔耶「二人が城の門でお館に無礼を働いて、えらい恥をかいたぞ!」

 

柊&雛罌粟「(ビクッ!)」

 

杏奈「ああぁ、二人とも何処にもいないと思ったらそんなことをしていたんですねぇ・・・・・柊ぃ、雛罌粟ぃ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

「!!??」

 

声そのものは優しいが、優しい中に覇気のある声へと変わった法正に一同は面食らう

 

柊「はいいい!杏奈さん!」

 

雛罌粟「なんでしょうか!?」

 

二人とも直立不動になり杏奈と向き合う

 

杏奈「どうして二人はそうなのぉ?前から言っているでしょ、そうやって見ず知らずの人をいちいち試すのは止めなさいとぉ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「・・・・・なぁ、桃香・・・・・これって・・・・・」

 

桃香「うん、杏奈ちゃんって、普段は凄く優しいんだけど、怒ると凄く怖いの・・・・・」

 

白蓮「そのお説教が物凄く長くてな〜、時には半日近くやっている時もあるんだよ〜」

 

亜莎「ここここ怖いです〜〜〜〜」

 

穏「わたし達の苦手な人種ですよ〜〜〜」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねちねち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一同は、杏奈のお説教を受ける二人を暫く見ていた

 

そのねちねち振りといったらなく、いっそのこと大声で怒られた方がましなのではないかと思うくらいである

 

そしてとうとう、いたたまれなくなった一刀が助け舟を出した

 

一刀「あの〜〜、法正さん・・・・・」

 

杏奈「はいぃ♪なんでしょうぅ♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

なんという態度の違い

 

傍から見たら同じに見えるが、中身は全然違う

 

二重人格なんじゃないかと思うくらいである

 

一刀は、この人だけは怒らせないほうが賢明だと直感的に理解した

 

一刀「え〜〜〜と、このままじゃ時間が経っていく一方なんで、そこら辺にしといてあげませんか?」

 

杏奈「あらあらぁ、わたくしったらぁ、またやってしまっていたみたいですねぇ、ご迷惑をおかけしましたぁ」

 

一刀「いいえ・・・・・それはそうと、俺達はこれから闘技場に行くんですけど、ご一緒しますか?」

 

杏奈「あらぁ、いいんですよぉ、無理に二人の我が侭に付き合わなくてもぉ」

 

一刀「でもこのままだと、この二人は俺達の事を認めてくれそうにありませんし、それで納得してくれるんならそうしますよ」

 

杏奈「・・・・・噂通りのお優しい方のようですねぇ」

 

一刀「そんなことありませんよ」

 

杏奈「あははぁ♪そんなところもですよぉ♪」

 

そして、一同は杏奈も連れて闘技場を目指した

 

一刀「それにしても、なんで姜維と馬謖と法正さんとは俺が来た時に会わなかったんだ?桃香」

 

桃香「柊ちゃんと雛罌粟ちゃんは、最近朱里ちゃんと雛里ちゃんが見つけてきた子達だから、ご主人様が知らないのも仕方ないよ」

 

桔梗「さよう・・・・・それと杏奈は、お館様が来た時は雲南にて仕事をしていましたからな」

 

一刀「納得だ」

 

朱里「赤壁の戦いでは、戦いの規模が大きすぎたので二人を連れて行けませんでした」

 

雛里「二人とも感情的になりやすい部分がありまして、今は兵の動かし方をわたし達が教えています」

 

一刀「そうか・・・・・」

 

二人の説明に納得するような口振りだが、一刀の心境は少しだけ違っていた

 

一刀「(凪、気付いているか?)」(ひそひそ)

 

凪「(はい、あの二人は、わたし達と同じ氣の使い手です)」(ひそひそ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、闘技場中央の舞台

 

そこには一刀と柊と雛罌粟が向き合っていた

 

 

 

 

 

 

霞「それにしても、あの二人ええ度胸しとるな〜〜、いきなり一刀に喧嘩売るなんて」

 

桔梗「あの二人は、ワシと同じ大の喧嘩好きでの〜」

 

焔耶「なかなか将来有望な奴らだぞ♪」

 

音々音「ねねは、そのうちあの二人が蜀を滅ぼす原因になるような気がするのです〜」

 

桂花「あの性格を引きずったまま成長すれば、そうなってしまう可能性は有るわね」

 

星「あの二人は、自分達のことを過大評価している節があるからな」

 

白蓮「朱里と雛里の弟子としての自負も手伝っているのか、時々暴走してしまうからな」

 

鈴々「簡単に言うと、お調子者なのだ♪」

 

杏奈「鈴々さん、鈴々さんが言ってしまったらお終いですよぉ」

 

鈴々「にゃ?」

 

翠「そりゃそうだ♪」

 

蒲公英「鈴々に言われちゃったらお終いだよ〜〜♪」

 

外野の席の一部で笑いが起きる

 

 

 

 

 

そして、他の所では

 

 

 

 

 

 

葵「・・・・・凪・・・・・気付いているだろ?」

 

凪「はい、あの二人はわたくしと同じ氣の使い手です」

 

悠「やっぱりな」

 

凪「え!?悠さんも気付いていたんですか?」

 

悠「さっきあんたと一刀がひそひそ話しをしていたろ、その時にな」

 

凪「・・・・・耳がいいんですね」

 

悠「それはそうと、凪から見てあの二人はどれくらい強いんだ?」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

凪は、もう一度二人を凝視した

 

そして

 

凪「はっきり言って師匠の足元にも及びません、師匠が遊びさえなければ、それこそ一瞬で片が付くでしょう・・・・・でも・・・・・」

 

葵「でも?」

 

凪「・・・・・・一つ・・・・・引っかかることがあります」

 

悠「なんだ?」

 

凪「それは「誰か!審判をして下さい!」・・・・・」

 

雛罌粟の声に凪の言葉は遮られる

 

悠「・・・・・まぁ、見ていれば分かるだろ?」

 

葵「それもそうだな」

 

そして、一同は舞台に視線を移す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「それでは、この関羽が取り仕切ろう、両者異存は?」

 

柊「ありません」

 

雛罌粟「同じく」

 

一刀「ああ」

 

雛罌粟「それじゃあ、僕達から試合を申し込んだわけだし、僕と柊ちゃんのどっちからやるかはそっちに決めさせてあげる」

 

柊「さっさと選べ」

 

一刀「その必要はない、時間が惜しいから同時に来い」

 

柊「なに!!?」

 

雛罌粟「僕達を舐めているの!!?」

 

一刀「そういうわけじゃあないけど・・・・・どうせ二人は華琳や雪蓮・・・・・曹操と孫策も試すつもりだろう?」

 

柊「当たり前だ!!」

 

雛罌粟「分かりきった事聞かないでよ!!」

 

一刀「だから、俺が二人の代わりになる、それで勘弁してくれるか?」

 

柊「おまえ一人で魏王と呉王の両方の代わりが務まるとでも言うつもりか?」

 

一刀「そうは思わないが・・・・・そうだな〜〜・・・・・試合の進め方として、こんなやり方はどうだろう?」

 

雛罌粟「やり方?」

 

一刀は、自分の足元に敷き詰められた四角形の石畳を指差す

 

一刀「俺をこの石畳の上から一歩でも動かす事ができれば、君達の勝ちとしよう」

 

柊「!!??・・・・・大きく出たな」

 

雛罌粟「流石に英雄王と言われるだけあるわね」

 

一刀「それだけじゃない、俺は君達に一切手は出さない」

 

柊「なんだと!?」

 

雛罌粟「どういう意味よ!?」

 

愛紗「ご主人様!?」

 

一刀「俺はこの二つの剣も抜かないから、二人は半刻の間俺に好きなように攻撃を仕掛けてくれ、そして半刻経っても動かす事ができなければ・・・・・」

 

柊「我らの負け・・・・・か・・・・・」

 

一刀「そういうことだ」

 

雛罌粟「上等!!」

 

そして、二人はそれぞれの武器を取り出す

 

ジャリン! ジャラン! ヒュンヒュンヒュンヒュン!

 

柊は両袖から一本ずつ鎖を出し、雛罌粟は懐から二つの腕輪くらいの大きさの円月輪を取り出し指で回す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沙和「あ!あれだったんだ!?さっき隊長が受けたやつ!」

 

真桜「一瞬だったから何を投げたか分からんかったけどな」

 

季衣「でも、兄ちゃん大丈夫かなぁ」

 

流琉「半刻の間二人の攻撃を受け続けるなんて、これじゃあ公開処刑ですよ、兄様ぁ」

 

純夏「ああ、それだったら心配ないわよ、二人とも」

 

季衣「え?」

 

流琉「どういうことなんですか?純夏さん?」

 

純夏「見ていれば分かるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「ご主人様・・・・・よろしかったのですか?」

 

一刀「ん?・・・・・何がだい?」

 

愛紗「その・・・・・このような試合の進め方は・・・・・」

 

一刀「・・・・・心配してくれてありがとう、俺は大丈夫だから開始の合図を出してくれ、愛紗」

 

愛紗「は・・・・・はい///////////」

 

諭すような微笑みに、愛紗は赤くなってしまう

 

柊「ふんっ!そうやって三国の将達を懐柔したんでしょうけど、我らには通用しないぞ!」

 

雛罌粟「僕達を懐柔しようたってそうはいかないぞ!」

 

一刀「はいはい・・・・・それじゃあ愛紗、頼む」

 

愛紗「はっ!・・・・・それでは・・・・・始め!!」

 

柊「はああああああああああああああ!!」

 

雛罌粟「はあああああああああああああああ!!」

 

二人が気合を入れると同時に、二人の武器に淡い光が満ちる

 

そして

 

グニュグニュグニュグニュ         ヒュンヒュンヒュンヒュン

 

柊の鎖は、まるで芋虫の様に動き、雛罌粟の円月輪はその手を離れ、空中で浮遊する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「やっぱり!!そうだったのか!!」

 

悠「なんだ!?なにがそうだったんだ!?」

 

凪「あの二人は、氣の遠隔操作ができるんです!!」

 

葵「おいおい、そりゃやっかいだな」

 

凪「はい・・・・・でも、氣の遠隔操作なんてかなりの高等技術なのに・・・・・どうして・・・・・」

 

悠「どうしたんだ?」

 

凪「・・・・・どうして、あんなに氣が弱いんだろうと思って・・・・・」

 

葵「・・・・・・・・・・」

 

悠「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「はははははは♪驚きのあまり声も出ないか♪英雄王♪」

 

雛罌粟「氣の使い手がおまえや楽進や李典だけだと思うなよ♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

柊「どうだ!?今なら試合の仕方を変えてやっても「いらない!」・・・・・なんだと?」

 

一刀「御託はいい・・・・・とっとと来い」

 

柊「っ!!・・・・・行くぞ!雛罌粟!!」

 

雛罌粟「ええ!後悔するといいわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、半刻後(約一時間後)

 

 

 

 

 

 

 

柊「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ!!」

 

雛罌粟「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ!!」

 

一刀「・・・・・もう気はすんだか?」

 

舞台の上には、汗だくになり地面に寝そべっている二人の少女と、無傷のまま最初の位置から1ミリも動いていない一刀がいた

 

柊「はぁ・・・・・はぁ・・・・・くそぉ・・・・・」

 

雛罌粟「はぁ・・・・・なんで・・・・・はぁ・・・・・びくともしないのよぉ・・・・・はぁ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「あれは一体なんなんだ?凪?」

 

凪「あれは、縮地法丑の型・・・・・嶽歩です」

 

葵「一刀が使っていた、あの仙術か?」

 

凪「いいえ、縮地法は仙術でも何でもありません、常人の域を超えた強靭な脚力があれば誰にでもできるものです、一刀様やわたくしは氣を使ってそれをさらに上の領域に押し上げているだけです」

 

悠「あたしも一刀の縮地法は何度も見ているけど、あんな型もあるんだな」

 

凪「はい、縮地法は主に干支の十二の型に分かれていて、一刀様が使っていたのは丑の型です、山の如く決してその場を動かないことから嶽歩と呼ばれるそうです」

 

葵「その口ぶりからして、凪もその十二の型を使えるのか?」

 

凪「とんでもありません!わたくしはまだ縮地法の基本的なことを完全に体得してはいないので、そこまではできません!」

 

悠「ふぅん・・・・・それにしても、なんで一刀は無傷なんだ?」

 

凪「それは、あの嶽歩の特性です」

 

葵「というと?」

 

凪「嶽歩は、足の裏に氣を集中して地面と一体になる歩法です、地面に放出された氣がそのまま一刀様の壁になり攻撃を防ぐんです」

 

悠「へぇ〜〜〜〜、あれだと氣は一刀全体を囲むようにして展開されているからな、死角はないか」

 

凪「いいえ、嶽歩は極端に氣を足の裏に集中しなくてはいけないため一歩も動くことができませんから攻撃に転じることができないんです」

 

葵「つまりは、防御専門の歩法ということだな」

 

凪「はい・・・・・どの歩法にも必ず弱点がありますので使い所を見極めなければ逆に自滅してしまうことだってあるんです」

 

純夏「ね♪心配なかったでしょ♪季衣、流琉♪」

 

季衣「うん♪純夏姉ちゃん♪」

 

流琉「はい♪良かったです♪」

 

恋「ふぁ・・・・・終わった?」

 

音々音「おはようございますです、恋殿」

 

恋「試合・・・・・どうなった?」

 

音々音「時間の無駄でしたな」

 

恋「・・・・・そう・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「半刻経ったな・・・・・・勝者!ごしゅ「「まだよ!!」」・・・・・お・ま・え・た・ち・は〜〜〜〜〜〜!」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

桔梗「お主ら!!いい加減にせい!!」

 

焔耶「そうだぞ!!これ以上恥をかかせるな!!」

 

愛紗「そうだ!!だいたいお主達は最初にした約束を反故にするつもりか!!?半刻の間にご主人様を動かす事ができなければお主達の負けのはずだろう!!」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「そして!負ければお主達はご主人様と華琳と雪蓮殿を認めると言った!約束通り「待った、愛紗」・・・・・ご主人様ぁ」

 

一刀「まあまあ・・・・・二人とも、少し聞いてほしい」

 

舞台の上で寝そべっている二人に一刀は話しかける

 

一刀「俺が二人の申し出を受けたのは、二人のその慢心を何とかしてほしかったからなんだ・・・・・確かに君達は氣の使い手だ、素質もなかなかにあると思う・・・・・だけど、それだけだ」

 

柊「それだけだと!?」

 

雛罌粟「それは聞き捨てならないわよ!!」

 

一刀「きっと君達は、ここにいる愛紗を含めた蜀の将達に勝ったことはないんだろう?」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

一刀「気の使い手、それ即ち強いというわけじゃない・・・・・氣の遠隔操作ができる事は流石だけど、それ以前に二人は氣の鍛錬を疎かにしている節がある・・・・・せっかく氣の遠隔操作ができても、元の氣の量や質が弱くては、それを持続する事はできないし、さっきみたいに俺の一割にも満たない氣の壁すら突破できないんだ」

 

柊「な!?一割だって!?」

 

雛罌粟「嘘でしょ!?あれで一割にも届かないの!?」

 

一刀「一応言っておくけど、愛紗達ならあれくらいの氣の壁くらい楽々で突破できる・・・・・だから今の君達は純粋な氣の強さだけでいえば、あそこにいる真桜、李典にも劣る・・・・・軍師としての才能は俺には分からない、朱里と雛里が弟子に迎えるくらいだ、かなりのものを持っているんだろう・・・・・だけど、俺から見れば君達は自分達の才能に溺れるあまり、努力を怠っている」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

一刀「いくら才能があっても、努力も無しに開花する才能なんて無い・・・・・別の言い方をすれば、努力しない天才なんていないんだ・・・・・君達の師匠の朱里や雛里だってそうだろう?常に書物を読み知識を得ることに余念がない・・・・・君達は自分の師匠達の姿勢を見てこなかったのか?」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

一刀「まぁ、俺が言いたかったのはそういう事だ・・・・・これからは、気の持ち様を大切にするんだよ」

 

そういい残して、一刀は舞台から降りようとする

 

柊「待ちなさい!!」

 

雛罌粟「待って!!」

 

一刀「?」

 

柊「まだ勝負は付いてないぞ!!」

 

雛罌粟「この勝負しかしないなんて誰も言ってないわ!!」

 

愛紗「お・ぬ・し・ら〜〜〜〜」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

桃香「柊ちゃん!!雛罌粟ちゃん!!これ以上皆さんに迷惑をかけるならわたしも怒るよ!!」

 

朱里「皆さん申し訳ありません〜〜〜〜」

 

雛里「この子達にはよ〜〜〜〜〜く言って聞かせますので」

 

華琳「あら?これでお終い?もっと見たいのに」

 

雪蓮「そうね♪ちょっと茶番っぽいけど、面白いわ♪」

 

一刀「そうだな〜〜〜・・・・・ここまできたら最後まで付き合ってみるか・・・・・で、次は何だ?」

 

柊&雛罌粟「「将棋で勝負(だ!よ!)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・チェックメイト」

 

柊「・・・・・・・・・・」(ご〜〜〜〜〜ん)

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」(ち〜〜〜〜〜〜ん)

 

 

 

 

 

 

稟「瞬刹ですね」

 

風「瞬刹でしたね〜」

 

零「瞬刹だったわね」

 

桂花「これほど瞬刹と言う言葉がしっくりくる勝負というのも珍しいわね」

 

雫「瞬刹過ぎてかえって清清しいですね」

 

冥琳「二人とも駒の動かし方が直線的過ぎるな」

 

柊&雛罌粟「「次は料理で勝負(だ!よ!)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「・・・・・う・・・・・美味い/////////」

 

雛罌粟「・・・・・お・・・・・美味しい////////」

 

一刀は二人に、カレーライスを作ってあげた

 

季衣「兄ちゃん♪お代わり〜〜〜〜♪♪」

 

鈴々「お代わりなのだ♪♪」

 

恋「おか・・・・・わり・・・・・♪」

 

一刀「はいはい、まだまだ沢山あるからな〜〜」

 

華琳「なかなか美味ね」

 

雪蓮「うん♪いけるわ♪」

 

春蘭「がつがつがつがつ!!」

 

秋蘭「このような料理があるとは」

 

流琉「わたしもまだまだ勉強不足です」

 

桂花「見た目はあれだけど、なかなか美味しいじゃない」

 

桃香「もぐもぐ・・・・・ご主人様のお料理ってみんな美味しいね♪愛紗ちゃん♪」

 

愛紗「はい♪桃香様♪」

 

霞「めっちゃ美味いで〜〜♪」

 

紫苑「それにしても、どうしてこんなにも多様な食材をご主人様は持っているのかしら?」

 

菖蒲「天角を含めた荊州は、市場を全面的に開放しています」

 

時雨「中には、こういった珍しい食材が入ってくる事もあるんですよ」

 

麗羽「美味しいですわ〜〜〜〜♪」

 

猪々子「ばくばくばくばくばくばくばくばく!!」

 

斗詩「もう〜〜文ちゃん〜〜、そんなに零して行儀が悪いよ〜〜」

 

美羽「美味しいのじゃ〜〜〜♪七乃〜〜〜♪彩〜〜〜♪」

 

七乃「はい〜〜〜♪これは何杯でもいけちゃいます〜〜〜♪」

 

彩「うむ♪美味である♪」

 

村長「美味いですじゃ〜〜〜♪」

 

華佗「こんな料理は旅先でも食べたことがないな〜〜〜♪」

 

杏奈「いただいちゃってますぅ♪」

 

勝負のどさくさにまぎれてただ飯を食らう連中がいるが、美味しそうに食べるのでこの際いいだろう 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この日は着いたばかりという事もあり一同は就寝した

 

 

そんな中で、柊と雛罌粟は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛罌粟「ねぇ、柊ちゃん本当にやるの〜?」

 

柊「当たり前よ!」

 

夜の月明かりに照らされて、二人は一刀の部屋の前に来ていた

 

その姿は、まさにコソドロだろう

 

雛罌粟「でも、僕は北郷さんのこと認めてもいいと思うよ・・・・・柊ちゃんもどうしちゃったの?普段の柊ちゃんだったらもう北郷さんのこと認めている頃なのに」

 

柊「・・・・・正直自分でも分からない、あの人には能力もあって人徳もある、おまけにわたし達の弱点を指摘してくれた恩人とも思っているわ」

 

雛罌粟「ならどうして!?」

 

柊「・・・・・わたしの中の何かが、まだ認めちゃいけないって叫んでいるのよ」

 

雛罌粟「柊ちゃんの中の・・・・・」

 

柊「これは理屈じゃないの・・・・・はは、こんなこと言っていたら軍師としては失格ね・・・・・嫌ならいいわ、ここから先はわたし一人で行くから、雛罌粟まで共犯者になる事はないわ」

 

雛罌粟「ううん!僕も行く!僕達は友達でしょ!?」

 

柊「なら、行くわよ」

 

柊は、極力音をたてないように扉を開ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「すぅ〜〜〜〜、すぅ〜〜〜〜〜」

 

柊「(よし、寝ているわね)」

 

忍び足で進入し、雛罌粟もそれに続いた

 

柊「(これね)」

 

雛罌粟「(これが、天の御遣いの武器・・・・・)」

 

柊「(ええ・・・・・陸奥守忠久と龍滅金剛刀よ)」

 

柊は忠久を雛罌粟に渡し、金剛刀を持った

 

柊「(うっ・・・・・けっこう重いわね)」

 

雛罌粟「(大丈夫?)」

 

柊「(ええ、大丈夫)」

 

二人が部屋を去ろうとした時

 

一刀「んん〜〜〜〜」

 

柊「(ビクッ!?)」

 

雛罌粟「(ドッキィ!?)」

 

突然の一刀の声に二人は硬直する

 

ゆっくり振り向くと

 

一刀「すぅ〜〜〜、すぅ〜〜〜」

 

柊「(びっくりした〜〜)」

 

雛罌粟「(脅かさないでよ〜〜)」

 

はぁ〜〜〜〜〜っと項垂れて、もう一度顔を上げるとそこには

 

一刀「すぅ〜〜〜、すぅ〜〜〜」

 

柊「・・・・・////////」

 

雛罌粟「・・・・・////////」

 

伝説の山賊狩りや英雄王、三国の守護神と呼ばれているとは思えない、まるで子供のように眠る一刀の寝顔があった

 

柊「(はっ!?雛罌粟!早くトンズラするわよ!)////////」

 

雛罌粟「(う!うん!)/////////」

 

トンズラとか、あからさまに盗人がいう言語を残し、二人は一刀の部屋から忠久と金剛刀を奪取する事に成功した・・・・・・・・かのように見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・まったく・・・・・本当にやんちゃな子達だな」

 

もろばれだった

 

一刀「(まぁ、持っている人間は分かっているし・・・・・あの封は、俺か凪でもない限り解くことはできないから、特に心配する事は無いか)」

 

いつでも取り戻せるとたかをくくり、一刀は再び眠りに着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「ふぅ〜〜〜〜〜、なんとか持ってこれたわね〜〜〜」

 

二人は、急ぎ足で柊の部屋に戻ってきた

 

雛罌粟「でも、良かったのかな〜〜、こんなことしちゃって」

 

柊「・・・・・確かに、こんなことが朱里様や雛里様に知られれば、最悪わたし達は破門ね」

 

雛罌粟「それどころか斬首になっちゃうかもしれないよ〜〜」

 

柊「大丈夫、後でこっそり返しておけばいいんだから」

 

雛罌粟「そんなにうまく行くかな〜〜?」

 

柊「終った事を悔やんでも仕方がないの・・・・・それにしても・・・・・んっ!!」

 

雛罌粟「どうしたの?」

 

柊「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・はぁ〜〜〜〜・・・・・・駄目だわ、抜けない」

 

柊は、忠久を抜こうとするが、どんなに力を入れてもびくともしなかった

 

雛罌粟「んんんん〜〜〜〜〜〜〜〜!!・・・・・っはぁ・・・・・こっちも駄目だわ」

 

金剛刀も抜けなかった

 

柊「どうやらこれが原因のようね、円月白虎を貸して頂戴」

 

雛罌粟「え?うん・・・・」

 

雛罌粟は、懐から円月輪を取り出し柊に渡した

 

柊は円月輪で忠久の鍔からベルトに通す穴に縛り付けてある赤い紐を切ろうとするが

 

柊「くっ!このっ!・・・・・なによこれ、まったく切れないわ」

 

雛罌粟「なんだか、凄く強力な氣が通してあって強度が強化されているみたい・・・・・こっちも同じだよ」

 

龍滅金剛刀にも似たような封がしてあった

 

柊「・・・・・これは、この氣を打った者と同等の氣を持つものでないと解くことはできないわね」

 

雛罌粟「・・・・・少し残念、天の御遣いの武器って、この国の宝刀なんて目じゃないくらい美しいって聞いていたのに」

 

柊「ま、見る機会はこれからいくらでもあるでしょ・・・・・重要なのは、あの御遣いの戦力をこれでかなり減らせたと言う事よ」

 

雛罌粟「でもさ、結局わたし達北郷さんにこの武器を抜かせる事もできずに・・・・・ていうか、触れられもせずに負けちゃったから、あんまり意味ないんじゃないかな?」

 

柊「そんなことはないでしょ!武器を持っていることはそれだけで安心感を得られるのよ」

 

雛罌粟「でも、北郷さんって素手でもかなり強いって噂だよ」

 

柊「それも聞いている、でも聞いた話だとこの二つの剣はあいつの魂だって言うじゃない、それを奪う事ができただけでも今回の成果には意味があるわ」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

柊「さぁ、もう寝ましょう、明日の事は明日考えるわ」

 

雛罌粟「・・・・・うん、そうだね・・・・・おやすみなさい、柊ちゃん」

 

柊「おやすみ、雛罌粟」

 

そして、雛罌粟は自分の部屋に戻り、柊はその場で服を脱ぎ捨て布団に包まった

 

柊「(明日こそ、あいつに勝って見せるわ、そして、朱里様と雛里様に認めてもらうんだから)」

 

頭の中に浮かぶのは、敬愛する二人の師匠、蜀の伏龍と鳳雛と呼ばれる大軍師達

 

柊「(絶対、絶対)」

 

朱里と雛里の顔を思い浮かべて眠ろうとする柊

 

そこに

 

柊「・・・・・////////」

 

浮かぶのは、一刀の寝顔だった

 

柊「・・・・・な、何を考えているのよ!?とっとと寝るわよ!!//////////」

 

今度こそ、柊は床に付いたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌朝

 

桃香「おはようございます♪皆さん♪これから第二回三国会議を開いたいと思いま〜〜〜す♪」

 

とてもこれから重要な会議を開くとは思えないほと明るい声に、一同は逆に面食らう

 

それと同時に、桃香らしいと思った

 

朱里「それでは、まずは「待って下さい!朱里!」・・・・・雫ちゃん?」

 

雫「一刀様・・・・・一刀様の武器はどうされたのですか?」

 

一刀は、丸腰のままでここに来ていた

 

霞「一刀〜〜、いくら三国会議やからって、武器の一つも持たんちゅーのは武人としてどうかと思うで〜」

 

恋「ご主人様・・・・・うかつ・・・・・」

 

嵐「せめて忠久くらいは持って来たらどうだ?」

 

菖蒲「以前に聞きましたけど、あの二つの剣は一刀様の魂ともいえるものなのでしょう?」

 

雪蓮「え!?魂ですって!?」

 

華琳「そんなの初耳よ!?」

 

零「ご主人様の国では、刀と言うのは戦士の魂と呼ばれていて、よほどのことがない限り決して手放さないらしいですよ」

 

時雨「はい、旦那様はどんな時でも忠久だけは必ず腰に差していましたし」

 

音々音「いくら素手でも戦えるからといっても、丸腰では格好が付かないのです!」

 

斗詩「ご主人様、わたくしが取ってきましょうか?」

 

一刀「いいや、取りに行かなくていいよ、忠久と金剛刀なら・・・・・無くしたから」

 

月「・・・・・え?」

 

詠「ちょっと!今なんて言ったのよ!?」

 

一刀「だから、あの剣は無くしたんだ、俺の部屋にも無いよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!?????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までで、一番の絶叫が会議場を支配する

 

 

 

 

 

桃香「ちょっ!?ご主人様!!?」

 

愛紗「それは!?盗まれたと言う事ですか!!?」

 

鈴々「大変なのだ!!」

 

猪々子「兄貴〜〜〜、さらっと言ってくれるな〜〜」

 

徐栄「ならば今すぐ探さなくては!!」

 

張済「兄上の魂!この張済が取り戻してまいります!!」

 

一刀「あ〜〜〜〜〜!!大丈夫大丈夫!!俺の言い方が悪かった!!・・・・・え〜〜〜〜と、無くしたというよりは預けてあるといった方が正しいかな」

 

星「主の魂とも呼べる武器をそんな簡単に預けるのですか?」

 

一刀「確かに、忠久は俺の魂に一番近いものだけど、金剛刀はおまけみたいなものだしな」

 

彩「これまたあっさり言ってくれる」

 

祭「金剛刀は現時点、この大陸最強の剣じゃぞ、それをおまけなどと言いよって」

 

凪「それで、誰に預けてあるんですか?」

 

一刀「それは・・・・・」

 

沙和「それは?」

 

一刀「・・・・・言えない」

 

真桜「ちょい待ちい!ウチかて隊長の剣を触らせえて貰った事ないのに、そらないわ!」

 

一刀「とにかく、忠久と金剛刀がある場所の目星は付いているから・・・・・それよりも、会議を始めよう」

 

雛里「・・・・・ご主人様がそう仰るなら・・・・・」

 

そして、会議は始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛罌粟「(柊ちゃ〜〜〜ん!もしかして思いっきりばれてるんじゃない〜〜!?)」

 

柊「(・・・・・・・・・・)」

 

会議に参加しているこの二人は、内心焦りまくっていた

 

雛罌粟「(今からでも遅くないよ〜〜〜!北郷さんに剣を返そうよ〜〜〜!)」

 

柊「(それは拙いわ!今言ってしまったら、それこそ破門になる!)」

 

雛罌粟「(それじゃあどうするの〜〜〜?)」

 

柊「(この会議が終って北郷にもう一度勝負を挑んだ後、夜中にでも返すわ)」

 

雛罌粟「(なんだか気が進まないな〜〜〜)」

 

柊「(今日勝負を挑んで、それでも勝てなかったらわたしはあいつのことを認めるわ)」

 

雛罌粟「(それならいいけど・・・・・)」

 

そんなひそひそ話をしているせいで、二人は会議の内容を半分も聞き取れていなかった

 

杏奈「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、会議が終わり

 

 

 

 

桃香「それじゃあ、これでいいかな?」

 

華琳「ええ、もう報告する事はないわ」

 

雪蓮「あ"〜〜〜〜〜、だるかったぁ〜〜〜〜」

 

蓮華「お姉様!だらしないですよ!」

 

鈴々「鈴々も退屈だったのだ〜〜〜」

 

悠「同じく」

 

愛紗「こら鈴々!」

 

春蘭「悠!しゃきっとしろ!」

 

一刀「はは・・・・・それじゃあ、俺は街に行ってくるよ」

 

時雨「旦那様、その前に何かお菓子でも摘まんでいって下さい」

 

月「では、わたしはお茶を入れましょう」

 

麗羽「わたくしも手伝いますわ」

 

一刀「それは後ででいいよ、今のうちに北郷隊支部の事や町の警邏の事とか、いろいろ打ち合わせをしたいからね」

 

時雨「・・・・・では、お茶は帰ってきた時にでも」

 

一刀「ああ・・・・・凪!沙和!真桜!徐栄!張済!行くぞ!」

 

凪「はっ!隊長!」

 

沙和「はぁ〜〜〜〜、お茶くらいいいと思うの〜〜」

 

真桜「せやで〜〜、そんなきばらんでもええやん隊長〜〜」

 

凪「二人とも!気合が足りないぞ!」

 

徐栄「そうですよ!沙和殿!真桜殿!」

 

張済「北郷隊としての自覚が足りませんぞ!」

 

そして、北郷隊総隊長は仕事用の服に身を包み小隊長五人組と共に成都城下町へと繰り出すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛罌粟「ねぇ、柊ちゃん〜〜、今からでも遅くないよ〜〜、剣を返しに行こうよ〜〜」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

二人は、成都城の中庭で話していた

 

雛罌粟「今なら北郷さんにも許してもらえるかもしれないし〜〜、そうしようよ〜〜」

 

柊「それはできない、わたしはなんとしてでも北郷の実力を知りたいの・・・・・それに、今は城の廊下は人通りが多いわ、それこそわたし達が盗みましたと言うようなものよ」

 

雛罌粟「それはそうかもしれないけど〜〜〜・・・・・」

 

杏奈「なるほどぉ、やっぱりそういうことだったのねぇ」

 

柊「いっ!!??」

 

雛罌粟「あ!杏奈さん!!?」

 

廊下の柱の影から出てきた杏奈に、二人は驚く

 

杏奈「やっぱりぃ、あなた達の仕業だったのねぇ」

 

柊「うううう」

 

雛罌粟「ひいいい」

 

杏奈「どうしてお二人はこんなことするんですかぁ?お二人とも解っているでしょぉ、今の自分達では北郷様には到底敵わないことにぃ・・・・・お二人がどんなに策を巡らせてぇ、どんなに卑怯な手段を用いてもぉ、北郷様には勝てないのよぉ」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・・」

 

柊「・・・・・・・・・・」

 

杏奈「だからぁ、今すぐにでも北郷様の剣を返していらっしゃい、そうすれば他の人達にも黙っておいてあげるからぁ」

 

柊「・・・・・嫌です」

 

雛罌粟「柊ちゃん・・・・・」

 

柊「嫌です!ここまでやってしまった以上!後には引けません!杏奈さん!お願いです!この事は北郷ともう一度試合をするまで黙っていてください!その後でなら言ってくれてもかまいません!わたしはどうしてもあいつの底が見たいんです!」

 

杏奈「それはぁ、破門や斬首も覚悟でやる事なのぉ?」

 

柊「・・・・・はい」

 

柊は、力の篭もった声ではっきり言った

 

杏奈「・・・・・はぁ・・・・・わかりましたぁ、この事は黙っておきましょうぅ」

 

柊「ありがとうございます」

 

雛罌粟「・・・・・・・・・(ペコッ)」

 

二人は、杏奈に頭を下げ、中庭を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏奈「・・・・・これでぇ、わたくしも共犯者になってしまいましたねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、城下町

 

 

 

 

 

 

一刀「凪!沙和!真桜!そっちを頼む!」

 

凪「はい!」

 

沙和「待つなの〜〜〜!!」

 

真桜「待てやおんどれ〜〜〜!!」

 

突然現れた引ったくりを三羽鳥は追っていった

 

徐栄「それにしても、引ったくりはこれで四件目ですね」

 

張済「桃香様が統治しているのに、犯罪は天角より多いですね」

 

一刀「だからこそ、という部分があるんだろうな・・・・・桃香の統治の仕方は三国の中で一番穏やかだ、そこを狙う輩が出てきても不思議じゃない」

 

徐栄「なるほど・・・・・それにしても隊長、引ったくり一人に三人も使う必要は無い気がしますが・・・・・」

 

張済「凪殿は兄上の縮地法を使えるんですよね、一人で充分だと思いますよ・・・・・」

 

一刀「凪の縮地法は、まだ基本が万全じゃない、こんな人ごみで使ったらすぐに人を轢いてしまうさ・・・・・それに、引ったくりっていうのは予め逃走経路をいくつも持っている・・・・・おまけにここはやつの地元だ、数人で当たらないと到底捕まえられないさ」

 

徐栄「はぁ〜〜〜、勉強になります」

 

張済「やはり兄上がいると仕事の効率が違いますな〜〜〜」

 

一刀「あまり俺に頼らないでくれよ、おまえ達だっていつまでも俺の下にいるわけには行かないんだからな」

 

徐栄「え?それはどういうことなのですか?」

 

一刀「要するに、おまえ達にもこれからもっと大きい隊を率いて貰うという事さ」

 

張済「ああ、そういうことですか」

 

本当は、少し違う

 

自分は確実に、三国の将達の誰よりも早く逝く

 

結果的には、北郷隊を引き継ぐのは凪になりそうだが、凪・沙和・真桜に加えこの徐栄や張済にも一刀は期待していた

 

この三国の治安を守る北郷隊総隊長を継いでくれる人間の成長に

 

一刀が少しだけ感傷に浸っていると

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁにすんだこぉらーーーーーーー!!!」

 

「なんだと!!そっちがぶつかってきたんじゃないか!!!」

 

人ごみの向こうから喧嘩の空気が伝わってくる

 

張済「・・・・・またですか」

 

徐栄「喧嘩はこれで五件目ですね・・・・・」

 

一刀「平和になっても、血気盛んな奴なんていくらでもいるさ・・・・・頼むぞ」

 

徐栄「はっ!」

 

張済「はいっ!」

 

ふたりは一刀に指示され、人込みの向こうへと駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「本当に・・・・頼むぞ・・・・徐栄・・・・張済・・・・」

 

逞しくなった二人の後姿を見て、一刀はそう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

「うあああああああああああああ!!!」

 

「だあああああああああああああ!!!」

 

「でりゃあああああああああああ!!!」

 

一刀「!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「ほら!きりきり歩け!」

 

引ったくり「・・・・・くそぉ」

 

沙和「沙和達から逃げやれるのは、それこそ隊長か悠さんくらいなの〜〜〜」

 

真桜「ま、相手が悪かったな」

 

三人は引ったくりを捕まえて意気揚々としていた

 

張済「ほら!歩け!」

 

徐栄「三日間牢で反省するんだな」

 

そこに喧嘩をしていた二人組みを捕まえた徐栄と張済が合流した

 

沙和「あ、お疲れ様なの〜〜」

 

真桜「なんや?そいつら?」

 

徐栄「そこで喧嘩をしていて、我々が捕らえました」

 

張済「少し暴れましたが、すぐに捕らえることができました」

 

凪「そういえば、徐栄さんは隊長に柔術を、張済さんは空手を教わっていたらしいですね」

 

徐栄「はい、相手を押さえつけるにはうってつけです」

 

張済「兄上から教わったこの拳こそが、自分の武器です!」

 

 

 

五人が楽しそうに会話をしている所に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪「な!!?」

 

沙和「なんなの!!?」

 

真桜「なにがあったんや!!?」

 

徐栄「これは、隊長がいる方向からですね」

 

張済「兄上!!?」

 

凪「くっ!沙和!真桜!こいつを頼む!」

 

沙和「わかったの!」

 

真桜「任せい!」

 

捕まえた引ったくりを沙和と真桜に任せて、凪は走り出した

 

 

 

 

 

 

凪「今行きます!隊長!」

 

 

凪は人込みを掻い潜りながら前進する

 

しかし、進む間に聞こえてくる声はあまりに不自然だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「止めてーーーーーー!!!北郷様を傷つけないでーーーーー!!!」

 

 

 

 

凪「・・・・・え?」

 

 

 

 

「おまえら!!!御遣い様をそんな目に合わせて!!!天罰が下るぞ!!!」

 

 

 

 

凪「・・・・・なんだって?」

 

 

 

 

「北郷様が死んじゃうーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

凪「・・・・・何を言って・・・・・」

 

 

 

 

 

「北郷様!!!どうしてしまったんですか!!!??そんなやつらふんじばって下さい!!!」

 

 

 

 

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

凪は、急いで人込みから抜け出した

 

そして、見たものは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキッ!バシッ!ドカッ!バキャ!ガスッ!ガンッ!ドンッ!ゴキッ!バシンッ!ガキッ!ズガンッ!バキャ!ガスッ!ガンッ!ドンッ!バキッ!

 

 

 

一刀「ぐっ!っ!うっ!ぐぅっ!ぎっ!がぁっ!」

 

 

 

 

 

立ったまま微動だにせず、蜀の民達からリンチを受け、血だらけになっている一刀の姿だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

いくらなんでもオリキャラ出すの遅いだろ!?

 

そう思っている人が大多数でしょう

 

実を言うと、この三人を出そうかどうか、ずいぶん前から迷っていました

 

ただ、蜀だけ原作以外のキャラがいないのは寂しいと思い、このような強行手段に打って出ました

 

いつまでも他の人から借りてばかりでは他の人に悪いと思い、完全なオリジナルキャラでいきました

 

というわけで、ニューオリジナルキャラ紹介

 

今更ですが、時雨から紹介していこうと思います

 

時雨の特徴については第二話の最後にて書いていると思いますが、あれだけでは分からないでしょうからもう少し掘り下げて説明しようと思います

 

 

時雨

 

 

姓は舜   名は琴  字は無し

 

 

茶色い髪を腰まで伸ばし、全体的にウェーブが掛かっている

 

一刀がこの世界に来る1年ほど前に子を二人産み、そのためか年齢のわりにかなり母性的な顔に体つきを持っている

 

一刀とは、ほとんど同い年で一刀はそのことを知った時に結構驚いていた

 

現在では、一刀側近の侍女として働いているため、月達と同じメイド服を着ている

 

独占欲が強い方で、一刀に他の女性がくっついていると嫉妬のオーラを醸し出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姓は姜    名は維   字は伯約

 

 

 

いわずと知れた残念武将

 

髪の色は灰色、髪型は両脇の前髪を細布で縛りポニーテールをしている

 

瞳の色は、水色

 

格好は、額に白い鉢巻をし、星のような長い袖をぶら下げその中に自分の武器を隠し持っている

 

帯を締め、和服っぽい服の中に鎖帷子を着込んでいて胸元からそれが少し見えている

 

武器の名前は千里玄武で鎖の先には突起が付いていて、相手を突き殺す事も可能

 

朱里と雛里に拾われて、二人を師匠として敬愛している

 

しかし、そのせいで暴走してしまう時があり、失敗が目立つ

 

根は純粋で一度能力を示せばちゃんとその人の事を認めてくれる

 

朱里と雛里の方が年が上にも拘らず二人よりも背が高く、二人が羨むようなナイスバディ

 

いわゆるロリ巨乳というやつでしょう

 

 

 

 

雛罌粟

 

 

 

 

姓は馬     名は謖     字は幼常

 

 

 

 

こちらも残念な軍師

 

髪の色は藍色、髪型はツインテールで膝まで伸びている

 

瞳の色は、緑

 

格好は、スポーツブラジャーにスパッツで、おへそは丸出し状態、腰には円月輪を入れるための真桜のようなベルトを装着している

 

右腕に手だけに装着する薄手の手袋をし、左には二の腕まで隠せる薄手の手袋をしている

 

右足には太腿まではける靴下をし、左足は普通の靴下を履き殆ど生足である

 

武器の名前は、円月白虎

 

かなりのお調子者で、柊と一緒に朱里と雛里を困らせている問題児

 

自身が氣の使い手であることも手伝って、慢心してしまうことが多々ある

 

少しだけ日に焼けており、服を脱ぐと日焼け後がくっきりと残る

 

柊より少し胸が大きく、激しく動くと下乳が見えてしまいそうになる

 

こちらもやはり、朱里と雛里から羨ましがられる

 

本人曰く、『こんなもの邪魔、動きにくいだけ』と、三国の貧乳同盟を敵に回すようなことを言っている

 

柊と同じくらいの身長で、やはりロリ巨乳

 

 

 

 

 

 

 

 

杏奈

 

 

 

姓が法    名が正  字は孝直

 

 

髪の色は黒っぽい紫で、腰まで髪を伸ばしているストレートへヤーのサイドテール

 

瞳の色は右が緑で左が金色

 

格好は、和服とチャイナドレスが合体したかのような服装で、胸元が開いている

 

すらっとして体形で、黒パンストを着用

 

かつては劉璋に仕えていたが、劉璋のやり方についていけず、劉備軍が益州に入る時に裏で手引きしている

 

朱里も雛里も彼女の実力は認めていて、今では桃香の側近としてその手腕を振るっている

 

普段は少し無愛想な面持ちだが、笑顔は爽やか

 

ウィスパーな声を出すが、軍師として行動する時はきりっとした顔立ちになり、声もはきはきとしたものに変わる

 

朱里と雛里がいない時の柊と雛罌粟のお世話は主に彼女の役目であり、よく二人に説教する姿が城内で見られる

 

普段は優しいが、怒るとなかなかに怖い

 

間違った行いをすると、たとえ桃香であっても説教をする

 

最近の悩みは、小さい頃から敏感だった胸が成長と共にさらに敏感になった事

 

当初、彼女は武官志望だったのだが、激しい運動をすると変な声が出てしまうため断念

 

恐ろしく先を見通す力に恵まれていて、瞳の色が違う事から金色の千里眼の異名を持つ

 

ちなみに胸のサイズは星と同じくらい

 

と、こんなところですかね

 

みんな巨乳じゃないか!!と言う突っ込みは止めてください

 

物語を面白くするために、そして話の流れでこういった形が一番いいと判断したまでです

 

三人の真名については結構悩みました

 

しかし、花の名前をつけたことについては後悔していません

 

 

 

 

さて、どうしてこのようなことになったのか?

 

蜀の民達にとって一刀は英雄ではなかったのか?

 

続きは、43話にて

 

待て!!次回!!

説明





蜀での会議、新キャラ登場




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コメント
やめられないじゃないか;;(RevolutionT1115)
なんだとお! こんな区切りは卑怯だ! 続きを待ってます!(ZERO&ファルサ)
オリキャラの二人にイラッときましたww続きがむちゃくちゃ気になります!(タケダム)
なにがあったんだ?作者気になって寝られないじゃないか(VVV計画の被験者)
なんて区切り方をするんだ、このいけず!(ryu)
作者ーーー!!この区切りは気になりすぎるーーーーー!!!(ルーデル)
続きが早く読みたいです!!!!(萌香)
一刀、いきなりどうしたの?続きがかなりきになります!!(samu)
くそう、作者やりすぎだぜ!!(区切り方が)これじゃあどうにもならねえ!!(区切りと次回を見たいという葛藤)!!(黄昏☆ハリマエ)
ちょっと待ってください、ここで区切って次回に回すって、・・・・・・・・次回が楽しみすぎるじゃないですか!www(an)
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