真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 25話
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劉備からの使者としてやって来たのは、常山の昇龍といわれる趙子龍と諸葛亮と並び鳳雛と謳われる鳳士元であった。

「この度は、孫策様が怪我をされたと聞きましたが、無事で何よりでございます」

趙雲たちは雪蓮の見舞いとして、劉備からの言葉を述べた。

「ありがとっ♪」

雪蓮は自分の体を思い一瞬苦笑いをしたが、趙雲たちに気が付かれないように明るく答えた。

「さて、次にですが……」

きた。

劉備からの要件がただ見舞いだけであるはずがない。

それだけであれば文を送ればこと足りること。

なにか他に用があるはずである。

「実は…」

趙雲はちらりと隣にいる鳳統に目線を送ると、

「じ、実は今回呉の王様が孫策様から孫権様に変わったということで、同盟の話再び考えさせていただきたいのです」

言葉を引き継いだ鳳統は少しおどおどしながらもつまらず言った。

「つまり俺にも孫策のように信用に足るか示せと?」

「はい……」

鳳統は言い終えるとかぶっている大きな帽子のつばで顔を隠してしまった。

「して、どうやって示せば良い?」

冥琳はため息をひとつした後趙雲たちに聞いた。

「なに、簡単でございます。我等の主、劉備様に会って話をしてくだされば良い」

「……それはつまり、私たちに益州にこいと言うことか?」

「そうです」

冥琳の厳しい視線にもろともせず趙雲は平然とした態度で続きを述べた。

「本来ならこちらから参るのが筋でございましょう。

 しかし我等は知っての通り益州の地を手に入れたばかり。

 やることは山のようにあり、こちらに来ることは難しい」

「それはこちらも一緒。呉も王が変わったばかりなのだが」

「されど、前王孫策様がおります。しかしこちらは劉備様ひとり。

 無茶な願いとはわかっておりますが」

そう言い終えると趙雲は頭を深く下げ、お願いしますと言った。

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「分かった」

俺の返事に趙雲は顔を上げ喜びの表情を浮かべた。

呉の面子は驚いた表情や呆れた顔など様々な様子であった。

冥琳は呆れながらも仕方がないといった様子で、雪蓮は笑っていた。

「ありがとうございます」

再び頭を下げた趙雲たちに俺は、

「部屋を用意する。今夜はゆっくり休むと良い」

と言い、謁見を締めくくっった。

謁見を終えると呉の皆がこちらに詰め寄ってきた。

「本当に良かったのですか?

 何も一刀様が行かなくても…」

「あれでいいんだよ、亞莎。

 俺も一度劉備と話したいと思っていたんだ」

心配そうな顔をする亞莎の頭に手を置き、優しく答える。

「それに今劉備たちと関係を切るのは今後に影響する」

そう、後にあるであろう大きな戦いにおいて……

「だが、南への遠征もある。あまり人員は割けないぞ」

先ほど呆れた顔をしていた冥琳が聞いてきた。

「そうだな……

 今回は恋とねね、あと思春を連れて行く」

俺がそう言うと冥琳はなるほどといった顔をした。

烈火が思春を連れてゆくのが不服なのか自分も連れて行けと言ったが、南での戦いを期待していると頭を撫でてやるとおとなしく従ってくれた。

「それで私は……」

「亞莎には今回の遠征の総指揮をとってもらう」

「私が…ってえーー!!」

俺の言葉に亞莎は叫ぶと、

「そ、そんな!無理です!

 それに冥琳様がいるじゃないですか!」

「亞莎よ、これも経験だ。お前には将来私の後を継いでもらう。

 そのためには経験を積まなくてわな」

冥琳は自分の弟子に言い聞かせるように亞莎の肩に手を置き言った。

亞莎は緊張した様子で返事をすると、遠征の準備をすると走って広間から去っていった。

尊敬する師匠に期待されてよっぽど嬉しかったのだろう。

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恋と音々音に益州に往くための準備をするようにと伝え、2人が去ったの見図るように思春がこちらにやって来た。

「本当にあの2人を連れて行くのですか」

「心配か?」

劉備のところには恋と音々音の元主である董卓こと月がいる。

「董卓たちに会えば恋たちが離れると思う?」

「……呂布の力はまさに天下無双です。

 あ奴が呉を離れるのは大きな損害となります……」

「確かに恋たちの力を失うのは痛い。

 でも2人を月たちに会わしてやりたいんだよ」

あの連合は結果として罪のない月たちを苦しめることとなった。

罪滅ぼしというわけでは無いが彼女たちに月たちが生きていることを教えてあげたい。

そう思い今回の訪問、恋たちに護衛の任を命じたのである。

「最後にどうするか決めるのは恋たちだ。

 ……さあ、俺たちも旅の準備をしよう」

心配そうな顔をする思春の背中を押し、主発の準備をするために俺たちも部屋を後にした。

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眠い……強烈に眠いです…

今回はあまりあとがきはありません。なので予告風に。

 

益州に向かうこととなった一刀たち。そこでどんな出会いがるでしょうか。

次回は久々にあの人が登場!?益州への道どうなる一刀!

ではまたノシ

説明
星と雛里が使者として登場!
桃香たちの要件はいったい…
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コメント
一刀めちゃくちゃやさしい(VVV計画の被験者)
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真・恋姫†無双 孫権 一刀 趙雲  鳳統 雛里 甘寧 思春 

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