魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−04 新しい住まい−−
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導入部四話目。

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−−新しい住まい−−

 

刹那君の機動六課への参加が決まったところで、今日の会議はお開きとなるはずだったんだけど。

 

「ところで、クロノ」

「どうした?」

「機動六課は二ヶ月後と言ったな」

「ああ。来月には隊舎への荷物の搬入が行われる」

「寮もあるから、隊員は皆そこで生活するです」

刹那君の質問にクロノ君とリインが答える。

「あ、そうだ。刹那さん」

「なんだ?リインフォース((U|ツヴァイ))」

「リインフォース。もしくは、リインでいいですよ」

「ああ。それで?」

「刹那さんの部屋を用意するにあたって、何か用意しておいて欲しい物はありますか?」

「あれば用意しておくよ?もちろん、限度はあるけどな〜」

「いや、特にはない。最低限の物があれば十分だ」

「そうですか」

「話が逸れた。機動六課は寮があるからいいとして、それまではどうしたらいい?」

「……あ」

刹那君以外が同時に声を上げた。

刹那君はこっちには住むところがない。

だから、機動六課が動き出すまでの二ヶ月間はどうしたらいいのかを聞いた。

「……全員で忘れていたようだな」

「すまん」

クロノ君が頭を下げる。

「そうやな〜。私の家は家族が多いから空き部屋はないしな〜」

「ですね」

はやてとリインが困った顔をする。

「僕のところも無理だな。カレルとディエラも居るし」

「誰のことだ?」

「お兄ちゃんの子供だよ」

「子供!?……クロノ、子供がいるのか?」

「あ、ああ」

「四年前に結婚したんだよ」

「そうか」

「お相手は、エイミィさんやで」

「エイミィ。エイミィ・リミエッタか?」

「そ」

「僕のことより、今は刹那のことだろ?」

はやてちゃんが、若干からかう様に言って、クロノ君が咳払いをしつつ話を元に戻す。

う〜ん、一応言うだけ言ってみようかな。

「私、ちょっと大きな部屋を借りているからまだ空きがあるよ?」

皆が一斉に私の方を見る。

「一緒なら食事とかの心配もいらないし」

「なのは、それは……」

「フェイトちゃんは、昔刹那君と一緒に暮らしていたでしょ?それと同じだよ」

「そ、そうだけど。でもそれは、子供の頃の話だし」

「フェイトの言うとおりだ。流石に、今は……」

あ、ひょっとして刹那君。私のこと、異性として見てくれているのかな?

ちょっと、嬉しいな。

「でも、他にいい案がないし。私なら平気だよ?」

「……いいのか?」

「うん」

「……わかった」

少し間を置いて、刹那君が肯く。

「せ、刹那!?」

「仕方がない、他にいい考えがないようだしな」

「仕方がないって。それって、私と一緒じゃ不満なの?」

「なのは、そういう意味では……」

ちょっと意地悪な言い方をしてみたら、困った顔で返ってきた。

「にゃはは。ごめんね、冗談だよ。よろしくね」

「……まったく」

「刹那、私は信じているからね」

「お前は何を言っている」

「刹那さん、モテモテです〜」

「ホンマやね〜」

「お前たちも何を言っている」

刹那に詰め寄るフェイト。そんな様子を微笑ましく見ているはやてとリインフォース。

 

「さて、今日はもういいかな?」

「待て、クロノ」

「まだ何かあるのか?」

「エクシアの修理はどうしたらいい?」

「……そうだな。ちょっと、待ってくれ」

そう言うと、どこかに連絡を入れた。

空間モニターに白衣を纏った、緑の髪の女性が映し出される。

「ああ、僕だ。実は、デバイスの修理を頼みたい。君のスケジュールの空いている日はあるかい?」

『デバイスの修理ですか?……クロノ提督のデバイスですか?』

「いや、僕ではない。友人のデバイスだ」

『ちょっと、待ってください。……丁度、一週間後。一日だけ手の空く日があります』

「頼んでいいかな?」

『構いませんよ』

「よろしく頼むよ」

『はい。では、本局でお待ちしています』

「ありがとう。……というわけだ」

「助かる」

「クロノ君、今のってマリエルさん?」

「ああ。彼女なら、信頼できるしな」

「確かに」

クロノ君の言葉に肯くフェイトちゃん。

マリエルさんは、レイジングハートとバルディッシュにカートリッジシステムを組んでくれた人。

はやてちゃんのシュベルツクロイツの開発にも携わった。

「フェイト執務官」

クロノ君の顔が急に仕事の顔になった。

「は、はい」

「一週間後、刹那・F・セイエイを本局のマリエル技官の元へ案内し、デバイス修理に立ち会うこと。いいかな」

「はい!」

「じゃあ、今日はもういいよ。積もる話もあるだろうし、この後は好きにするといい」

「ありがとうございます!」

「僕はこれで失礼するよ」

「お疲れさま、お兄ちゃん」

クロノ君は、やっぱり優しいお兄ちゃんだね。

 

「私達も行こうか」

「そうだね。まずは、お買い物」

「買い物?……何か足りないものがあるのか?」

「あるよ。色々揃えないとね」

「?」

私とフェイトちゃんの会話に刹那君がついてこれてない。

自分自身のことなのに。

「刹那君の日用品だよ。服とか」

「その服で、外を歩いたら目立っちゃうしね」

「ああ、なるほどな」

「はやてちゃんも一緒にどう?買い物が終わったら、お茶しない?」

「そうやな。久しぶりに一緒にお買い物とお茶しよか」

「わ〜い。楽しそうです!」

 

 

「え〜、こっちの方がいいよ」

「いやいや、これやろ」

「リインは、これがいいと思います」

「私はこれがいいと思うけど」

「……」

私達は今、お店で服を選んでいる。

色々な服を持ってきては、あれこれ議論。

そう……刹那君が着る服を。

「刹那はどれがいい?」

「買って貰う立場の俺が選り好みするわけにはいかないだろう?普通に着れれば別にいいのではないか?」

「駄目だよ(やろ、です)!」

四人の声が重なる。

「ホラ、ちゃんと選んで」

「……分かったから落ち着け」

自分で選んだのは、元の世界でもよく着ていた服に近いもの。

紺の上着や赤いマフラー等。

その以外は、結局なのは達四人が議論をしながら、シャツやパーカー、ジーンズ、靴などを数点購入した。

 

「俺の服を買うのに、何故あそこまで熱くなるんだろうな?」

《……マスター》

「どうした?」

《いえ、何でもありません》

「?」

というやり取りがあったのは、余談である。

 

その後は、歯ブラシなどの日用品を購入して一休みするために喫茶店に入った。

「……ふぅ」

「お疲れやね、刹那君」

「……まぁ、な」

「ごめん刹那。ついつい、熱くなっちゃって」

フェイトちゃんが俯き加減で刹那君に謝る。

「でも、いい物が買えたでしょ?」

「そうだな。しかし、金のことは……」

「別に気にしなくていいよ。刹那君にはお世話になったからね」

「……」

「納得できないんなら、六課が動き出してから少しずつ返したらええんちゃう?一応、刹那君にもお給金出るよ?」

「そうなのか?」

「はいです。正規局員よりは低くなってしまいますけど」

「金額に文句は言わない。貰えるのならば、そうさせてもらうか」

 

お茶を飲みつつ、少しのんびりしていた時だった。

「あの〜失礼ですが、高町一等空尉……ですよね?」

「はい?そうですけど」

二十代半ばくらいの女性に声をかけられた。

「それに、ハラオウン執務官に、八神二等陸佐ですよね!」

「ええ」

「そうですけど」

「あの、私出版社の者でして。お三方が一緒にいるなんて!ぜひ一枚お写真を撮らせてください!」

確かに私達三人が一緒にいるのは珍しい。

それに、局の制服だから目立っていたみたい。

「すみません。制服姿ですけど、今はプライベートの時間ですので」

「そこを何とか!」

なのははやんわり断るが、女性は頭を下げて頼みこんでくる。

「ごめんなさい」

「お願いします!」

どうしよう、困ったな。

なおも食い下がる女性に刹那が口を挟む。

「あんたの仕事は、彼女を困らせることか?」

「……え?」

「どうなんだ?」

「えっと、あなたは?」

「質問したのは俺の方だ」

「……うっ」

鋭い眼光と厳しい口調に女性が怖気ずく。

「あ、えっと。この人はボディーガードなんですよ」

私の咄嗟の言葉に刹那君が念話で聞き返してくる。

(ボディーガード?)

(ごめんね。刹那君、少し話を合わせてくれる?)

(……了解)

「ボディーガードということは、お三方よりもお強い……と?」

「もちろん、強いで〜」

「はいです!」

女性の疑問にはやてちゃんとリインが肯きながら答える。

「そ、そんな」

「本当ですよ」

信じられないといった感じの女性にフェイトちゃんが真面目な顔で答える。

「……彼女達に迷惑をかけるようなら、俺にも考えがあるが?」

「……わかりました。すみませんでした。今度機会がありましたら、是非お願いします」

女性は謝罪の言葉を残して、足早に去っていた。

「……ふぅ。ありがとう、刹那君」

「いや」

「でも、あんまし脅かしちゃあかんで。さっきの女性(ひと)、ちょっと怯えてたで」

「そんなつもりはないんだがな」

「まあまあ、はやて。刹那は悪気があって言ったわけじゃないし」

「ところで、まだ此処に居て大丈夫なのか?」

「え?」

「また、同じようなことが起こるかもしれないぞ」

「そうだね。そろそろ行こうか」

 

「私とリインは家に帰るな。皆のお夕飯の準備をせなあかんから」

「送ろうか?」

「大丈夫やよ。それじゃあ」

「さようならです!」

「今日は世話になった」

はやてちゃんとリインは手を振りながら去って行った。

「私達も行こうか。フェイトちゃんは来る?」

「うん。一緒にご飯食べたいし」

「それじゃあ、行こう」

 

車を走らせて、約10分でマンションに到着。

自分が借りている部屋に向かう。

「はい。どうぞ」

玄関のドアを開けて、電気を点けて上がる。

「お邪魔します」

「失礼する」

「私、着替えてくるね。二人はのんびりしてて」

「私、お夕飯の準備を進めておくね」

「ありがとう、フェイトちゃん。刹那君はのんびりしてて」

「……そうさせてもらおう」

 

テーブルの上に並べらているのは、一般的な日本食。

「どうかな、刹那君」

「ああ、うまい」

「よかった」

黙々箸を口へ運ぶ刹那君を見て、フェイトちゃんと一緒に笑顔になる。

 

食後にフェイトちゃんと一緒に後片付けをする。

リビングでは刹那君が新聞を読んでいる。

といっても、こっちは紙ではなくデータ形式だから読むのに最初はちょっと苦労してた。

「刹那君って、新聞とかよく読むの?」

「海鳴に住んでいた時は、毎日欠かさず読んでいたよね。ニュースもよく見てたし」

「……俺は異世界の人間だ。この世界のことを知っておく必要がある」

「なるほどね」

「なのは、刹那。私、そろそろ帰るね」

「そっか、転送ポートまで車で送るよ」

「ありがとう、なのは」

「俺も行こう」

転送ポートまでフェイトちゃんを送るために、刹那君も立ち上がる。

 

「それじゃあ、二人とも」

「うん。また今度ね」

「またな」

「……刹那」

「なんだ?」

「なのはに変なことしちゃ駄目だからね」

別れ際にフェイトちゃんがとんでもないことを口にした。

「お前は俺をなんだと思っている」

「大丈夫だよ、フェイトちゃん」

「なのは」

「レイジングハートもエクシアも一緒だしね」

《お任せください》

レイジングハートとエクシアが同時に答える。

「ね?」

「う、うん。じゃあ、行くね」

手を振って、フェイトちゃんを見送る。

 

マンションに戻ってきた私は、刹那君を部屋に案内する。

「本来は、フェイトちゃんとかお客さまが来た時に使ってもらう部屋なんだけど、今日からはここが刹那君の部屋だよ」

「ああ」

「刹那君、お風呂はどうする?」

「俺はまだいい。今日買ってきた荷物の整理もしたいしな」

「そうだね。じゃあ、私が先に入るね」

「なのは」

「なに?」

「あまり気を遣う必要はない」

「え?」

「ここは、お前の家で俺が邪魔をしている。お前が決めたことには従う」

「うん、わかった。それじゃあ」

「ああ」

踵を返して部屋を出ようとして、ふと思い出す。

「刹那君」

「どうした?」

「二ヶ月間だけど、よろしくね」

「ああ。よろしく頼む、なのは」

 

機動六課が動き出すまでの暫く間の平穏な日々。

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読了おつかれさまでした。

某サイト掲載したものを手直ししましたが、あまり上手く直せませんでした。

説明
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。イノベイターへと変革した刹那に訪れる再会と新たなる出会い。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。
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タグ
魔法少女リリカルなのはStrikerS 機動戦士ガンダム00 クロスオーバー 刹那 なのは フェイト 

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