恋姫†無双 関羽千里行 第2章 13話
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第2章 13話 ―連合集結―

 

一同「...」

 

 あれからまた日がたち、軍の編成を終えた俺たちは反董卓を掲げる連合軍の集結地点へと向かった。張三姉妹は最後まで一緒についてくると言い張ったが、まだ危険があること、そして留守を任せられるのがほかにいないという俺の意向を根気よく伝えると、渋々といった感じで了承してくれた。ほかの村との協力関係があるとはいえ、この動乱の時代においては何が起こるかわからない。あれだけの数を率いていた彼女たちならば、何かあったときの対処もできるだろうという考えに至ったのであった。

 

 そうして彼女たちと町のみんなに別れを告げた俺たちはやっとこさ連合軍の終結地点にたどり着き、今は連合軍の各勢力が集まっての軍議の真っ最中だ。とりあえず初顔合わせもあるということで軽い自己紹介を回していたのだが、俺の番になってその流れが明らかに途絶えてしまった。好奇の視線が自分に集中しているのを痛いほどに感じる。

 

袁紹「そう。貴方があの。」

 

 連合の発起人である袁紹が何かに納得したかのように頷く。

 

袁紹「噂では天の御遣いなどと言われているようですけども。何か天の遣いだと証明するようなものはありまして?」

 

一刀「この場で出せるようなものはないかな。でも自分で言うのもなんだけど、胡散臭いとは思ってるから信じてくれなくても構わないよ。」

 

袁紹「まあ確かに、貴方が本当に天の遣いかどうかなんて今はどうでもいいことですわね。」

 

 そうばっさり切り捨てられると、自分で言って置きながらちょっともやもやしてしまう男心である。もちろんそんなことは口には出さないが。しかし、何事もなかったように再び自己紹介を続ける中で、俺は未だに注がれ続ける視線に気がついた。

 

 一つは薄紅色の髪の毛をし、赤を基調とした服を身にまとっている女性からのものだった。こちらが気づいて視線を移すと、ニコニコとした表情で小さく手を振ってきた。思わず見とれて呆けてしまった俺も小さく手を振り返してしまう。前の外史では会うことはなかったが、あれが孫権の姉の孫策だ。前に真面目な印象を受けた妹とは対照的に、孫策からは物腰の柔らかさのようなものが感じ取れる。

 

 そしてもう一方の値踏みをするような視線をぶつけてくるのは誰あろう曹操だ。俺の知っている曹操ならこの場で俺がどんな人物か、自分にとって有益な人材になりうるかなんてことを分析しているんだろう。俺が曹操の方に視線を移すと曹操はそのまま会議の場に視線を戻してしまった。

 

 そんなことを考えているうちに自己紹介も終わり、会議は次の議題へと移っていた。

袁紹「さて皆さん。これからあの忌々しい董卓さんの軍が守る砦を攻めるわけですけど、まず最初に話しあっておかなければいけないことがありますわ。お分かりになりますかしら?」

 

 もったいをつけて皆を見渡す袁紹。次の言葉が予想できてしまった俺は早くも辟易としてしまった。それはおそらく他の諸侯もそうなのだろうと思っていたのだが...どこか前と雰囲気が違う。

 

袁紹「あら。お分かりになりませんの?なら教えて差し上げますわ。それは...」

 

 再び間を溜める袁紹。そして、

 

袁紹「情報の共有ですわ。」

 

 あまりに意外な発言に俺は一瞬思考を停止してしまった。失礼な話ではあるがそれも無理はない。一刀にとって袁紹とは知略とは程遠い人物だと認識されていたからだ。

 

一刀が口をあけたまま呆けているなんてことには気付かない袁紹はそのまま話を続けていた。

 

袁紹「今回、董卓さんの軍の規模は未だにその全貌がわかっていませんわ。兵はどれくらいいるのか、率いる将は誰なのか。このまま戦うのは危険なのは皆さんもお分かりですわよね?ですから、皆さんが持っている董卓さんの軍に関する情報があったらここで出して下さいな。」

 

 それに呼応して諸候が口々に持ち寄った情報を報告していく。

 

諸侯1「董卓の軍には鬼がいるという噂がありますぞ。」

 

諸侯2「私も聞いた。なんでも1匹で一軍を壊滅させられるとか。」

 

諸侯3「鬼だと、そんな馬鹿な。私が得た情報では洛陽を守る2つの砦には妖術がかけられているらしい。」

 

諸侯4「情報源は明かせんが儂の得たのは董卓軍には怪しい一団が混じっているとか。」

 

諸侯3「それでは何も分からないではないか。」

 

 だがその情報の多くが眉に唾するようなものであった。

 

袁紹「なんだか怪しい話しか出てきませんわね。」

 

 微妙な表情を浮かべる袁紹。諸侯から視線を移し、

 

袁紹「そちらは何かありますかしら、華琳さん?」

 

 こちらは諸侯の話などまるで興味がないといった表情を浮かべていた彼女に話を振った。

 

曹操「そうね。私が知っているのは私たちがここに集結する数日前、夜陰に紛れてどこかの軍が洛陽に入ったということくらいね。視界が悪くて正確な数は把握できなかったみたいだけど、8千はいたそうよ。洛陽から出てきたという報告はないから、おそらくあちらと合流したものと考えていいでしょう。」

 

 さすがと言うべきか、今までの諸侯からの情報と比べて曹操はかなり具体的な情報を持ってきていた。

 

一刀「その情報はどの程度信用できるものなんだ?」

 

曹操「愚問ね。私のところの間諜が持ってきた情報なのだから確かよ。そうでなければこの場で話したりしないわ。それとも貴方はこの曹孟徳が嘘をついているとでも?」

 

 試すような視線を向けてくる曹操。少し気圧されてしまうがここで黙ってしまってはいけない。

 

一刀「俺は曹操さんとは初対面だしね。初対面の人の話をいきなり信じろって言われても今の時代難しいだろ。だからその話の裏が取れるまでは可能性の1つとして頭の中にとどめておくよ。」

 

曹操「...そう。ならそうなさいな。」

 

俺の答えにはどうやら満足したらしい。しかしこちらに向けられた視線の中には、獲物を見つけた獣のような、獰猛な気配が秘められているように感じた。

 

 袁紹のことを考えれば俺の知っている曹操とは全く違い、嘘かそれに近いものを言っているということも考えられたが、これはおそらく本当だろう。彼女の纏う覇者としての雰囲気がそう確信させた。

 

そこに、

 

公孫賛「そいつらが董卓を倒してそのまま都に踏みとどまってるなんてこともあるんじゃないか?」

 

袁紹「あら、伯珪さんも来てましたの。」

 

公孫賛「最初からいたよ!さっきも自己紹介したじゃないか!」

 

袁紹「そうでしたの?記憶にありませんわね。」

 

公孫賛「おいおい麗羽、勘弁してくれよ...」

 

 がっくりとうなだれる公孫賛。彼女とは前の世界で長い付き合いとは言えなかったが、なんとなく彼女からは違和感を感じなかった。

 

袁紹「そんなことはおいておいて話を戻しますわよ。さっきの話ですけど、それはないでしょう。私が最後に洛陽にいたとき、董卓さんの兵が4万は居ましたわ。洛陽に呼び寄せているはずの分も考えれば、夜襲をかけたとしてもその程度で崩れるとは思えませんわね。」

 

 目の前のこの人物は誰だ?強烈な違和感を感じる俺を一人置いて、話はどんどん進んでいく。

 

曹操「董卓も連合を組まれていることは百も承知のはず。その状況で敵か味方かもわからないような者にあの堅牢な2つの関を素通しさせるほど愚か者ではないでしょう。」

 

そこに、

 

孫策「ごちゃごちゃ言ってないで、とりあえず1回殺り合ってみればいいんじゃない?」

 

 爽快と言っていいくらいにあっさりとした意見が投げ込まれた。

 

曹操「江東の虎、その娘らしく勇ましい意見ね。」

 

孫策「あら、ありがと。褒め言葉として受け取っておくわ。」

 

 不敵な笑みを浮かべる二人。お互いを好敵手として認識しているようだ。

 

袁紹「孫策さんの言うことにも一理ありますわね。では、まずは様子見ということで各軍から斥候を兼ねた部隊を供出しましょう。皆さんそれでよろしいかしら。」

 

 再び全員に問いかける。反対する者はいないようだ。

 

袁紹「では決まりですわね。部隊の規模や構成は後で通達いたしますから、軍議はこれでいったん解散にしましょう。」

 

 それを聞いた途端、陣幕からゆっくりとした挙動で出て行こうとする影が一つ。

 

??「ソーッ...」

 

袁紹「さあ、美羽さん?」

 

 出ていこうとした影は袁紹のいとこにあたるという袁術だった。

 

袁術「ぴぎっ!ななな、なんでしょうか、麗羽お姉様?」

 

袁紹「久しぶりなのですし、少し私とお茶でもいたしましょう。」

 

袁術「あ、えーと、あのその...そ、そう!これから少し用事が...」

 

袁紹「まあ。何やら今朝も寝室の方で慌ただしかったようですけど...もしかしてまだおねしょする癖が治っていませんの?仕方ありませんわね。あれほど寝る前に蜂蜜水を...」

 

袁術「わわ!よ、用事はなくなったみたいですから、お姉さまがお気を煩わす必要は...」

 

袁紹「あら。それならお茶にしても構いませんわね。さあ行きますわよ。」

 

袁術「い、嫌じゃ〜!誰か助けてたも〜!」

 

 心底楽しそうにする袁紹とは反対に、完全に泣きが入ったまま強引に引っ張られていく袁術。袁術はどうやら相当袁紹が苦手なようだ。その様を見送った俺は、ほかの諸侯と同様に自分の陣地へと戻っていった。

 

 

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 自分たちの陣幕に着くとすぐに皆が出迎えてくれた。まだ少し呆けた気分の残っていた俺に即座に気付いた愛紗が声をかけてくる。

 

愛紗「どうしましたか?またあの袁紹に無茶なことでも言われたのですか?」

 

 前のことを思い出したのか、俺の様子に心配する必要はないと悟った愛紗は呆れの混じった笑みを浮かべた。

 

一刀「いや、それが...袁紹が斥候を出そうなんて言いだしたんだ。」

 

 今度は愛紗の方が固まり、呆けた表情を浮かべた。

 

愛紗「冗談...ですよね?」

 

 俺は軍議であったことを皆に伝えた。もちろん孫策に少し見惚れてしまったことは省いたが。

 

愛紗「あの袁紹が...」

 

星「ふむ。私が旅をしていた時、袁紹の領地を通ったことがあるのですが、領民の袁紹に対する評価はあまりよくなかったと思いましたが...」

 

雛里「よくなかったというのは...」

 

星「要は馬鹿だということだ。」

 

雛里「あ、あう...」

 

一刀「でもあの対応からするとそうとは思えないんだけどなぁ...」

 

雛里「領民の方たちと何か行き違いでもあるのでしょうか...」

 

 しかも成り行きとは言え連合軍の主導権を握ってしまった。これは袁紹が意図した結果なのか、それとも...

 

愛紗「とにかく、そういうことなら部隊を編成しなければ。」

 

一刀「そうだね。愛紗と星で斥候の部隊を編成してくれ。まだ詳しいことは決まってないからゆっくりでいいと思うよ。あとの皆はとりあえず今は現状待機ってことになるかな。」

 

愛紗・星「御意。」

 

祭「北郷。そう言うことなら今の間にちと会わせたいお方がおるのじゃが。」

 

一刀「会わせたい人?」

 

祭「まあ付いてくればわかる。行くぞ。」

 

一刀「うおっ!ちょ、ちょっと祭!」

 

 がっちりと俺の腕を抱えるとずんずんと進んでいく祭。それを見て、

 

思春「一人護衛が必要だな。私が行こう。後は任せた。」

 

 皆が茫然とする中、一人そう言うとさっと陣幕を出ていく思春。

 

一同「...」

 

一同「あーっ!」

 

愛紗「ま、待て!私も一緒に...」

 

星「愛紗は主から部隊の編成を任せているだろう?さあ私と来てもらおう。」

 

愛紗「は、離せ星!」

 

霞「やられたなぁ。なんか楽しそうなことになる気がしたんやけど。」

 

華雄「あの気配の消し方、甘寧もなかなかやるではないか。」

 

雛里「そういうことではないような...」

 

愛紗「一刀様ーっ!」

 

 連合が集まる数多の陣幕の中でもひと際騒がしい陣営なのであった。

 

 

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 そうして一刀が連れてこられたのはとある軍の陣幕であった。不思議なことに、その陣営を見回っていた衛兵もさらには陣内で慌ただしく動いていた兵士ですら、俺たち部外者をすんなり通してくれた。それどころか、

 

衛兵「黄蓋様お久しぶりですっ!」

 

祭「おう。」

 

兵士「黄蓋様、帰ってきて下さったのですか!また稽古をつけて下さいよっ!」

 

祭「ちょっと顔を見せに来ただけじゃ。だいたい、お主またビービーなく羽目になるぞ。」

 

兵士「ちょっと、黄蓋様!」

 

衛兵「お前情けねぇなぁ。」

 

祭「お主も昔はちょっと血が出ただけでわんわん泣いておったではないか。」

 

衛兵「そ、それは昔の話ですよっ!」

 

 声をかけられるたびに皆に応対をしていく祭。どうやらこの陣営の人たちとは皆付き合いが長いようだ。ということは今俺がいるのは...

 

孫策「そろそろ来るころだと思ったわよ。会うのは久しぶりね、祭。」

 

祭「策殿自ら出迎えて下さるとは。なぜ儂が来るのがお分かりに?」

 

孫策「そりゃ、私と祭の仲じゃない。」

 

??「あれだけ騒いでいれば誰でもわかるというものだろう。」

 

祭「おお。冥琳も久しいのう。北郷、紹介しよう。この御方は孫策伯符殿、そしてこっちがその腐れ縁の周瑜公瑾じゃ。」

 

孫策「改めて、孫伯符、真名は雪蓮よ。よろしくね、一刀♪」

 

一刀「ええっ!?」

 

 出会って早々に真名を預けられてしまった。この世界での真名の意味はわかっているので、流石に耳を疑ってしまう。

 

周瑜「いつもすぐに真名を預けるなと言っているのはなんだったのか...それに祭殿。その紹介の仕方は止めて下さい。周公瑾だ。しかし...雪蓮も祭殿も許してしまっているのだからかまわんか。よろしければ私のことも冥琳と呼んでください。」

 

 彼女はかつて亡き友の歩んだ覇道をすすむために、その智謀を駆使し一時は呉を支配下におさめたこともある人物だ。彼女の神算鬼謀にはかなり手痛い被害を被ったことを覚えている。しかし、目の前に立つ彼女の纏う雰囲気から考えると謀反を起こすような人物だとは到底思えなかった。

 

一刀「こんなに軽くていいのかなぁ...」

 

雪蓮「本人がいいって言ってるんだからいいじゃない。」

 

一刀「じゃあ...よろしくお願いするよ、雪蓮さん、冥琳さん。俺のことも好きに呼んでくれ。」

 

雪蓮「さんとかいらないのに。それでそっちの可愛い子は誰かしら?」

 

 二人と挨拶を交わし、二人に思春も紹介する。

 

雪蓮「へぇ。貴方があの鈴の甘寧だったんだ。貴方のことは呉でも有名だったのよ。こっちの方にいる江賊はみんな貴方の名前を聞くと震えあがったんだから。ねぇ、冥琳?」

 

冥琳「そうだな。できればこちらに是非とも欲しい人材だったのだが、北郷殿に先を越されてしまったな。」

 

思春「有難うございます。ですが私にも仰ぐ主君がおりますので。」

 

祭「陣にもう一人いるんじゃが、この思春も北郷にべったりだからな。」

 

思春「なっ!そんなことはありません!ただ、この御方は一人にしておくとフラフラとどこかへ行ってしまわれるので心配なだけです。」

 

一刀「俺ってそんなに頼りないかなぁ...」

 

思春「あ、いえ!でも...っく...」

 

 なんだか悶え始める思春。それを見て温かい笑いが沸き起こる。

 

雪蓮「聞いていた通り、面白い子たちね。」

 

祭「皆おればもっと愉快ですぞ。少なくとも、ここにいて毎日飽きることはありませんな。それにうまい酒も飲めるとあっては言うことなしじゃ。」

 

雪蓮「えー、なによそれ!ずるーい!私も行くー!」

 

冥琳「もう、雪蓮ったら。そんな簡単に覇道を投げられると、今までの私たちのしてきたことが全くの水の泡になるじゃない。」

 

雪蓮「だって〜!それ天のお酒のことでしょ?そんなに美味しいなら飲んでみたいじゃない。」

 

一刀「あー、こうなるのがわかってるんだったら持ってくればよかったかなぁ。陣地まで戻ればあると思うから持ってきてもらおうか?」

 

雪蓮「ホントッ!?一刀っていい人ね。ねぇ、私のところに来ない?」

 

一刀「ありがとう。気持ちだけ受け取っておくよ。」

 

雪蓮「あら、フラれちゃった。慰めて、冥琳。」

 

冥琳「はいはい、残念だったわね。立ち話もなんですから、三人とも中に入ってください。」

 

 

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 なぜか強情に自分が持ってくるといった思春にお酒を持ってきてもらうと、俺たちは軽く乾杯をした。祭と同じくお酒にただならぬ愛情を抱いていると思われる雪蓮さんは持ってきたお酒について色々聞きたがった。そんな話もした後、話題は祭と雪蓮さんと冥琳さんの身の上話に移っていた。最も、祭の覚えていることと、冥琳さんが覚えていることには大きく隔たりがあったようだが。そんな話を聞いていると三人が深い仲だということはよくわかったが1つ疑問が出てきた。

 

一刀「1つ聞きたいんだけど。どうして祭は雪蓮さんたちのところから出てきたの?」

 

祭「話しておらんかったか?」

 

一刀「婿探ししてるって話以外は何も聞いてないよ。」

 

祭「そういえばそうじゃったかのう。ふむ。」

 

 少し考えるようなしぐさをした後、

 

祭「まあ大した話ではないんじゃがな。堅殿、そこにおる策殿の御母上なんじゃが、儂は昔からそのお方に仕えておっての。生前、堅殿と約束しておったのじゃ。儂に佳き人が見つかったら3人で酒を飲もうとな。」

 

 祭は昔から孫堅さんに仕えていたのだが、豪快な性格からか、美人といっても呉では祭に言いよってくるような男はあまりいなかったらしい。それをしばしば孫堅さんにからかわれていたわけだが、そう言う孫堅さんも豪気な人だったらしく、あまり浮いた話はなかった。そんな二人のモットーは、「人生の伴侶は佳き食べ物と佳き酒。そして彩りとして、少しばかりの荒事があってくれれば申し分ない。」だったそうだ。

 

 だが、孫堅さんは相手を見つけ、女の子を3人も授かった。そしてある時、祭は酔った勢いで愚痴をこぼしたそうだ。するといつもはからかっていた孫堅さんもその時は神妙な顔つきになり、「人生の伴侶は佳き食べ物と佳き酒。そして彩りとして、少しばかりの荒事があってくれれば申し分ない。だがそこに佳き人がいれば、その人生はいくらでも佳きものになるだろう。」そう言って孫堅さんと祭は祭に佳き人ができた暁には、3人で酒を酌み交わし、人生の喜びを分かち合おうと約束した。

 

 しかし、孫堅さんは戦で命を落とし、さらにその後のごたごたに巻き込まれ、その約束は果たせず仕舞いで時間が過ぎてしまった。そうして孫堅さん亡き後の呉を支え続けてきた祭は、その孫堅さんの子どもである孫策さんが自分の道を歩み出したのを見て、自分も孫堅さんとの約束を果たすべくこうして呉をでてきたのだと言う。

 

雪蓮「大変だったのよ〜。祭がいきなり出ていくなんて言い出したんだから。」

 

冥琳「でも確かに呉の男では祭殿と付き合おうとは思わないだろうからな。」

 

祭「おい、冥琳。それは少し失礼じゃないかの?」

 

雪蓮「呉の男は祭が育てたようなものだものね。」

 

祭「もうよい。まあそういうことじゃから、北郷にはさらに漢振りをあげてもらんとな。ハッハッハ!」

 

一刀「しょ、精進させていただきます...」

 

 豪快に背中をバシバシと叩かれる一刀。そしてそれを複雑な表情で見ている思春と、対して温かい視線で見つめる雪蓮。

 

雪蓮「(母様、もう少ししたら母様と祭の約束、果たせそうよ。だからたまにはゆっくり待っててあげてね。)」

 

冥琳「ん?何か言ったか?雪蓮。」

 

雪蓮「ん〜ん、な〜んにも♪」

 

冥琳「ふふっ。そう。」

 

 そこへ、

 

??「雪蓮〜、冥琳〜!うわぁぁぁんっ!」

 

 

 

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―あとがき―

 

 お久しぶり?です、れっどです。読んで下さった方は有難うございます。

 

 そして更新遅くて申し訳ありません。もうしばらく更新が遅くなりそうです。

 

 連合軍が集結したみたいです。無印の時と比べると真では袁術さんの勢力が増えてたりしてますね。そして麗羽さんのようすが...!?今回は華麗に前進しないみたいです。残念!

 

 そしてやってきました雪蓮さん!真ではルートとしては呉が一番好きだったり、雪蓮さんは結構好きなキャラなのでたくさん書きたいところですが...書きすぎると鬼が出てくるので程々にしておきます(チラッ←後ろを確認 冥琳さんも一刀君にしてみれば無印の時と比べるとかなり違った印象を受けるんじゃないかなぁと思ってみたり。それと祭さんに限らずオリジナルの設定を書く時はイメージを壊してないかとか気にして結構恐る恐る書いているのですが大丈夫でしょうか。無印と真でかなりイメージが違うキャラもいるくらいですし、読んで下さる方全員に納得していただくのは無理だと承知しているのですが書いてるとついつい。

 

 今回は話が長くなりそうなので2話に分けて書きます。繋がってる話なのでなるべく早く書き終えねば!

 

 それでは、久々のあとがきでどこかおかしな感じもしますが、今後もお付き合い願えるという方はどうぞよろしくお願いします。

 

 

説明
恋姫†無双の二次創作、関羽千里行の第13話になります。
生きてますよ!
更新待ってくれてた人がもしいたらお待たせして申し訳ありません!
いないか!(泣
それではよろしくお願いします。
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コメント
董卓軍は軍を多くみせるために 裏門から軍をだし再入場させてるとみた。  あたってるか確かめるためにも続きよんでいきます(qisheng)
最後に泣きながら現れたのはもしかして美羽だったり?(Raftclans)
麗羽がかなりレベルアップしてますね。その他の方はまあ、従来通りなんでしょうか? 更新は早ければ言いというものでもないとおもいますので、十分練り上げた上でアップしていただけたらうれしいです。(きたさん)
影武者に一票(根黒宅)
董卓軍に加わった謎の軍。次回に期待大(竜羽)
麗羽、頭でも打ったか? それとも風邪を? はたまた裏勢力の影武者? 謎が多すぎるぜ。 更新に関しましては人それぞれですからね。俺の場合は更新を滞らせたくないという思いで、ネタ切れだったら、しばらく休むとか連載物は全部書いてから出すにしてます。(BLACK)
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恋姫†無双 関羽 張遼 華雄 甘寧 黄蓋 趙雲 ホウ徳 

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