仮面ライダーエンズ 超決戦!ベリアル銀河帝国 PART7
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ベリアルを追っていたゼロは、大量のエメラル鉱石が貯蔵された倉庫のような場所に来ていた。エメラル鉱石の恐るべき数に、ゼロは少しばかり戦慄する。これだけの数を集めるために、一体どれだけの略奪を繰り返したというのか。それを思うと、ベリアルへの怒りが燃えてくる。絶対にここで倒さなければならない。

 

その時、ゼロは何かの気配を感じ、背後に振り向いた。

 

見ると、エメラル鉱石の山の上に、ベリアルがいたのだ。しかし、ようやくベリアルを見つけたのもつかの間、ベリアルは倉庫にあるエメラル鉱石全てをエネルギーに分解した。

「ベリアル!!」

凄まじいエネルギーの奔流に巻き込まれつつも叫ぶゼロ。当のベリアル本人は、なんとエメラル鉱石のエネルギーを口から吸収している。

 

 

 

同時に、手を真上に開いたような形に展開するマレブランデス。それからしばらくして、手の中央から、ゼロの首から下を握り込んでいる巨大な怪物が現れた。

「身体の底から力がみなぎってきやがる!これで全ての宇宙は俺のものだ!!」

そうゼロに向かって言った怪物の声は、間違いなくベリアルのもの。信じられるだろうか。ベリアルが、原型もわからないような姿に変貌したのだ。今のベリアルの姿は、尾が生え、背中から大量のエメラル鉱石の結晶が突き出しているという、某宇宙ゴジラ紛いのもの。かろうじてベリアルだと判断できるのは、顔か色くらいである。

 

 

もはや今のベリアルはウルトラマンではない。その名は、超銀河大帝アークベリアル。完全な怪獣だ。

 

 

「くそっ…なんて力だ…!!」

ゼロはベリアルの手を振りほどこうともがいているが、いかんせん力と体格が違いすぎる。全く振りほどけない。

「苦しいか?ウハハハハ!!」

ベリアルはゼロを握ったまま、殴ったり捻ったりして弄んでいる。しかも、

「パワーが抜けていく…!!」

ベリアルの闇が強大になりすぎたため、それに反応してゼロから光が奪われ始めていたのだ。遂に点滅を始めるゼロのカラータイマー。このままでは、ゼロのエネルギーが尽きてしまう。ゼロを救うためにジャンボットとミラーナイトが駆けつけるが、片手で弾き飛ばされ、相手にならない。

 

 

その時、宇宙の闇の彼方から、赤い光球が飛んできた。

「何だ?」

光球はベリアルの周りを浮遊し、ベリアルは鬱陶しそうに光球を振り払おうとする。だが、光球はベリアルの攻撃をかわし、そのままベリアルの腕に突撃して、捕らわれているゼロを救出した。

 

「ったく…なにやられてんだよバカ!」

 

なんと、光球の正体は、グレンファイヤーだ。

「お前…!!」

「グレンファイヤー!!」

ゼロとナオは、死んだと思われていたグレンの生還を喜ぶ。

「俺だけじゃねぇ。」

グレンは親指で後ろを指差す。

「血祭りに上げてやる!!」

「ぐわあっ!!」

後ろでは、ブロリーが体格差など関係ないと言わんばかりに、ベリアルを殴り飛ばしていた。

「ブロリー!!生きていたのか!!」

パラガスは自分の息子の登場に感激する。

「まだだ。」

グレンは、別の方向を指差す。そこには、炎の海賊の艦隊が。

「あいつと一緒に宇宙中を駆け回って集めてきたんだ。」

グレンとブロリーは自分の仲間達を捜していたため、合流が遅れたのである。仲間は、まだこれだけではない。

「鏡の星の艦隊!!」

ミラーは次に現れた艦隊を見て驚いた。二次元人達は滅んでいなかったのだ。

「僕らの星の艦隊も!!」

ナオはその次にやってきた、アヌーの艦隊にも驚く。皆、ベリアルを打倒するために集ってきた同志達だ。

 

たちまち始まる艦隊戦。炎の海賊、アヌーの艦隊がベリアル軍へ攻撃し、ベリアル軍からの攻撃を鏡の星の艦隊が鏡を生み出して防ぐ。

 

 

一方、それぞれの仲間達も集合していた。

「大丈夫か?」

「ああ…」

重体のゼロを気遣うミラーナイト。グレンは見た覚えのないジャンボットを見て不審がっていたが、

「グレン!」

「お前!あの時の焼き鳥か!」

「無礼者!ジャンボットと呼べ!」

声によって、ジャンバードが変形した存在だと知る。

「ブロリー!おでれぇたぞ!お前ホントタフだな!」

悟空はブロリーの頑丈さを褒めた。

「この俺があの程度の爆発で死ぬと思っていたのか?」

「はい!ぐあっ!!」

思わず返事をしてしまったトランクスは、ブロリーに殴られる。ベジータとピッコロ、悟飯も集合し、あとは皇魔が来るのを待つのみ。

 

だが、

 

「ウハハハハ!!!」

 

残念ながら一番の敵は目の前におり、当然待ってはくれない。

「俺は止められんぞ!!」

ベリアルはパワーアップした己の力を試すという意味合いも込めて、ある技を使うことにする。デスシウム光線を惑星破壊レベルにまで強化した新技、アークデスシウム光線だ。早速撃とうとチャージを始めるベリアル。背中から突き出ているエメラル鉱石が輝き、口にエネルギーが溜まっていく。

「無駄なことを…今楽にしてやる!!」

これを見て進み出たのはブロリー。左手にエネルギーを集中する。

 

そして、

 

「ガァァァァァァァァァ!!!」

 

遂に放たれたアークデスシウム光線。ブロリーはそれに合わせて、エネルギー弾を軽く放り投げる。エネルギー弾はアークデスシウム光線に激突して大きく膨張し、アークデスシウム光線を押し込んでいく。

「ハッハッハッハ!!!」

ブロリーはその状態から何発もエネルギー弾を放ち、先に撃ったエネルギー弾をさらに押し込む。

「ムゥッ…!!」

ベリアルも光線の威力を強めるが、エネルギー弾の方が強い。

 

やがて、

 

「でやっ!!」

 

一際大きなエネルギー弾が放たれた時、光線は完全に押し切られ、

 

「グワアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

ベリアルは大爆発に巻き込まれた。

「あっ…ああ…」

全身から煙を上げるベリアル。

「クズが…まだ生きていたのか。」

まだ生きていたベリアルを見て、ブロリーは呆れる。

「…いやいやいやいや…」

グレンは首を横にブンブン振っていた。

「クッ…ソォ…!!」

再度アークデスシウム光線を撃とうとするベリアル。

 

だが、その直前にレゾリューム光線が顔面に命中し、アークデスシウム光線の発射は中止させられた。本来レゾリューム光線にはウルトラマンの肉体を分解する効果があるが、今のベリアルの肉体は怪獣のものなので、分解はされない。ただダメージを受けただけだ。

「グゥッ!!…貴様…!!」

「それ以上の蛮行は許さん。余が相手になろう」

「皇魔!!」

ゼロは思わず皇魔を止める。ブロリーの戦闘力は確かに桁外れだが、皇魔はそこまで高いパワーを持つわけではない。今のベリアルに挑むのは無茶だ。

「心配するなゼロ。余はこのような愚か者に敗れるほど、落ちぶれてはおらぬ。」

「愚か者だと!?舐めやがって!!」

皇魔を一撃で消滅させるべく、エネルギーをチャージするベリアル。対する皇魔は、EX化を発動。己を強化する。だが、まだ終わらない。

「ふぅぅ…ハァァァ……!!」

皇魔は謎の呼吸を始めた。これは、北斗神拳の奥義、転竜呼吸法。北斗神拳の真髄は、潜在能力をフルに使いこなすことにある。転竜呼吸法は、特殊な呼吸を行うことで、己の潜在能力を全て引き出すという技だ。

「ヌガァァァァァ!!!」

アークデスシウム光線を発射するベリアル。皇魔はそれを跳躍して回避し、

「らぁっ!!ぜいっ!!どぁっ!!はぁっ!!ぬんっ!!とぉっ!!ジョイヤァァァァァァ!!!」

落下しながらベリアルの身体に七回、拳を叩き込んだ。

「…ハハハハ!!痛くも痒くもねぇなぁ!!」

だが、ベリアルは全くの平気。自分の方が強いと勝ち誇る。

「お前ごときが、俺に勝てるわ…け……?」

しかし、ベリアルは突然、勝ち誇るのをやめた。

「お…おごっ…!」

次第に苦しみだし、

「ゴバァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

口から鮮やかな緑色の光を大量に吐き出して倒れる。

「北斗神拳奥義・北斗七死星点!!」

皇魔はただ殴っていたわけではない。北斗七死星点という奥義を発動していたのだ。これは、北斗七星の形になるよう秘孔を突き、相手の肋骨全てを内側に折り曲げる技である。最初はダメージがないように思えても、実は既に肉体の崩壊が始まっており、それに気付いた時にはもう手遅れ。それが北斗神拳だ。今回皇魔は、EX化と呼吸法を併用することで、より強力な奥義を放ったのだ。

「な、何だあれは!?」

「ベリアルが一瞬で…!!」

北斗神拳の技を見て驚くジャンボットとミラーナイト。

「もし俺が、ゼロじゃなくあいつと戦ってたら…」

グレンは、今のベリアルのように肋骨全てを折られた自分を想像して、青くなった。しかも、ベリアルはまだ死んでいないようだ。相当な苦痛だろうし、これは一思いに殺された方がマシだろう。

「全く、呆れたしぶとさだな。七死星点をまともに受けて、まだ息があるとは…」

「うぐ…うぐぐぐ…!!」

呆れる皇魔。ベリアルは苦しみ、呻くことしかできない。もはや、勝負はついたも同然だ。

「どけ!この俺がとどめを刺してやる!!」

「死に損ないは俺が消し炭にしてやるからクズは黙れ。」

「何だと!?」

ベジータとブロリーは、どちらがベリアルにとどめを刺すかで口論していた。

 

 

だが、

 

 

「……これで勝ったと思うなよ……!!」

満身創痍のベリアルは力を振り絞り、自分の手から、小さなクリスタルを出した。小さいといってもベリアルから見たサイズであるため、ゼロ達と同じくらいの大きさはあるが。クリスタルは様々な色の光を放出し、絶えず光の色を変え続けている。

「これはまさか…」

皇魔は、この光に見覚えがあった。自分の知り合いに、これと同じ光を放つ力を操る者がいるからだ。

「アンリミテッドフォース!?」

そう、クリスタルの光は、光輝が使っていたアンリミテッドフォースの光にそっくりなのだ。

「よく知っていたな。そうだ!こいつは無限の力、アンリミテッドフォースの結晶体だよ!」

ベリアルは、このクリスタルがアンリミテッドフォースの結晶体であることを説明した。

「やはりか!貴様、これをどこで手に入れた!?」

「こいつを手に入れたのは偶然さ。この宇宙に来た時、ヤプールのやつが隠し持ってやがった。俺はそれを奪っただけだ」

「ヤプールがだと!?」

アナザースペースにおいても猛威を振るっていたヤプール。そのヤプールが、まさかアンリミテッドフォースの結晶体を持っていたとは、あまりにも予想外だった。

「こんな小さな結晶だが、大型エメラル鉱石の数百万倍のエネルギーがある。それだけのエネルギーを吸収するのはさすがにまずかったから取っておいたんだが、言ってる場合じゃねぇよなぁ…!!」

ベリアルは、この結晶を吸収するつもりだ。

「待て!アンリミテッドフォースを制御できるのは、無限の使徒のみ!貴様がいかに強かろうと、制御できるはずはない!それとも、貴様は無限の使徒だというのか!?」

アンリミテッドフォースは、無限の使徒でなければ制御できない。身体情報まで全てが無限の使徒のものであることが制御条件なため、力だけ手に入れる、またはコピーするだけでは絶対に使えないのだ。

「知ってるよ。確かに、俺は無限の使徒じゃねぇ。だがな、このまま死ぬくらいなら、全員道連れにしてやる!!この宇宙ごと、全てを消してやるぜ!!」

ベリアルは無限の使徒ではない。だが、今のベリアルはアンリミテッドフォースを使わなければ、すぐにも死んでしまう状態。どうせ死ぬなら、全てを道連れにするつもりだった。まともな考えではないが、何万年も前にウルトラ戦士の心を捨てたベリアルに、まともな考えなどできるはずはない。

「ンガァッ!!ガフッ!!」

思い切ったベリアルは、アンリミテッドフォースの結晶を口に放り込み、バリボリと音を立てて食いだした。そして、完全に飲み込んだ瞬間、ベリアルの体が闇に包まれ、変化した。

 

アークベリアル時から元の大きさに縮み、背中からは翼が生え、背筋はピン、と直立し、手足が鎧のように太くなっている、もはや邪悪さを通り越して神々しささえ感じる姿に、変わったのだ。

 

 

宇宙唯一神ゴッドベリアル。その存在は遂に、神の領域に達した。

 

だが、

 

「ウオオオオ!!!」

ベリアルはアンリミテッドフォースを制御できず、暴走した力に精神を呑まれてしまっている。

「な、なんてパワーだ!!」

ゼロはベリアルの全身から吹き出るエネルギーに戦慄した。こうなってしまっては、全宇宙を破壊し尽くすまで、ベリアルは止まらない。既にベリアル自身にも止められないが。

「第2ラウンドならぬ、第3ラウンドってやつか…!!」

グレンは優勢だった自分達が、一瞬で劣勢に追い込まれたことを本能で悟る。

「いや、最終ラウンドだ。」

既にカラータイマーを点滅させ、もう時間がないゼロ。

「ここまで来たら、倒すしかねぇ!!」

その通り。ベリアルにすら制御不可能な今の状態は、逆手に取れば、倒せる状態でもあるということ。

「駄目だ!あいつは、伝説の超ウルトラマンなんだ!!勝てるわけがない!!逃げるんだぁ!!」

「何寝言いってる!どこへ逃げても同じだ!!奴を倒さなければ、全宇宙は終わりだ!!」

早速弱気になるベジータに、渇を入れるピッコロ。

「あ、悪魔だ…!!」

「あんなやつを生かしておいたら、宇宙は破壊し尽くされてしまう!」

「絶対に勝たなきゃなんねぇ!!」

悟飯はベリアルの変貌を恐れ、トランクスと悟空は気合いを入れ直す。

「行くぞベリアル!!今度こそ決着をつけてくれる!!」

「ここがお前の死に場所だぁ!!」

皇魔とブロリーを先頭に、今度こそ最後の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

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短いですが、キリがいいのでここまで。次回はいよいよ、決着!

 

 

宇宙唯一神ゴッドベリアル

 

ブロリーと皇魔に追い詰められたアークベリアルが、ヤプールが所持していたアンリミテッドフォースの結晶体を吸収することによって変貌した姿。サイズはカイザーベリアル時と同じまで縮んでしまったが、能力はアークベリアルの遥か上を行き、その姿には神々しささえも感じられる。しかし、アンリミテッドフォースを制御できないベリアルの精神は暴走状態にあり、全宇宙を破壊し尽くすまで、自分でも止まれない。

 

必殺技は、翼から大量のエネルギー弾を飛ばす『ベリアルガトリング』と、両手からアークデスシウム光線の数倍に高まった光線を放つ、『ゴッドデスシウム光線』。

説明
長い!何が長いって?話がですよ!ここまで長編を伸ばすことになるとは思わなかった!

まぁそれはともかく、どうぞ。
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