とある初春と蟹刑事
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城戸真司が風邪で寝込んだ日、初春は刑事に呼ばれていた。

 

「初春〜!

 刑事さんだってよ〜!」

 

「わかりました!

 固法先輩!」

 

 玄関まで歩いていくと、そこには、茶色の薄いコートを着たいかにも刑事と言うような男性が立っていた。

 

「初春飾利さんですね?

 私は須藤雅史と言います。」

 

「あ、はい。」

 

「早速ですけど時間がありません。

 このまま、第12学区へと車で向かいます。」

 

初春は頷くことしか出来ず、部屋から出て、白い車に入る。

 

「この資料を見てください。

 彼の名は、西藤雅也。

 この学園都市に居る21歳の能力者です。」

 

「何の能力なんですか?」

 

「名称はレベル4のアルターメモリー。

 記憶を改竄する能力です。

 その能力を使い、様々な犯行に及び、警察の目を誤魔化し続けてきました。

 それで、今回は我々、刑事の仕事になったわけです。」

 

「じゃあ、私はどうして?」

 

初春は、自分が呼ばれた意味がわからなかった。

 

「それは、あなたがパソコンで監視カメラを使って人を探すのが上手いと聞いたもので、西藤を探すためです。

 出来ますか?」

 

それならと、初春は胸をポンと叩き、

 

「もちろんです!」

 

と、言い放つのだった。

第12学区にある廃工場。

 

「次は、何処をやろうかな〜?」

 

此処は、西藤雅也の寝泊まりしているところだった。

 

「ん?

 なんだ?

 今なんか鏡の中に見えたが。」

 

すると、シアゴーストが5体出現した。

 

「な、なんだよ!

 お前ら!」

 

彼らは、鳴き声を発しながら襲いかかる。

 

「うわあああぁぁぁぁあああ!」

 

だが、痛みは感じなかった。

 

「えっ?」

 

西藤が目を開けてみると、シアゴーストたちが頭を下げている。

 

一瞬焦ったが、すぐに正気に戻る。

 

「そうか、俺が同時に記憶を改竄出来るのは5体まで。

 ピッタリ5体で俺が改竄した記憶が『お前達は俺の下僕』ていうことか。」

 

西藤は、ニヤリと笑う。

 

「こいつは、使える。」

再び、車の中。

 

「もうこのパソコンは監視カメラに繋がっているので、これを使って、特定してください。」

 

「あぁ、はい。

 わかりました。」

 

そう言われ、パソコンをカチャカチャと緻密に打っていく。

 

何分か経ったとき、

 

「見つけましたよ、須藤さん!

 12学区の銀行にいます、って、すぐ近くじゃないですか!」

 

「しょうがない。

 しっかり、掴まってください。

 とばしますよ!」

 

「キャアアアアア!」

 

猛スピードで車をとばす須藤。

 

振り回される初春。

 

そして、あっという間に銀行に着く。

 

「よし、初春さんはどうする?」

 

「私ですか?

 私も、もちろん行きますよ。

 私だって風紀委員ですよ。」

 

「わかりました。

 全力で守ることにするよ。」

 

そして、彼らは裏口へ向かう。

 

「あなたは、外部から照明を消してください。

  私は、内部から相手を翻弄します。」

 

「わかりました!」

 

須藤は中に入っていく。

銀行の中に居る職員や民間人は、すべて銀行の中央に集められている。

 

その周りをシアゴーストが見張っている。

 

それを見て須藤が考える。

 

(この状態だとやばいですね。

 幸い、カーテンなどが全部閉まっているので、

 照明を消すと全て暗くなるので良かったのですが)

 

そして、近くに居た男に呼びかける。

 

「これから照明が消えますので、

 あなたは他の人達に逃げるように言ってくれませんか?」

 

「あんたは一体?」

 

「刑事です。」

 

「わ、わかりました。」

 

 男は、そそくさと動くと「これも全部乾巧ってやつの仕業なんだ…。」と呟く青年に、

耳打ちして、みんなに伝えるように言っている。

 

 全員に伝わったあたりで照明が暗くなる。

 

「あぁ〜!

 っなんだなんだ!?」

 

1分程、照明が点く。

 

「ったく、なんなんだよ…っ!?」

 

次に見たのは、彼が絶句するような光景だった。

 

「なんで、なんでいないんだ!!

 ってめえら、グズグズすんな!!!

 今すぐ探s「探さなくてもいいですよ。」――――誰だてめぇ!」

 

「刑事ですが、ここにいる人を逃がしただけですよ。」

 

「サツか…。

 だが、能力開発がなってない刑事が何の用だ?」

 

「えぇ、あなたを逮捕しに来ました。」

 

「だが、こいつはどうなってもいいのかな?」

 

そう言って、連れてこられたのは、花飾りをした少女…初春だった。

 

「すいません、須藤さん…。

 捕まってしまいました。」

 

「大丈夫ですよ、初春さん。」

 

 すると、後ろに置いてあった鏡から一体の黄色い蟹のような怪物…ボルキャンサーが初春を掴んでいるシアゴーストに攻撃する。

 

「grrrrrrrrrr!!!」

 

「きゃあ!」

 

咄嗟のことに西藤は動けず、初春は須藤の所に駆け寄る。

 

「大丈夫です。

 後ろに隠れてください。」

 

須藤はポケットにカードデッキを出す。

 

「…須藤さん、それって…!」

 

だが、それを聞かず、カードデッキを突き出す。

 

ベルトが彼の腰に巻きつけられる。

 

「変身…!!!」

 

カードデッキをベルトに入れると、虚像が彼に重なり一人の戦士…仮面ライダーシザースが現れる。

 

「か、仮面ライダーって都市伝説じゃねぇのかよ!?」

 

「ふっ。」

 

彼はシザースバイザーにカードを装填する。

 

《STRIKE VENT》

 

そうシザースバイザーが音声を発声すると、彼の右腕にシザースピンチが装着される。

 

「行きますよ。」

 

「い、行けぇ!

 てめぇら!」

 

まず最初に、襲うシアゴーストにシザースピンチで挟み込み、そのまま、真っ二つにする。

 

次に襲ってきたやつを、軽く殴ったあとカードを装填する。

 

《GUARD VENT》

 

左腕に、シェルディフェンスが装着され、シアゴーストの頭を叩き割る。

 

叩き割ったあと、すかさず、カードを装填する。

 

《AD VENT》

 

 すると、さっき襲った蟹を模した怪人…ボルキャンサーがシアゴースト相手に掴みがかり、

そのまま、食べてしまう。

 

「う、うわーーーーー!」

 

残る、2体を盾にして逃げようとするが、シザースが見逃すはずがない。

 

「終わりです。」

 

《FINAL VENT》

 

音声が鳴り響くと、シザースの後ろに正方形の鏡が現れ、ボルキャンサーが出てくる。

 

「はあああぁぁぁぁぁあああ!」

 

 シザースがボルキャンサーのクロスした腕に飛び乗り、

 

そのまま高速回転しながら相手に攻撃する技…シザースアタックがシアゴーストに炸裂する。

 

シアゴーストが小規模な爆発をした爆風が西藤に吹き、こけてしまい当たり所が悪く気絶する。

 

「2時57分 確保。」

 

西藤の腕に手錠をはめる。

 

後ろにいた、初春に須藤は目を向ける。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、はい。

 それにしても、須藤さんって仮面ライダーだったんですか。」

 

「そうです。

 協力ありがとうございました。

 西藤を連行したら、改めて、お礼を言いに行きます。」

 

「わかりました!」

 

 須藤は、西藤を自分の車に乗せると「では。」と言い、いつの間にか、周囲にいた人ごみの中去ってしまう。

 

「それにしても、優しい人だったなぁ。」

 

初春は、今日の出来事をその一言で終わらせた。

 

一方、須藤が乗った車の中。

 

いつの間にか、手錠をされた西藤は気がついていた。

 

西藤は須藤に問う。

 

「おい、ここ警察所に向かってねぇぞ。」

 

「えぇ、あなたの能力が記憶を操作する能力で助かります。」

 

その一言に、西藤は悪寒を覚える。

 

「あなたは、私を強くする…、糧になってもらいます。」

 

すると、西藤側の窓ガラスから、ボルキャンサーが襲ってくる。

 

「うぎゃあああああああ…!」

 

「ふふっ。」

 

その日から、西藤を見たものはいない。

説明
初春が刑事と共に…。

とある烈火の龍使い

外伝 part2
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コメント
更新お疲れ様です。 草加wwwお前もこの世界にwww カニはいつまでもカニ・・・と (デーモン赤ペン)
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仮面ライダー龍騎 とある科学の超電磁砲 初春 シザース 

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