真・恋姫†無双 〜我天道征〜 第21話
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注意 本作の一刀君は能力が上方修正されています。

 

   そういったチートが嫌い、そんなの一刀じゃないという方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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【side 地和】

 

この砦に着いて、どれくらい経ったんだろう。

私たち3人は、その中の一つの建物にずっと軟禁状態にさせられている。

出られる時なんて、歌を披露する時くらいなものだ。

なんで、こんなことになっちゃったんだろう?

私達はただ、歌や踊りで大陸中の人達を笑顔にしたかっただけなのに。

 

厳政。

アイツが関わってきてから、おかしくなった。

初めこそ私達の支援をしたいなんて言って、各地の舞台をおさえたりしていた。

そのおかげで、ふぁんもたくさんつくることができ、私達の移動に合わせて大勢がついてくるようにもなった。

私達のふぁんの目印として、体の一部に黄色い布をつけるなんていうきまりまで出来たくらいだ。

 

 

けどいつの頃からか、そんなふぁんの中に賊が紛れ始めた。

それだけなら構わない、私達のふぁんになってくれたということなんだから。

 

問題は、そいつらが他のふぁんを扇動して村々を襲ったことだ。

しかもそれは始まりに過ぎず、各地で同じような事件が勃発した。

私達も必死に呼びかけ止めようとしたが、時すでに遅く、もう取り返しのつかない所まで来てしまっていた。

仕舞いには私たち張三姉妹を、腐敗した蒼天の世を滅ぼし、新たなる黄天の世を起こすために立ちあがった指導者なんて噂も広がりだした。

もちろん私たち3人は、誰もそんなことなんか考えていない。

 

 

全部、厳政が仕組んだことだ。

賊を招き入れ、村を襲う様に指示し、あんな噂を広めたのも。

全ては、黄巾党という大きな力を手に入れるため。

そして、私達という神輿を使って、裏からそれを操るため。

 

 

それに気付いて手を貸すほど、私達だって馬鹿じゃない。

当然、ここから逃げ出そうとした。

しかしその事態を想定していた厳政の部下によって、すぐに捕まってしまった。

 

厳政の奴は、あの人受けの良い笑顔で私達を諭そうとしてきた。

新たな皇帝になれるや、この大陸の救世主だなど、ふざけたことを。

私達がなりたいのは大陸一の歌姫で、そんなものじゃないんだから、もちろん断った。

それからだ、常に私達に監視がつくようになったのは。

 

 

これでは逃げることもできない。

だから私達は、せめてもの抵抗として、歌うことを拒否した。

でもあいつには、そんな私達を従わせる切り札があった。

 

『太平要術の書』

どうやらその書には、ふしぎな妖術がかけられているようで、人を思うままに操れるらしい。

私達3人は、その書の力で、歌いたくもないのに無理矢理歌わされてしまった。

 

 

初めこそ、大きく膨れ上がった暴徒の力により、黄巾党は破竹の勢いだった。

けど、陳留・洛陽の大部隊が壊滅させられた所から、その流れが変わってきた。

各地の諸侯も立ちあがり、どんどんとその勢いはおちてきた。

そしてついには、この砦にまでおいつめられたのだ。

厳政のやつの思い通りにならなくて、ざまあみろって感じね。

 

 

だけどそれは、私たち3人の終わりも意味している。

世間では、私たち3人の名前と悪評がもう広がってしまっている。

さらに、今ここに集まってきている諸侯達に捕まれば、もちろん首謀者として処刑されると思う。

死ぬのは嫌だし、夢を叶えられなかったのは本当に悔しい。

 

でもこれでやっと、術で操られ、心を痛めながら無理矢理歌わされることもなくなる。

そしてこれが、騙されながらもこの事件に加担してしまった、私たちにできる償いだと思う。

 

 

 

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  おぉぉぉぉぉーーーーー・・・・・

 

私達がそんなことを振り返り、覚悟を決めていると遠くで鬨の声が聞こえた。

とうとう、戦が始まったんだ。

それと共に、厳政とその部下2人がやってきた。

 

「とうとうここに、諸侯の討伐隊がやってきてしまいましたね。」

「これであんたの野望もお終い、残念だったわね!」

 

私は今までの恨みも込めて、そう言い放ってやった。

 

 

けどアイツは、残念そうだという顔こそしているが、切羽詰まっている感じは一切ない。

 

「そうですね。」

「何落ち着いてんのよ!それとも、あまりの事に放心でもしちゃったの?」

「いえいえ、せっかくここまできたのに、また一からやり直すのは、面倒だなと考えていたところでして。」

「は?何言ってんのアンタ。」

「え?やり直すって、え?」

「それは、どういう意味?」

 

厳政の言葉を、私たちは理解できず、人和が質問した。

 

「何とは?そのままの意味ですが。」

「そうじゃないわよ!ここに攻め込まれてる以上、アンタだって只じゃ済まないでしょ!」

「それに私達がいなかったら、貴方にこれだけの人なんか集まらないもんねーだ。」

 

厳政のとぼけた答えに、私は激怒し、姉さんは嫌味を言った。

 

 

「確かに、貴方達ほど、人集めに適していたものはありません、それはほんとにもったいないと思いますよ。

 しかし、こうなってしまってはね。しかたがないので、ここに集まった諸侯の方にでも世話になろうかと。」

「元黄巾党だった貴方を、誰が好き好ん、!!」

「おや、さすがは張梁様。お気づきになられましたか?」

 

会話の途中、人和が何かに気付いたのか、その顔色が変わる。

そんな人和の変化に、厳政はいやらしい笑みを浮かべる。

 

「人和ちゃん、何かわかったの?」

「人和、こいつら一体何をしようとしてるの?」

「・・・・・。」

 

私達が聞いても、人和は俯いて黙ったままだ。

 

「おやおや、どうやら張梁様は、話されたくないご様子。ですので、この私がご説明致しましょう。

 何、簡単な話です。首謀者である、貴方方3人の御首級を持って、入れてもらうのですよ。」

「「なっ!?」」

 

私と姉さんも、人和と同じように顔色が変わる。

それを確認すると、厳政はそのいやらしい笑みを更に深くした。

 

 

「でも、そんな簡単に取り入れられるはずが「太平要術の書。」!!」

 

私はそれを必死に否定しようとしたが、人和の口から洩れたその言葉により、全てがつながった。

 

「あれがあれば、どうとでもできる。中にさえ入り込んでしまえば、後はそこの太守を操れば良いだけだし。」

「そ、そんな・・・」

「御名答ですよ、張梁様。多少時間は掛かってしまいますが、黄巾党の首領を討ったとなれば、幾分か楽でしょう。」

 

全てを理解し、姉さんは脱力して、その場にしゃがみ込んでしまった。

人和は、顔を俯かせたまま、涙を流していた。

かくいう私も、あまりの悔しさに歯を食い縛り、溢れそうな涙を堪えていた。

 

元凶であるこいつを道連れにも出来ず、さらに最後の最後まで利用されてしまうのだから。

私たち3人の絶望は、それこそ計り知れなかった。

 

 

「厳政様。」

「なんですか?」

「こいつら殺しちまう前に、楽しませてもらっていいですか?」

「ずっと我慢してたんすよ。」

 

アイツの側に仕えていた部下が、そんなふざけたことを言う。

 

「今までは、商品価値が下がると思い、手を出しませんでしたが、もうその必要もないですしね。

 構いませんよ、貴方達の好きにしなさい。」

「有難う御座います、厳政様。」

「但し、楽しみ終わったら、しっかり始末しておきなさいよ。」

「わかってますよ。」

 

そう言い残し、厳政は去って行った。

その場に残ったのは、部下の二人のみ。

そいつらは、私達のことを舐めまわす様に見る。

 

 

「さて、誰からいくか。まずは、この巨乳を揉んでみるかな。」

「俺は、この眼鏡の女を犯ってみたかったんだよ。」

「ふざけるなっ!(バシッ!)」

 

そんな下卑た男達の手が迫るが、私はその手を思いきり弾いた。

 

「お前たちみたいな奴に、好き勝手にされてたまるか!」

「決まりだな。」

「ああ、前からこいつの態度は、気に食わなかったんだ。」

「(ガッ!)きゃぁぁぁーーーー!!!」

「地和ちゃん!」「姉さん!」

 

男達の手により、私の体は抑えつけられてしまった。

抜け出すこともできず、男の手が私の服にかけられようとする。

 

 

(もう、ダメだ・・・)

 

そんな諦めと共に、私の頭にある人物との思い出が蘇る。

 

(「もし困ったことになったら、絶対に助けにいくからさ。」)

 

そういって笑う、あの優しい彼のことを。

 

「・・・嘘つき。」

 

我慢していた涙と共に、そんな彼への愚痴が零れる

理不尽だってことはわかってる、彼が来てくれるなんてあり得ないってわかってる。

だけど彼なら、もしかしたら助けに来てくれるかもしれない。

そんな想いが、私には、いや私達にはあったのかもしれない。

 

そしてその想いは、確かに彼に通じていた。

 

 

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バンッ!

 

突然、扉がものすごい勢いで開かれた。

そしてその扉の前には、私達がずっと助けを求めていた人物がいた。

 

「「「一刀(一刀さん)!?」」」

「てめえ、なにも、むうぅ。」

 

そんなあり得ない事態に、初めは幻なのかと思ってしまった。

そんなことを考えている間に、私を抑えつけてい男の一人が顔を掴まれていた。

 

「(ドゴッ!)うっ。」

 

そしてあっという間に投げられ、気を失ってしまっていた。

 

「こいつ、よくも」

「はあっ!(ブン!)」

「(ドゴッ!)ぐはっ。」

 

もう一人の男は、後から入ってきた女性の槍に吹き飛ばされ、そのまま気を失った。

 

 

そこでようやく、目の前にいる人物をしっかりと確認することができた。

一刀だ。

間違いない。

あの優しく温かい笑顔、忘れるはずがない。

 

「一刀!」

 

私は、そのまま一刀に抱きついてしまった。

 

「一刀!一刀ー!」

「よかった、みんなが無事で。」

 

助かった安堵と、助けに来てくれたという嬉しさから、私は一刀の胸で泣き続けた。

 

 

「あー、北郷殿。感動の再会の所申し訳ないのだが、あまり長居している時間はないと思うのだが。」

「あ、ああ、そうだった。」

 

一刀と一緒に入ってきた女性の言葉で、私も我に返り、一刀からさっと離れる。

 

「3人とも、詳しいことは後で話す。今は、ここから早く脱出するんだ。」

「うん。」「わかったわ。」「はい。」

 

そして一刀に促され、私達はここからの脱出を図る。

これでやっと、助かるんだと思ったのだが、

 

「勝手に逃げられては、困りますな。」

「厳政。」

 

最後の最後に、アイツが私達の前に立ちはだかったのだ。

 

 

 

 

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【side 趙雲】

 

軍の編成を進める中、一人軍から離れ、我々が進む道とは違い、森の方へと向かう者がいた。

知らぬ人物ならば、只の細作だと放っておいたであろう。

しかしその者は、私が一目置く人物であり、何か隠している節もある。

そんな人物が、軍を離れ単独行動をしようとしているのだ、気にならない訳がない。

 

 

「愛紗よ、実は折り入って頼みがあるのだが。」

「ん?改まってどうしたのだ、星よ?」

「うむ、実は急用ができてしまってな、私の軍、お主に預けるぞ。」

「はぁ!?何を馬鹿なことを言っておるのだ!」

 

やはり、予想通りの反応が返ってきたか。

 

「今回、我々は後方支援が主ではないか。

 ならばよほどのことがない限り、私がいなくとも問題はなかろう?」

「そうゆう問題ではない!」

「ならば、何が問題なのだ?」

「戦とは、何が起きるかわからないもの。

 そして将とは、そんな急な事態に備え、いついかなる時も兵に適切な指示を出す必要があるのだ。

 それゆえ、その将が自分の軍を離れるなど言語道断。

 第一お主は、いつもいつも―――」

 

やはり、愛紗の説教が始まってしまったか。

こうなることも予想通りだったため、この隙に愛紗から距離をとる。

 

「―――――!!」

 

ある程度距離をとった所で、ようやく愛紗も私がいないことに気付いたようだ。

後ろの方で何やら叫んでおるようだが、この際それは、聞かなかったことにしておこう。

許せ、愛紗よ。

 

 

さて、何とか北郷殿を見失わずに、森へと入ることができた。

しかし、早くも見失ってしまいそうだ。

北郷殿は、木を避け岩を避け、山を登って行く。

敵を気にしてか、気配は消しつつ、辺りへの警戒も忘れていない。

 

私も同様のことをしているが、すでに余裕などない。

しかし遠くに見える北郷殿の顔は、涼しそうに見える。

やはり、あの御仁は只者ではない。

それほどの御仁が単独行動をしておるのだ、何か重要な任務なのかもしれぬな。

 

そしてなんとか、北郷殿を見失わずに、目的地へと辿り着けたようだ。

そこは、我々が目指していた黄巾党の本隊がいる砦だった。

目的地が判明したいじょう、下手に隠れる必要もないだろう。

そう考え、北郷殿に声をかけることにした。

 

 

「おお、やっと着きましたな。」

「ああ、そうだな。」

「しかし、着いたのは良いのですが、この壁はどうなさいますか?」

「それなら大丈夫、いいものを持ってきたんだ。」

 

ふむ、どうやら気がついてはおられぬようだ。

まあ面白そうなので、あえてこちらから言う必要もあるまい。

北郷殿は何事もないかのように、私と会話をし、そのまま手荷物の中から何かを探し始めた。

どうやらそれは、鉤爪をつけた縄だったようだ。

北郷殿はそれを放り投げ、砦の内部へと引っ掛かったのを確認する。

 

「よし。これを昇って行けば、中に侵入できるな。」

「ほー、さすがは北郷殿、準備万端ですな。」

「いや、そんな大したことじゃないよ。」

「それでは北郷殿、参りましょうか。」

「そうだな。行こう、趙雲。」

 

うーむ、まだ気付かれていないようだ。

鋭そうに見えたのだが、案外抜けている所もあるのかもしれぬな。

 

 

しかしようやく気付いたのか、北郷殿の顔が驚きのものへと変わる。

 

「趙雲!?」

「おお、やっと気付いてくれましたか。このまま、最後まで行けてしまうと思いましたぞ。」

「な、なな、なんで君が、ここに?」

「ふむ。もうすぐ出撃だという時に、北郷殿が一人どこかへ行こうとしておったのでな。

何かあるのではと思い、こうしてこっそりと、後をつけて来た次第です。」

「ああぁぁ〜・・・」

 

北郷殿は、当然ともいえる質問をしてきた。

まあ下手に隠しだてする理由もないため、私は正直にその問いに答えることにした。

その答えを聞いた途端、北郷殿は頭を抱えしゃがみ込んでしまったが。

 

「ていうか趙雲、自分の軍の方は大丈夫なのか?」

「何、我々の部隊は今回後衛ですからな、それに愛紗、いや関羽に頼んできたので、問題はありませんよ。」

「えーと、それ関羽さん、了承してくれたの?」

「ん?何か言っておった気がしますが、まあ大丈夫でしょう。」

 

なんとか追い返したいのか、我が軍のことについて尋ねてくるが、それは既に解決済みだと教えて差し上げる。

なぜか北郷殿の顔が、さらに渋いものになったが、どうかしたのであろうか?

 

 

「まあそのおかげで、このように楽しそうなことに首をつっこめるのですからな。

 さて、北郷殿。なぜ貴殿お一人で、このような無茶をしようとしておるのかな?」

 

まあ私のことはさておき、北郷殿に何故こんな行動をしているのか確かめねばな。

 

「北郷殿?」

「えーと、その、実は、俺の知り合いの子が黄巾党に捕まっちゃったんだ。

 だから、曹操様に無理を言って、俺一人でなら救出に向かっても構わないってことになったんだよ。」

「ほう、そうなのですか。」

 

どうやら北郷殿は、隠しごとをするのが苦手なようだ。

嘘ですと、その顔にありありと出てしまっている。

しかし状況や、北郷殿のあの反応を見る限り、まったくの嘘というわけでもなさそうだ。

おそらく、誰かの救出と言うのはあっているのだろうが、只の知り合いということではなさそうだ。

 

 

乗りかかった船だ、このまま付き合うことにしよう。

 

「ならばその者たちの救出、私もお手伝いしましょう。」

「え!いや、これはあくまで俺の私事だし、趙雲に迷惑をかける訳には。」

「何をつれないことを、私と北郷殿の仲ではないか。

 以前、風を助けてもらった恩もある、この趙子龍、手伝わせて頂きますぞ。」

「ああ、えと、うん、ありがとう、助かる、よ。」

 

北郷殿は慌てふためき、最後には渋々了承してくれた。

ふむ、この反応に、その顔。

愛紗と同じくらい、からかいがいのありそうな御仁だ。

 

 

 

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「なかなか、見つかりませんな。」

「こんだけ広いと、さすがに難しいな。」

 

砦内の捜索を開始してしばらく経つが、今だ北郷殿の探し人は見つからぬ様子。

その顔には、焦りと不安の色が滲み出ていた。

どうやら、知り合いだと言うのは、まんざら嘘でもなさそうだ。

 

「きゃぁぁぁーーーー!!!」

 

そんなことを考えていると、どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。

 

「む、女性の悲鳴がっと、北郷殿?」

 

私がそれに気付き、その場所を確認しようとする前に、北郷殿は走り出してしまった。

そして北郷殿は、迷うことなく一つの建物へと向かい、そのまま突入してしまった。

 

 

私も急ぎその後を追うと、北郷殿はすでに一人の男をのしていた。

よく状況は分らぬが、北郷殿があのような行動をとっているのであれば、

 

「はあっ!(ブン!)」

「(ドゴッ!)ぐはっ。」

 

もう一人おったこやつも、のしてしまって問題はなかろう。

 

 

すると、女子三人が北郷殿の元へと駆け寄ってきた。

そのうち一人は、泣きながら抱きついている。

北郷殿の顔にも、先程までの焦りと不安は消え、安堵の表情が浮かんでいる。

どうやら、この三人が北郷殿の探し人のようだ。

 

できれば、このままそっとしておきたい所だが、そういう訳にもいくまい。

 

「あー、北郷殿。感動の再会の所申し訳ないのだが、あまり長居している時間はないと思うのだが。」

「あ、ああ、そうだった。」

 

こんな野暮な真似はしたくないのだが、いつ人が集まるかわからん以上、早めに逃げるにこしたことはない。

そのまま保護した3人を連れ出口へ向かおうとするが、そこに何者かが立ち塞がる。

 

 

「勝手に逃げられては、困りますな。」

「厳政。」

「厳政ってことは、あんたが今回の事件の黒幕か。」

「ほお、そこまで知っているのか。お主、どこの軍のものかな?」

「生憎、お前みたいな奴に教えてやるほど、お人よしじゃないんでね。」

「ふむ、初対面だと言うのに、ずいぶんと嫌われたものだ。」

 

私以外は理解しているのか、勝手に話が進んでいる。

まあ、北郷殿のあの怒り様を見る限り、敵として間違いはないであろう。

しかし北郷殿の言っていた、この事件の黒幕というのは一体?

どうやら北郷殿は、いや曹操殿たちは、黄巾党について世間で知られていること以上の、何かを掴んでいるのかもしれないな。

 

 

「悪いが、3人は返してもらう。」

「この3人には、最後にもう一仕事あるんでな、勝手に連れて行かれる訳にはいかんのだよ。」

「なら、力づくで押し通るだけだ!」

 

そんなことを考えている内に、どうやら話し合いは決裂ということになったらしい。

先程の二人と同じく、のしていくことになったようだが、どうも可笑しい。

あの男に武の素養はまったく見られないのだが、何故あんなにも余裕があるのだ?

それにさっきから、何か体の力が抜ける様な感覚が。

 

そんな感覚に戸惑っている内に、北郷殿が厳政と呼ばれた男に向かって駆け出す。

まあ、北郷殿ならば一瞬で片はつくであろう。

 

 

そう思っていた。

しかし次の瞬間、私は愛槍の龍牙を握りしめ、全力で突きを繰り出していた。

北郷殿の、横顔へと向けて。

 

「危ない、一刀!」

 

そんな女子の叫びと共に、北郷殿は顔を引き、私の一撃を避けてくれた。

私はそのまま、北郷殿の前へと立ち塞がるような位置へと移動した。

 

「趙、雲?な、なんで?」

 

北郷殿はそんな私の行動に驚いているのか、呆然と私を見つめている。

私も必死に身体を動かそうとするが、まったく言うことを聞いてくれない。

唯一動かせそうな所は、目と口だけのようだ。

 

「北郷、殿、逃げら、れよ。」

 

私は、その言葉を絞り出すので精一杯だった。

 

 

 

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【語り視点】

 

「ほう、まさか操られておるのに、まだ口を動かす余裕があるとは、大した精神力の持ち主だ。」

「操る?てめえ、趙雲に何をしやがった!」

 

厳政から聞こえた『操る』という言葉に、一刀は今の趙雲の状態が厳政のせいだと悟り、問いただす。

しかし厳政は、只にやにやするだけで、その質問に答える様子はなかった。

 

 

「言葉の通りだよ、一刀。」

「え?」

「あの女の人、厳政の奴に操られちゃってるんだよ。」

 

代わりに、後ろで控えていた天和が一刀の疑問に答える。

 

「でも操るって、そんなこと簡単にできる訳ないし、第一あいつとは今さっき会ったばかりなんだぞ。」

「でも、アイツにはそれが可能なの。」

「太平要術の書。正しくは、その書の妖力で人を操ることができるんです。」

「太平要術の書って。」

 

一刀は、その書の名前に聞き覚えがあった。

正史の三国志では、張角が南華仙人から授かった妖術書。

確かに厳政の左手には、書物のようなものが持たれていた。

そしてそれは、不気味な紫色の光を放ち、気とは異なる嫌な力を感じるものだった。

 

 

一刀は聞いた瞬間こそ眉つばだったが、以前に地和の妖術を実際にその目にしているし、

なにより今、自分へと刃を向ける趙雲の姿を確認している。

信じられない話だが、信じるしかない状況だ。

 

「やれやれ、おしゃべりな首領様だ。勝手にこちらの手の内を、ばらしてしまうなんて。」

「うっさい!あの書さえなければ、誰が好き好んで、首領なんてやるもんか!」

「まあ別に、隠すつもりはなかったのですが。ばれたのなら、ここは一つ操られた者同士で、殺し合いでも見せてもらいましょう。」

 

そう言うと同時に、書の光がさらに強まる。

 

「くっ。 ・・・って、あれ?」

 

一刀は思わず身構えるが、操られるどころか、体や感覚にもまったく変化は現れなかった。

 

「何?一体、どうなって? このっ、このっ。」

 

何の変化もない一刀の姿を見て、厳政は大いに焦る。

何度も太平要術の書を使い、その度に書は発光を繰り返すが、やはり一刀に変化は出ない。

 

 

しかしこの状態、一刀には思い当たる節があった。

それは、自分がこの世界の人間ではないということ。

理屈こそわからないが、それが書の力を無効化させているのではないかと考えたのだ。

そしてチャンスとばかりに、厳政へと向かっていく。

 

ヒュン!

 

しかしそれも、ある者の攻撃によって邪魔される。

 

 

趙雲だ。

趙雲が繰り出した横薙ぎを避けるため、一刀はその場で急停止する。

一刀と厳政の間を邪魔する様に、趙雲が割って入った。

 

「ふう、どうやら、この書の力がなくなったわけではなさそうだ。」

 

術の効かない一刀と、その一刀の行動に一時は焦っていた厳政だが、

趙雲を未だ操れていることに、落ち着きを取り戻す。

 

「どういうわけか、貴方には書の力が効かないようですね。なら、仕方がありません。

 殺し合いはやめて、一方的に嬲り者になっていただきましょう。」

 

そう言い厳政は、右手を高く挙げて、そのまま振り下ろす。

 

 

それを合図の様に、趙雲が一刀へ向かって突っ込んでくる。

そのまま槍が振り下ろされるが、一刀はそれを後ろへと一歩下がり避ける。

地面とへと激突する前に、その穂先は斬り上げへと動きを変える。

一刀はその攻撃を左へ飛ぶことで避けるが、変幻自在な攻撃は、そのまま一刀を追尾する。

普通なら受け止めるのだが、この時代の英傑の攻撃をまともは受けきれないことを、一刀は春蘭の時に理解していた。

そこで、逆に懐へと入り込み、力の乗っていない持ち手近くを刀で受け止める。

 

もちろんこれでもかなりの衝撃がくるのだが、一刀はそれを堪えて、趙雲へと話しかける。

 

「趙雲、やめるんだ!」

「北郷殿、できれば、某も、そうしたい、のだが。」

「意識があるのか!?」

「だが、体の自由は、まった、くっ。」

「うおっ。」

 

それも一瞬で、趙雲の蹴りを避けるため、後退させられる。

 

 

意識を乗っ取られてるとかだったら、趙雲の意識を取り戻せばいいのではないかと考えたが、ちがっていた。

催眠術や洗脳などの類ではなく、本人の意思を無視して操り人形の様に、体を操作できるものだと判明した。

これにより、趙雲の状態はよりやっかいなものだと知る。

 

そんなことを考えている内に、趙雲が連続突きを繰り出してきた。

 

ギンッギンッギィィン!ギギンッ!

 

眉間、心臓などを狙った本気の攻め。

一撃でもくらえば、命ごと持っていかれそうな連撃を、一刀は刀で逸らしながら捌く。

 

ギィィィィィィン!ギュリッ

 

そんな中一刀は、槍の伸びきった一瞬を狙い、刀を捻じる。

それにより、引き戻そうとした槍は、さらに加速をつけられ、逆に前方へと引かれる。

そんな不意打ちに、趙雲の身体はバランスを崩される。

 

(なら、操ってる元凶を叩く!)

 

一刀はその隙をつき、離れた所で高みの見物をしている厳政へと、一気に駆けだす。

 

「もらった!(ヒュン!)」

 

一瞬で間を詰め、その勢いのまま斬りかかろうとする。

 

 

 

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しかし、

 

「なっ!?」

 

その刃は、途中で止められる。

 

「ごめん、一刀。」

「地和?」

 

その切先には、地和が両手を広げ、まるで厳政を守る様に立ち塞がっていた。

一刀がそれに気付きよく確認すると、天和、人和も、厳政を守る様にその周りにいた。

 

「なん、ぐっ」

 

  ガギンッ!    ドガンッ!ガシャーン!

 

「「一刀!」」「一刀さん!」「北郷殿!」

 

一刀はそのことに動揺してしまい、反応が遅れてしまった。

追いついてきた趙雲の、背後からの横薙ぎをくらって吹き飛び、食器棚のようなものへ激突した。

その事態に4人は、思わず一刀の名前を叫ぶ。

 

 

ガタッ ガラガラガラ

 

「ゲホッ、ゲホッ。」

 

一刀が、崩れた木片の山の中から、這い出てくる。

そのことに4人は、ほっとした顔になる。

 

一刀は趙雲の攻撃を、ぎりぎり刀で受けたため直撃だけは避けた。

しかし、その勢いを殺すことはできず、吹き飛ばされてしまったのだ。

 

 

「はー、くそっ!それも、太平要術ってやつの力か。」

「御名答。言い忘れていましたが、この書は4,5人くらいまでなら操れるのですよ。」

 

そう、張三姉妹が一刀の邪魔をしたのは、趙雲と同じく、操られていたためである。

しかし、これで一刀の状況は、さらに悪化したことになる。

いくら一刀とはいえ、本気の趙雲を相手取りながら、さらに張三姉妹を避けて、厳政へと攻撃するなんて困難だ。

可能かもしれないが、もし失敗すれば、4人の内の誰かを傷つけてしまうかもしれない。

よって一刀から、この選択肢は必然的に消えることとなった。

 

 

「しかしこの3人、もう手土産くらいにしか使えないと思っていたが、まさかまだこんな使い道があったとは。

 いやはや、本当に良い拾い物でしたね。」

 

どうしようかと考えている一刀の耳に、そんな厳政の余裕の声が聞こえてくる。

 

「この太平要術の書、さっきご説明した通り、大勢は操れないのですよ。

 しかし、天下を取るためには、圧倒的な兵力が必要。

 どうしたものかと悩んでいた時、偶然見かけたのが、この張三姉妹です。」

 

そういって厳政は、まるで自分のコレクションを紹介するかのように、両手を広げる。

 

「この者たちの、人を集める能力は素晴らしい。上手く使えば、どの軍よりも強大な力が手に入るほどに。

 私も、最初は説得したのですよ。お互いの力を合わせて、天下を取らないかと。

 しかし彼女たちは、皆を笑顔にする大陸一の歌姫になるとか、そんなくだらない夢物語をほざいていましてね。

しかたがないので、彼女達に代わってこの私が、その力を有効活用してあげたのですよ。」

 

厳政は、溜息混じりにそう説明する。

 

 

その言葉を聞いて、張三姉妹は改めて怒りに身を震わせ、また利用されていた悔しさに涙まで流していた。

流石に趙雲も、あまりの不快さに、顔をしかめる。

一刀に至っては、

 

「・・・・・。」

「ひっ!」

 

氷の様に冷たい目で睨み、殺気まで溢れだしていた。

そのことに厳政が気付き、短い悲鳴をあげて怯む。

 

 

その次の瞬間には、一気に間合いを詰め、厳政へと刀を振り下ろそうとしていた。

 

  ガキィィィン!

 

しかしその一撃も、趙雲の邪魔によって届くことはなかった。

 

「は、早く、そいつを殺しなさい。」

 

一刀に恐怖を抱いた厳政は、すぐさま命令を下す。

そして太平要術の書が一層光を放つと、趙雲がこちらへと突っ込んできた。

 

  ギンッ!ギンッギンッ!ギャギ!ギンッ!

 

金属同士が連続でうちあう音が、響き渡る。

 

「くっ。どうすれば。」

 

一刀は、先程まで怒りで一瞬我を忘れていたが、趙雲にその一撃を止められたことで、少し落ち着いていた。

そして今のこの状況を、どうすればいいか、趙雲との戦いの中、必死に考えていた。

 

 

 

-9ページ-

 

「北郷、殿。」

 

そんな中、趙雲から話しかけられる。

 

「私を、斬られよ。」

「なっ!?」

 

そしてその口から出た言葉は、自分を殺せというものだった。

 

「なんで?」

「今のこの、状況を、打破、するには、それ、しかござらん。

 あやつを、斬るにも、彼女、たちと、私が、いては、無理で、あろう。」

 

そう、厳政は先程の一刀の殺気が相当効いたのか、一刀達から距離を取り、張三姉妹をさらに近づけ盾にしていた。

 

「しかし、私が、いなく、なれば、あの、下衆を、斬るの、も、容易で、あろう。

 一刀殿が、私より強、いことは、刃を交え、てみて、十分に理解、しております。」

 

本気の趙雲は確かに強いが、一刀ならば十分に倒せるレベルではあった。

しかしそれは、殺せるというレベルであり、無傷で保護できるものではなかった。

 

操られている以上、武器を取り上げての降参なども、意味がない。

きっと、素手だろうと向かっていくことは、二人とも予想していた。

それこそ、趙雲を動けなくさせるしか手はないだろうことも。

 

 

「一刀殿の、任務は、張、三姉妹の、捕獲、いや、救出で、あろう。

 これ、は、曹操、殿の軍で、も最高機密、のはず、それを知った、私を、生かし、ておいては、不味いで、しょう。」

「そ、それは・・・」

 

確かに趙雲の言うとおり、今回の作戦は他の軍には、絶対知られてはいけない。

そのことをネタに脅されたり、攻め込まれる理由にもなってしまう。

一刀は、理屈としては理解しているが、感情が納得していなかった。

 

「それに、これ以上、あんな、外道に、操られて、いるのは、我慢、なりません。

 北郷殿、ほどの、お方に、斬られる、なら、ば、私も、本望です。」

 

そういって趙雲は、悲しそうに微笑む。

その瞳に、確かな覚悟を宿して。

 

 

「趙雲の覚悟、しかと受け止めたよ。」

 

一刀の言葉を聞き、趙雲は安堵する。

恩を返すつもりが、このように仇となって返してしまうことに、心苦しさを感じていた。

これで恩を返せるわけではないが、仇となることはなくなったと。

唯一の心残りは、真名を交わし合った、劉備達の手助けが出来なくなること。

だが彼女たちならば、きっと私がいなくなっても、平和な世にしてくれると信じていた。

そして、この一刀ならばと。

 

しかし、そんな一刀の次の言葉を聞き、驚いてしまう。

 

「だからこそ、やっぱり殺すなんてできない!」

 

自分を斬ることを、拒否したのだ。

 

「趙雲みたいな子が、この大陸には必要なんだ!死ぬなんて、駄目だ!」

「しかし、それでは!」

「それでもだ!天和も、地和も、人和も、そして趙雲も、みんな助ける!!」

 

そんな一刀の言葉に趙雲は、先程とは違う、穏やかな笑みを浮かべた。

趙雲が死ぬ覚悟を決めた様に、一刀は、全員を絶対に助ける覚悟を決めるのだった。

 

 

「じっとしていて、もらいましょうか。」

 

しかしそんな一刀の決意に、厳政が水を差す。

 

「麗しき友情ですか?美しいですが、愚かですね。

 ですが、もうこの余興も見飽きました。そろそろ、終わりにしましょう。」

 

そういう厳政の手には、刀が握られており、さらにその切先は、動けない地和へと向けられていた。

厳政も、さすがに趙雲を倒されてしまうと不利だと考えていたが、一刀にその意思がないことを知った。

ならば今こそが、一刀を殺す絶好の機会だと判断したのだ。

 

「一刀。」

「くっ。」

「おっと、その武器も捨てて下さいよ。助けるのでしょう?

 そんな大事な女性が、死んでしまいますよ。」

「本当に、最低な、人、ですね。貴方は。」

「ちぃ、ちゃんを、離せ、この、卑怯者!」

 

そんな厳政へと、天和・人和も恨み事を言うが、効果などあるはずなく、その優位差は変わらない。

 

 

  カランッカラカラ・・・

 

「わかった。言うとおりにする。」

 

一刀が手を離し、刀が床へと落ちる。

 

「そう、それでいいのです。さあ、とどめをさしなさい。」

「くっ、やめ、ろ。」

 

厳政の言葉に、趙雲の身体がゆっくりと動き、一刀の方へと向けられる。

そして向くと同時に、槍を構え、無防備な一刀へと突っ込んでいく。

 

「とま、れっー!」

 

 

  ズブッ

 

そんな趙雲の叫びも空しく、龍牙の穂先は、一刀の腹部に深々と刺さる。

 

「ごふっ。」

 

咳き込んだ一刀の口からは、赤い液体が飛び散る。

 

  ズリュ   ドサッ!

 

ゆっくりとその刃が腹から引き抜かれ、一刀の身体は崩れる様に前方へと倒れた。

そんな倒れた一刀の身体からは、赤い液体が流れ続け、水たまりを作っていく。

 

「一刀!一刀!一刀ーー!!」

「いやーーーーっ!!」

「そんな、嘘です、そんなことあるはず。」

「北郷、殿・・・・」

 

そんな一刀を見て、4人は絶望の声を出すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-10ページ-

 

あとがき

 

sei 「かなり遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

   新年一発目の投稿となりましたが、いかがだったでしょうか。

 

   まあ前回は、愛紗さんのおかげで、最終回の危機を迎えましたが、なんとか乗り切れました。

   その方法が、治療なのか、蘇生なのか、転生なのかわからなくなってしまいましたが。

   もうあんな、年またぎでのお仕置きはコリゴリですね。

 

   さて、雑談は置いといて、今回のゲスト紹介といきましょう。

   メンマ推進委員会会長?体の半分はメンマで出来てます?というくらいメンマ好きな、この人です。」

 

星「うむ、今回は私がゲストのようだな。よろしく頼む。」

 

sei 「はい、今話でも出番の多かった趙雲こと星が、今回のゲストとなります。」

 

星「しかし、sei よ。これだけメンマ押しの紹介なのに、本編では私とメンマの話がないではないか。」

 

sei 「いやいやいや、拠点パートでもないのに、そんな話書けませんよ。」

 

星「何だと!?私とメンマのターンは、こないというのか?」

 

sei 「いや、そんなに驚かれても。むしろ魏√なのに、ここまで出番があったことが驚きでしょ。

   てゆうか、メンマのターンって何ですか!?」

 

星「何を言うか、メンマというテーマがあれば、全100話にもおよぶ長編小説も可能であろう。」

 

sei 「ごめんなさい。1話たりとも、書ける自信ないです。」

 

星「ふむ。ならば後で、そんなメンマ初級のsei に、メンマの素晴らしさを講義してやろう。」

 

sei 「・・・アリガトウゴザイマス。」

 

 

星「さて今回は、前回までの話の私の視点と、地和の視点での話でしたな。

  それに加え、私と主の激闘の話と、随分と盛り込みましたな。」

 

sei 「ホントは1万字くらいにしたかったんですが、キリのいい所まで書こうと思ったら、また微妙に長く。」

 

星「そのせいで、投稿も遅れたと。」

 

sei 「はい、そうなりますね。」

 

星「言い訳ですな。」

 

sei 「・・・・・。」

 

星「しかしまた、今回も色々複雑になっておりますな。」

 

sei 「ああ、はい。

   星だけを操るんじゃ、私の話の一刀ではあっさり片がついてしまうので、付け足し付け足しをしてたら。」

 

星「こんなに、ごちゃごちゃしてしまったと。」

 

sei 「おっしゃる通りです。」

 

星「それに最後、私が主を刺していたが。」

 

sei 「まあこのために、星を出したんですからね。」

 

星「うーむ、操られているせいだとはいえ、あまり気分の良いものではないな。」

 

sei 「我慢して下さいよ。こういうのも、話の中に必要だと思うんで。」

 

星「しかたない、今回は道化を演じるとしよう。」

 

 

sei 「次に、コメントについてです。」

 

星「まあ多くが、sei と愛紗がらみのものであったな。」

 

sei 「・・・思い出させないで下さい。」

 

星「相当な目に遭ったようだな。」

 

sei 「いやまあ、愛紗の件もそうなんですけど、治療のほうが・・・」

 

星「治療?」

 

sei 「ええ、熱血はいいんですよ、熱血は、腕もいいですし。

   ただ、筋肉は・・・・・いやー!!大胸筋が、大胸筋がピクピクしてるー!!」

 

星「ふむ、なにやらトラウマが刷り込まれたようだな。」

 

 

sei 「はぁはぁ、新年一発目から、精神的に疲れました。」

 

星「次回は、どうなるのですかな?」

 

sei 「下手に書くとネタバレしそうなので、今回はあえてなしにしてみます。

   なんとなく予想のついてる人もいるかもしれませんが、まあお楽しみということで。」

 

星「sei ならば、それが賢明であろう。」

 

sei 「軽く小馬鹿にされてる気がしますが、まあいいです。それでは、また次回。」

 

星「さて、あとがきも終わったことだし、先程の続きといくか。

  そもそも、メンマの歴史は古く、その起源は―――」

 

sei (ヽ´ω`)

 

 

説明
一刀は単身、黄巾党の砦へと侵入する。
しかしなんの不運か、趙雲に見つかってしまい、同行することに。
そんなハプニングはありつつも、何とか張三姉妹と再開を果たす一刀。

3人を連れて、脱出しようとするが、そこに立ち塞がったのは、今回の事件の黒幕、厳政。
力づくで突破しようとするも、それは趙雲によって邪魔されてしまう。
一体、彼女の身に何が起こったのか?



あけましておめでとうございます。
というには遅いですが、新年一発目の投稿お楽しみください。
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コメント
もう少しやりようがあると思うかな(スー)
前原 悠 様>あれ?私、関係ないでよね? イジメ?イジメですか!?(sei)
いかん!!一刀が絶体絶命ではないか!?よし彼が助かる為には、対seiさん用の桃香さんと愛紗さんをとりあえずseiさんにぶつけとこうw(前原 悠)
本郷 刃 様>このまま終わる一刀じゃないですからね。なんとか、頑張ってもらいますよ。(sei)
★REN★ 様>いくら一刀が強くても、たまにはこういうピンチもないとね。(sei)
イマ 様>さ、さらに期間が延びた。 くそー、これで投稿遅れたら、責任転嫁してやるーw(sei)
真山 修史 様>いやいやいやいや、されてないから。 まあ精神がすり減って、多くの脳細胞が死滅はしてるでしょうけど・・・(sei)
メガネオオカミ 様>素晴らしい展開ですが、星の持っているメンマは、仙豆とかなんですかw(sei)
不知火 観珪 様>医者王は出すつもりですが、本編登場はまだまだ先になりますねw 一刀には、それ以外の方法でなんとかしてもらいましょう。(sei)
アルヤ 様>・・・・・そうですね。今現在、12時間は突破しました。  (ヽ´ω`)(sei)
匿名希望 様>勧善懲悪な話ってしてたら、こんな展開になっちゃいました。まあ正義は必ず勝つって締めには、したいと考えてますので。(sei)
本郷一刀 様>そこを何とかするのが、主人公の腕の見せ所だと思ってます。(sei)
ロンリー浪人 様>自分で書いてても、嫌になる悪役っぷりですからね。正義の刃で倒してほしいですが、一刀じゃなくて、そっち!?(sei)
アサシン 様>それは、次回のお楽しみということで。(sei)
まさかの一刀が重傷を!? い、一体この後はどうなるのでしょうか!?(本郷 刃)
な、なんということだ・・・(リンドウ)
星さん、ここに最高級メンマ1年分置いておくから、seiさんと1週間ぐらい食べ明かしてくださいb(イマ)
メンマに洗脳されたseiさんか・・・・(真山 修史)
きっと次回は瀕死の一刀が天和の涙、地和の叫び、人和の祈り、そして星の持っていた伝説のメンマによって復活するんですね!(おい)(メガネオオカミ)
あけましておめでとうです! いやー一刀くん、しっかりー! 変わり身の術を! いや、すでに攻撃は喰らってしまったか……医者王を! 医者王をよんでくれ!(神余 雛)
そして星のメンマ語りは三日三晩続くのであった・・・・・・。(アルヤ)
げぇ・・・ やっぱ駄目だわぁ・・・こういう展開。 せめて厳政の最期が惨たらしく醜いものであることを祈ります。(匿名希望)
友のために、仲間のために…一刀が何か閃いてくれれば… 続き楽しみにしてます!(ミドラ)
こういう胸糞悪い悪役は正義の刃で断罪されるべきですね! ってわけで……来?い、華蝶かめ?ん!!(ロンリー浪人)
この後一刀はどうなってしまうのでしょうか(アサシン)
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