真・恋姫†無双―二つの呂旗―
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真・恋姫†無双―二つの呂旗― 最終回「二つの呂旗」

 

 俺と沙耶、静夏母さんは元の時代に戻ってきていた。3人が目が覚めた場所はなんと北郷邸だった。そこには爺ちゃんと婆ちゃんがいた。

 

 結刀「・・・目が覚めたか?」

 

 月詠「おかえりなさい。三人とも。」

 

 静夏「お義父さん、お義母さん、お久しぶりです・・・」

 

 沙耶「え?え?つ、つまりこっちの若い人が・・・お婆ちゃん!?」

 

 沙耶は驚いていた。無理もない、俺でさえ初めて会ったときは・・・失礼な事を言ったものだ・・・ごめん婆ちゃん。

 

 一刀「ああ、沙耶ははじめてだったか・・・爺ちゃん、婆ちゃん、ただいま。」

 

 結刀「・・・一刀・・・大きくなったな・・・」

 

 一刀「ああ、10年以上戦場に居たからね・・・」

 

 爺ちゃんは涙を目に溜めていた。すごく心配してくれていたみたいだ。本当にありがたい。

 

 結刀「そうかそうか・・・月詠、まずはお茶を。それと例の書類あるじゃろ?あれを一刀に。」

 

 月詠「ええ、分かったわ。」

 

 一刀「何?なんかあるの??」

 

 結刀「それは見てのお楽しみじゃ。沙耶、お主は転校の手続きをしてもらうぞ?」

 

 なんだよそれ・・・楽しみでしょうがないじゃないか!?沙耶は転校?

 

 沙耶「転校?私はT女学院の中等部だったけど・・・何処に?」

 

 T女!?名門中の名門じゃないか・・・あれ?でも沙耶が来たのは10歳ぐらいだったから・・・まさかの飛び級!?俺と同じ神童だったのか・・・

 

 結刀「それもお楽しみじゃ。」

 

 静夏「私、お義母さんを手伝ってきますね。」

 

 結刀「おお、頼んじゃぞ。」

 

 静夏「はい・・・沙耶、あなたも手伝いなさい。」

 

 沙耶「え?うん。」

 

 そう言うと静夏母さんは沙耶を連れて行った。

 

 一刀「・・・爺ちゃん。俺さ・・・」

 

 結刀「どうした?」

 

 一刀「好きな人が・・出来たんだ・・・」

 

 結刀「そうか。その子はどう言う子じゃ?」

 

 一刀「名前は呂布奉先。家族思いの優しい子だ。」

 

 結刀「なるほどのう・・・」

 

 一刀「でも・・・置いてきちゃった・・・俺・・・俺さ・・・」

 

 結刀「・・・大丈夫じゃ。大丈夫じゃよ、一刀・・・大丈夫じゃからな。」

 

 一刀「うぅぅ・・・」

 

 月詠「・・・一刀。結刀さんの言う通り、大丈夫よ。」

 

 一刀「・・・?どう言う事?」

 

 月詠「ふふふ、あなたの願いはきっと届いているはずよ。その子の願いもね。」

 

 一刀「・・・?」

 

 月詠「と・に・か・く。これに目を通してOKならサインなさい。」

 

 俺は婆ちゃんから手渡された書類に目を通すとそこにはフランチェスカ学園への編入手続きの書類だったのだ。

 

 一刀「学校?」

 

 結刀「お前が外史に行った時は高校の問題は解いてたじゃろ?」

 

 一刀「そ、そりゃやってたけど・・・」

 

 結刀「なら問題なしじゃ。武も智もあるのなら・・・モテモテじゃな。」

 

 月詠「モテモテですね。」

 

 一刀「いや・・・モテても困るんだけど・・・」

 

 結刀「どうする?」

 

 一刀「・・・行くよ。なんか行かなきゃならない気がするから・・・」

 

 こうして俺はフランチェスカに通う事になった。そこで、運命的な出会いをする事になるなんて・・・

 

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 学校に通う準備を整え俺は今フランチェスカの正門前に居る。実は沙耶もあの後フランチェスカの中等部の編入の書類を渡されていたのだった。正直俺の場合この年で高校に通うのは抵抗はあったが、それでも行っておきたいと思ったんだ。

 

 沙耶「お兄ちゃん。行こうか。」

 

 一刀「ああ・・・行こう。」

 

 こうして俺の学園生活は始まったのだ。しかし正直歳の事もあり回りは俺を敬遠してる節があった。それでも剣道部の人達は俺を受け入れてくれた。実力もさることながら元女子高と言う事もあり男子の比率が低いのだ。周囲曰く俺はかっこいいらしくめちゃくちゃ受け入れられていた。

 

 一刀「・・・俺の勘鈍ったかなぁ?」

 

 沙耶「どうしたの?」

 

 一刀「いや・・・何かあると思ったんだけど・・・何もないからさ・・・」

 

 沙耶「お兄ちゃん・・・大丈夫だよ。だってお爺ちゃんとお婆ちゃんが大丈夫って言ってたんだから。」

 

 一刀「そうだといいなぁ・・・」

 

 そんなこんなで俺は一年を過ごし現在フランチェスカ2年生である。桜舞う出会いの季節、俺は校内の桜並木道を歩いていた・・・

 

 一刀「・・・ふう・・・今年も桜が綺麗だな・・・」

 

 そんな事を呟きながら居ると後ろから誰かに抱きつかれた。

 

 一刀「うぉ!?なんだまた沙耶か?いつもいきなり抱きつくなって・・・・」

 

 そう言って振りむいた先には信じられない光景が待っていたんだ・・・

 

 一刀「・・・え・・・れ・・・恋?」

 

 恋「・・・久しぶり・・・会いたかった・・・」

 

 一刀「え?ど、どうして・・・」

 

 恋「・・・恋・・・此処ではまだ16・・・一刀みたいに頭良くない・・・」

 

 一刀「へ?ど、どう言う意味?」

 

 恋「恋は・・・((獅龍恋|しりゅうれん))・・・一刀の事は・・・よく夢で見てた・・・だから知ってる・・・だから会いに来た・・・約束通り・・・見つけに来た。」

 

 一刀「・・・恋は・・・俺の傍に居てくれるのか?」

 

 恋「・・・恋はもう絶対離れない・・・一刀から絶対離れない・・・」

 

 俺は不甲斐無く泣いてしまっていた。声にならない嗚咽を漏らし・・・恋を抱きしめながら泣いていた・・・

 

 恋「・・・一刀・・・大好き・・・」

 

 一刀「・・・ああ、俺も大好きだよ。恋。」

 

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 そこから数カ月、フランチェスカの体育祭。俺と恋は紅組と白組に別れてしまっていた。

 

 一刀「みんな・・・恋が向こうに居る時点で各種競技の勝率が下がってるのは分かってると思う。」

 

 そう・・・恋は此処でも天下無双だった。100m8秒フラット、いつだったかフランチェスカに侵入した暴漢10人を拳一下ろしで黙らせ、挙句に食堂のメニューを品切れにまで追い込んだ伝説をたった2カ月で作ってしまったのだから・・・

 

 一刀「だが・・・俺は恋とタイマンを張れる。」

 

 男女一同「えぇぇぇぇ!?」

 

 一刀「正直恋とはここ最近まともにぶつかって無いから分からないけど・・・だが大丈夫だ。やれる。」

 

 及川「ええんか?かずぴー・・・」

 

 一刀「・・・大丈夫だ、問題ない。」

 

 男女一同(そのセリフが出た時点で大問題だ・・・)

 

 一刀「例えフラグだろうと俺はそれをへし折って見せよう。なんせ今回の大会の商品は・・・」

 

 男子一同「修学旅行の行先決定権!」

 

 一刀「そうだ!なぜ俺たちが此処まで必死になるかって・・・向こうは腐った女子が多い!何処に行かされるか分かったもんじゃない!こっちは男子の比率も多いが、女子がまともなので向こうの腐女子の思考が受け入れられない子達ばかりだ!協力してくれるのだ!」

 

 女子一同「一刀(先輩)の貞操は私達が守る!」

 

 一刀「俺たちは勝つ!絶対勝つ!でなければ・・・俺たちの(菊門)の未来は無い!」

 

 男子一同「おー!」

 

 一刀「この騎馬戦を制すれば俺たちの逆転勝利だ!いいか?俺が恋を抑えるから腐女子集団はお前たちが抑えるんだぞ!?」

 

 男女一同「おー!」

 

 一刀「よし、旗を上げろ〜!」

 

 俺の掛け声とともに上げられる蒼炎の呂旗、向こうは向こうで真紅の呂旗を掲げてる。何故呂旗?と皆に聞かれたけど俺と恋の二人だけの秘密って行ったら何故か納得されてしまったのだ。

 

 一刀「よし、まずは舌戦だな!行ってくる。」

 

 及川「おお、恋ちゃんに大々的に告白してきぃ!」

 

 一刀「・・・出来るか!?」

 

 男女一同「え〜」

 

 え〜って・・・お前らな・・・

 

 恋「コント・・・終わった?」

 

 一刀「・・・ああ、今終わった所だ。」

 

 恋「・・・一刀に勝つ。恋は・・・負け越してる。」

 

 一刀「そうだったか?」

 

 恋「勝って・・・一刀と二人きりで・・・ホテル!」

 

 一刀「これは一段と負けられねぇな!?」

 

 恋「・・・・・嫌なの?(うるうる)」

 

 一刀「いや嬉しいですけど!?・・・・って違うわい!恋・・・俺は・・・お前のチームメイトが怖いんだ!だがそれで手を抜かれるのも嫌だ。だから・・・」

 

 恋「・・・全力。」

 

 一刀「・・・ああ」

 

 恋「なら・・・」

 

 一刀「そうだ、口上を述べようか。」

 

 恋「・・・・我等が蒼天に翻るは真紅の呂旗・・・敗北を許されない・・・飛将軍の旗なり。」

 

 一刀「我等が蒼天に翻るは、蒼炎の呂旗。誰も抜く事が出来ぬ守将軍の旗なり。」

 

 二人『我等の誇りを貫くために。我等の信念を貫くために。今一度・・・尋常に勝負!』

 

 こうして俺と恋の戦いの火蓋が切って落とされた。俺と恋は互いに組み合う。俺は嗤えているだろうか?恋はとても楽しそうに笑ってる。そうだ、この後は恋とデートしよう。たくさんたくさん話そう・・・俺達はこれからもずっと一緒なんだから。

 

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 あとがき

 

 どうも皆さん最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 恋さんは転生及び記憶継承(実力含み)になります。

 

 最後はちょっと無理やりでしたかね?二つの呂旗って題名で終わらせたくてやったんですが・・・

 

 次回作の構成は練ってる途中ですが最初の方は出来あがってると言えますね。

 

 新年の一発目あたりに持ってこれたらなぁと思ってます。

 

 次回作の予告をば

 

 次回は恋姫無双〜外史結び〜と言う物になります。次回予告などは組み込まない予定です。

 

 あとがきは設定などを小出しして行く感じで行こうかな?って思ってます。

 

 それではまた次回作で

 

 再見

 

説明
さて最終回になります。
まあ、最後に何やってんだって批判覚悟でやりました。
朱里は忘れてあげてください。
そのほかの人たちも忘れてあげてください。
それでは最終回どうぞ
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コメント
初めましてm(_ _)m&あけおめです、afterとかは書かれないのでしょうか?。(黒鉄 刃)
完結お疲れ様です。 腐女子共め、いったい何処にイカせるつもりなんだ!?(神木ヒカリ)
お疲れ様でした。結局、皆が幸せになる結末なんてありえないんですよね…次回作も楽しみにしております。(Jack Tlam)
よかったです!しかし一刀の貞操(菊門)を守るって恋のチームは勝ったらどこに一刀つれてく気だったんだよ?ww(nao)
完結乙です。 (恋のクラスの女子達の趣味が)腐ってやがる。(その趣味を知るのが)早すぎたんだ(頭翅(トーマ))
腐の部下どもも転生せんでもええやないか(qisheng)
恋が転生したのは、良いが・・・朱里の部下達まで・・・(違(howaito)
お疲れ様〜 次回作を期待していますよ〜〜〜〜〜( ´ ▽ ` )ノ(KN)
騎馬戦・・・・・・大将が地面に落ちたらアウト・・・・・・つまり空中戦だな?(アルヤ)
納得の最終回でした。(劉邦柾棟)
完走おつです。ほかの恋姫はちょっとかわいそうな気もしますがこれはこれでいい終わりかただと思います。 呂旗afterとかみたいです。(GUN)
うむ。いいですね。予想の斜め上を行くおわりでしたけど・・・www(Kyogo2012)
完結ですか。お疲れさまです。こんな最終回も良いですよ。(act)
タグ
二つの呂旗 北郷一刀 恋姫†無双 

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