【真・恋姫†無双】愛紗との日常(前編)
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やっぱり、外は気持ちが良い、何て賑わう街で俺はそう思う。

 

それも当然。この一週間、溜まりに溜めた政務を片付ける為、

 

部屋から出るのを禁じられていた。

 

まさに、今まで缶詰状態、いざ蓋を開けられたら太陽がこの上なく眩い。

 

太陽さん貴方の陽光を浴びるのはお久しぶりです。

 

お元気でしたか?貴方のサン・アタックが心地良いです。

 

 

「…手を広げ何をなさっているのですか、ご主人様。

 往来の邪魔です」

 

「邪魔をしないでくれ!今、太陽といい感じにキャッキャウフフを

 しているんだ。例え愛紗だろうと俺達の仲を引き裂くのは許さないぞ」

 

「…馬鹿な事を言ってないで、早く警邏を終わらせますよ。

 その後は、まだ終わっていない政務を片付けて頂きます」

 

 

…嫌な事を思い出させてくれるな。太陽は真上で輝いているのに、

 

心の中では日が沈む。…はぁ。トンズラしちゃおうかな。

 

 

「…チャキ。逃げる等と御思いでしたら、考えを改めた方がよいかと。

 私の青龍偃月刀が火を噴く事になりますよ」

 

「・・・あはは。わ、わーい。今日も愛紗と一緒に仕事が出来るぞー。

 ナンテシアワセナンダ-」

 

 

手に携えてる偃月刀は何処から出したんですか!?

 

つーかっ!!滅茶苦茶怖えぇぇぇ!!

 

 

「そ、そんなに私と仕事が出来るのが嬉しい…ですか?」

 

「も、勿論!愛紗と仕事をすると捗るし、解らない所でも、

 熱心に教えて貰えるから凄く嬉しい。それに、一番頼りにしているよ」

 

 

だから早く!早くその偃月刀収めてくれぇぇぇぇ!!

 

 

「・・・ご主人様は仕方がありませんね。私が御傍に居なければ何も出来ないの

 ですから。ふふ、今日もビシバシ指導しますから、覚悟して下さいね」

 

「お、お手柔らかに頼むよ」

 

 

動揺し思わず本音にも似た出任せを洩らしてしまった。しかし、愛紗は

 

それに気付かず、スッと偃月刀をしまい、慎ましく笑顔を溢している。

 

 

…そんな嬉しそうな顔をされたら頑張るしかないじゃないか。

 

俺も男だ。愛紗の笑顔を杯に今夜も腹を括りますか。

 

だが、今は警邏。机で決裁するのも大事だが、

 

こうして、法を犯す者や賊などから、民の安寧を守るのが一番大事。

 

いくら、三国が同盟し太平の世になったからって、

 

馬鹿な輩は存在し続けている。よし、再開しますか。

 

 

「ほら、何時までも停滞しないで警邏を再開するよ。

 全く、これだから愛紗は困るなー」

 

「なっ!?も、本を正せばご主人様が立ち止まりになさったのが・・・!!」

 

「聴こえない、聴こえなーい」

 

 

そう言うと俺は愛紗の手を取り、この場から歩きだす。

 

その瞬間、愛紗がほんのり頬を赤く染め、

 

手を繋ぐ必要がないと主張したが、聞く耳持たずに警邏に集中する。

 

実はこの行為、列記とした意味がある。今の俺は政務で脳が極限に疲れている。

 

なので、愛紗と手を繋ぐ事によって頭をリフレッシュさせよう、そう思ったのだ。

 

…まぁ、それと、愛紗と手を繋ぎたかったからと言う想いも無きにしも非ず。

 

…ゴホン。その結果、効果覿面。気持ちが落ち着き、凄く癒され、

 

爽やかな心地で警邏を行えている。

 

勿論、その間は愛紗に気を取られる事なく、辺り一面隈なく、

 

目を光らせている。しかし、手を繋ぎながら警邏をする俺達。

 

民の目線から見たら、とてもじゃないが警邏をしてる様には、

 

見えないだろうな。

 

だって、さっきからニヤニヤした顔で見られてるもん。

 

 

「御使い様。昼間っから逢い引きですかい?

 かーっ!!羨ましいねぇ」

 

「いやいや、警邏の最中だから」

 

「手を繋ぎながら仕事をしてますって言われても

 信じられねーな。本当は逢い引きなんだろ?」

 

「これには、海よりも深ーい理由があるんだよ。

 なっ!愛紗」

 

「…え?あの、その…はい……」

 

 

愛紗は歯切れ悪く、俺の問いに答えた。顔をよく見ると

 

先程よりも赤く染まっている。その理由は何故か、

 

言わずもがな、民の視線を気にしてるからだ。

 

だからといって、手を解く気なんて更々ないけどね。

 

 

「…ふーん、まぁ、いいか」

 

 

おっちゃんは納得していない様子だったが、

 

これ以上この話題には追求して来なかった。

 

 

「御使い様、関将軍。オレッチ達の為にありがとうな!

 二人のお蔭で毎日安心して生活できてるよ。本当にありがとな!!」

 

 

おっちゃんから急に感謝された。流石にこれは想定外。一気にこそばゆい気持ちになってしまう。

 

俺としては、皆の為に頑張るのは当たり前に過ぎない。

 

愛紗だって同じ気持ちだろう。国在っての民ではなく、民在っての国。

 

なので、民の為に尽力するのは至極当然の義。

 

 

「頭を御上げ下さい。民の安寧を守る。

 私達は上に立つ者として、いえ、人として当然の事をしている迄です」

 

「そうだぜ、おっちゃん。俺達は損得勘定の為に行ってる訳じゃない。

 皆の笑顔を守りたい。只、それだけなんだ。だから、感謝される程の事はしてないよ。」

 

「御使い様、関羽様………

 けっ!今日は目にゴミがよく入りやがる。痒くて仕方がねぇ!!」

 

 

そう言うと、おっちゃんはクルリと俺達に背を向け肩を震わす。

 

俺と愛紗は目を合わせた。

 

それと同時に、今まで行ってきた事は間違い無いと確信する。

 

笑顔溢れる世にしたい。桃園で誓いを馳せてから随分と日々が過ぎ去ったが、

 

こうして成就することが出来た。

 

平和なる世。安心して暮らせる街。皆が笑う日常。

 

本当に叶ってよかった。

 

 

「俺からも礼を言うぜ、ありがとう御使い様、関羽様!」

 

「いつもありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」

 

「ありがとうございます、御使い様、関羽ちゃん」

 

 

いつの間にか他の民達も集い各々感謝を述べられた。

 

だが、この後、とある老人が発した言葉に俺、

 

特に愛紗が酷く動揺する事になるのは、この時まだ知る由も無かった。

 

 

 

 

説明
こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます〜
今年も宜しくお願い致します!
さて、新年一発目のお話はタイトル通り愛紗との日常です。
それと、桂花シリーズをお待ちの方、もう少しお待ち下さい。
只今、展開と台詞に悩んでいる為、納得したものが出来ず、
少々時間が掛かるかも知れません、申し訳ございません〜
最後に、稚拙な文章、口調がおかしい所があるかもしれません。
それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
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コメント
へいしさん>全くもって平和が一番ですね。コメントありがとうございます。(南無さん)
平和っていいですね(へいし)
禁玉⇒金球さん>またここに毒舌爺さんがwコメントありがとうございます〜(南無さん)
頑固じいさん「石女しかおらんのですかいな?この国は、それとも種無しですか?」、一刀「助けてブラックジャッ〇」(禁玉⇒金球)
牛乳魔人さん>愛紗さんがいじけてしまうwコメントありがとうございます!(南無さん)
とある爺「劉備様との子供はまだですかのぉ」 愛紗「・・・」 一刀さん「ヤメタゲテヨォ、ヤメタゲテヨォ」(牛乳魔人)
nakuさん>随分と手厳しい爺様ですね〜wコメントありがとうございます(南無さん)
D8さん>今年も宜しくお願いしますね。逆に考えるんだ、嫉妬して暴力を振るわれる程、想われていると。そう考えると可愛く見えませんかwコメントありがとうございます!(南無さん)
飛鷲さん>……ハッハッハ(汗)コメントありがとうございます〜(南無さん)
本郷 刃さん>愛紗は蜀屈指の忠犬ですからね。確実に尻尾を振って喜んでいるでしょうwコメントありがとうございます〜(南無さん)
あけましておめでとうございますー。愛紗は嫉妬して暴力を振るわなければ凄い可愛いんですよね・・・・。後半も期待します。(D8)
↓「子供はまだか?」じゃないですか?(飛鷲)
なんだかんだで愛紗も一刀と一緒が嬉しいんですよね〜ww さて、なにに動揺するのやらw?(本郷 刃)
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