真・恋姫†無双〜お猫様√(偽)〜
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「よく……よくぞがんばった……っ!」

 

「この子が泣いていないのにあなたが泣いてどうするの」

 

「そ、そうだな。ほら一刀もこっちに来なさい」

 

「……うん」

 

「うふふ、一刀。この子はあなたの妹。今日からあなたはお兄ちゃんになるのよ」

 

「ぼくがおにいちゃん……」

 

「この子の名前は明命。兄として必ず明命を守れよ」

 

「……うんっ! みんめいはぼくがかならずまもるよ!」

 

 

 

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「はっ!」

 

「えいっ!」

 

大きな掛け声とともに金属音が鳴り響く。

 

「そこです!」

 

「ちっ……おらっ!」

 

「はわっ!?」

 

「っと、大丈夫か? 明命」

 

咄嗟の動きで尻餅をついた彼女へと手を差し伸べる。

 

「いえ、ありがとうございます、お兄様」

 

「いや、俺こそ悪い。つい手加減を忘れた」

 

「それでもさすがはお兄様です。今のは渾身の一撃だと思ったのですが、まさかその勢いを利用してしまうなんて」

 

「たまたまうまくいっただけだよ。それを言うなら明命だって凄いよ。

剣術を習い始めたのが俺よりも遅いのに、もうこれだけ良い勝負が出来るようになってきてる」

 

「あ、ありがとうございます!

で、ですが、私はお兄様のように文才はありません。文武両道のお兄様に比べたら私なんて……」

 

ぽむ……と、明命の頭に手を置く一刀。

 

「ほら、また悪い癖がでてるぞ。才能なんて人それぞれだ。俺にできて明命にできないことがあるように、明命にできて俺にできないことだってあるんだからな?

だから落ち込むな。自分の信じた道を進めば結果は自ずとついてくるんだから」

 

「……はいっ!」

 

 

 

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「明命、これを受け取りなさい」

 

「で、ですがこれはお兄様がっ!」

 

「明命……何度も言うがこれは我ら周家の決まりじゃ。生まれた子の中で強き者が当主を継ぐのだと。

今までこうして我らは存続してきた。分かるな?」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

 

ここはお気に入りの場所。お猫様たちが一番集まる場所。

でも、今日はいくら探してもお猫様が見つかりません。それにお兄様も……。

 

「私は本当に魂切を受け取る資格があったのでしょうか……」

 

「あるに決まってるだろ。なにせ、俺の妹なんだからな」

 

声のした方向に振り向くと、そこにいたのは

 

「おに……猫様!?」

 

全身を猫に覆われたお兄様でした。

 

 

「どうしてあんな格好をしていたのですか?」

 

「やっと笑ったな」

 

あ、そういえば久しぶりに笑った気がします。もしかして

 

「いやさ、明命の姿が見えないからさ、お気に入りの場所を探し回ったんだよ。

そしたらさ、そこで商人とぶつかってね。急いでたから謝っただけで移動したんだけど、どうやらその商人の売っていたものがマタタビらしくてね」

 

「またたび……ですか?」

 

「そう、マタタビ。これは猫が好きな匂いを発するみたいで、行く場所行く場所猫に纏わり付かれてご覧のありさまってこと。

 でもまあ、明命の笑顔も見れたことだし、あの商人にはお礼をしないとな」

 

「……お兄様は怒ってないのですか?」

 

「なにが?」

 

「私が家督を継いだことです」

 

「なんで怒る必要があるのさ。俺よりも明命のほうが強かった、そして強いほうが家督を継ぐ。ただそれだけのことだろ?」

 

「でも、お兄様はその為に鍛錬を……っ!」

 

「……確かに悔しい気持ちが無いといえば嘘になる。けどね、同時に嬉しくもあるんだよ。

明命が……俺の大事な妹が認められたことに」

 

「うれ……しい?」

 

「昔からの悪い癖はまだまだ残っているけど、それ以外は自慢の妹だ。誇りにすら思うよ。

当主になったからといって兄妹の縁が切れるわけでもないし、明命の至らないところは俺が全部補助してやる。それでも継ぎたくないかい?」

 

「お兄様……。私、がんばります。今よりももっともっとがんばります! だからどうか、私と共に歩んでくださいます……か?」

 

「ああ、もちろん。一緒に歩んでいこう」

 

 

 

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「姓は周、名は泰、字は幼平。真名は明命です。これからよろしくお願い致します、孫策様」

 

「姓は周、名は承、字はありません。真名は一刀と申します。周泰共々これから宜しくお願い致します、我らが王、孫策伯符様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【あとがき】

 

こんばんわ

九条です

 

再投稿その四

いつもと比べると文章量が多いけど

決して明命が可愛すぎたから書いていて手が止まらなくなったとかじゃないんで

変な詮索はしないことだよ?

 

ごめんなさい、大好きです

素直な子とかツンデレ娘を自分色に染めたry

 

 

ーーーーー中継に乱れがでているようです。しばらくお待ち下さいーーーーー

 

 

えーっと

周泰さんのご兄弟をぐぐってみたのですが、wikiに載ってないし……

なので周泰の子供を召喚しちゃいました

原作でもところどころ史実と違っていた部分(諸葛亮台頭の時期とか)があるので

問題ないかなーと

とりあえず外史って言っておけば万事解決!(おい

 

まったり次回もよろしゅうな〜

説明
再投稿その四
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コメント
>観珪様 この時代にあるのかは別として、効力は知られてなさそうなので。この商人……なかなかやるっ!(九条)
マタタビを売る商人ってのが気になりますねww(神余 雛)
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