小説訓練3
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ある日のことだ。S子が男の背広にすがり付いて大声で喚いていた。そんな光景は、S子とよく行動をともにしていたなら格段珍しいことでもなかったが、その日はやけに甲高い声で金きり声を威勢よく上げていた。

 

「ねぇ、何逃げているのぉお〜〜!お話が違うじゃないですか?さっきは絶対に買うってあれほど約束したじゃないですか?私の態度が悪いなら誤ります。だから、買って下さいよ、お願いします」

 

と、そう言いながら仕舞いには大粒の涙をポロポロ流しながら何度も土下さをしだすのだが、その手はしっかりと文句を言っている相手の男の背広の裾をしっかりと握り締めたままなのだ。

 

S子という女は、どちらかと言うとプライドは非常に高い方だと思うのだが、ことお金や物質に関する問題、買い物とかの件になると、プライドもへったくれもなくなり、買わせればこっちのもんと言った感じで、相手から金の匂いが漂い粘ればなんとか買わすことができると睨むとどこまでも低姿勢で酷いと土下さも厭わないほど熱心にせがむのだった。

 

また、知り合った相手の名刺や身分証明書をすぐさま入手する名人でもあり、とにかく愛想がよくニコニコしたフェイスで相手の警戒心を解いてすっかり信じ込ませる天才なので、信用して名刺や身分証明書を即座に手渡した方こそあとでとんでもない目に遭うことも日常茶飯事なのだ。

 

例えば会社の名前や住所が掲載されている名刺を手渡した場合、その後、S子から目を付けられてしまうと、会社の方に直接電話がかかってきて呼び出され、「今度私の店に来て下さいよ、この間また来てくれるっていってたじゃないですか?もしも約束を破るなら、今度あなたの会社におしかけますよ」と恐喝まがいの脅しをかけていたのだ。もちろん、この台詞から分かるように、S子が水商売で働いている時代のことだ。そして、この手口で水商売では常に上位から落ちたこともないのも事実なのだ。

 

その他にもS子の日常会話で頻繁に使用される台詞を羅列してみると、「なぁあ〜〜んだ!たったのこれっぽっちふざけないでよ」とか「私の好きな洋服の種類分かるでしょ、私が喜びそうなデザインでブランド製だったなら何でもいいから会いに来る前に買ってから来てよ」、「悪いけど今からこれ、返金しに行って来てくれない?何、行きたくないだと!だったら二度と電話してくるなよ!」、「しみたれっているのは嫌、パッ〜〜っと行こうよパッ〜ッと」、「本根、あいつは私と別れたってその後また似たような女にひかっかって同じ目に遭ってその繰り返しだよああいうタイプの男は、あはははは」などがある。

 

 

 

 

説明
練習しています。意見を書くだけでは足りない気がしたのでちょっと小説書いてます。
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体験談を元に書きました 小説練習 訓練 

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