リリカルなのは〜翡翠の戦士と七つの才牙〜
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「……つまらぬものを凍らせた」

 

「それキメゼリフ!!?」

 

聖兄弟を凍らせた後の剣也の言葉にウィルが叫んだ

 

「さて、戻るk「《お,おぉ…》 」…ん?」

 

「《オリ主であるこの俺様が、この程度でえ えぇぇぇぇっっ!!!》」

 

バキバキバキィン!!!

 

聖兄が凍り付いて喋れないからか念話で叫ぶ

氷に罅が入ると、一気に砕けて聖兄が復活する

 

「この薄汚いモブが。貴様を殺してなのは達を救ってみせる!!」

 

「…丁度良い…」

 

そう叫びながら剣を構える聖兄を見て剣也は再び構える

 

「いい機会だ……新しい技の実験台になってもらうか…」

 

まだ怒りが収まっていなかったのだろう…剣也は怒気を込めた声で静かに言った…

 

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会議室にて

 

剣也以外の全員が剣也が戻って来るまでの間休憩ということでお話をしていたら雄火斗がある話題を挙げた

 

「へ?…剣也、また新技作ったの……?」

 

その雄火斗の言葉にアイが顔を青くしながら聞く

 

「あぁ……作りやがった、あのバカ……」

 

雄火斗も雄火斗でなにか諦めたような顔をして答えた

 

「最悪や、最悪すぎる……」

 

「あの技は……あの技だけは……"OLF(オキシゲン・ロスト・フィールド)"だけは……」ガクガクブルブル

 

「か、薫ちゃん!? 大丈夫だから、落ち着いて!?」

 

その言葉を聞いて怯え始めるバベル組

 

「? ねぇ、アリサ……何で皆怯えているの?」

 

「え?…あ、そうか皆知らないんだったわね」

 

フェイトの質問にアリサが答える

 

「剣也の術式、"サイガ式"は様々な属性魔法を使える…つまり技のバリエーションが物凄く多いのよ」

 

『フムフム…』

 

「それで剣也…更に天撃を加えることで更にバリエーションを増やしたのよ」

 

「? それがどうしたんや?」

 

はやての質問

 

「剣也……物凄く危険度の高い技もかなり作っちゃったのよ……"OLF(オキシゲン・ロスト・フィールド)"がその一つよ」

 

《OLF(オキシゲン・ロスト・フィールド)》

サイガ式の風で発動するフィールド系魔法

自分が指定した場所とその周辺の酸素を枯渇する事が出来る魔法である

非殺傷でも下手したら相手は後遺症を残し、最悪死に至らせる広範囲制圧系魔法である

 

「何でまたそう言う魔法を?」

 

すずかが不思議そうに聞く

 

「剣也の所属している特殊騎士の仕事の中には危険度の高い魔物の討伐とかもあるから、そう言う魔法が必要になるのよ」

 

それについて詳しく教えるアイ

 

「他にはどんな技を?」

 

クロノの言葉を皮切りに雄火斗は剣也がどんな技を作り出したのかを説明していたのだった……

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一方その頃……

 

「オラァ!!」

 

「……」

 

――ひゅん、と、

 

どう考えても殺す気満々の一撃が、一瞬前まで剣也の首があった部分を振り抜かれ……さらに、一歩後退してそれを回避した剣也に追撃として襲い掛かる

 

聖兄が『セイバー』と呼ぶそのデバイスは、 大剣と呼べるほど大きくは無いけど、普通の剣より長く、刃の幅も広い

 

重量は見た目よりは小さいみたいだけど、それでも軽くはないだろう……どうやら強化魔法を使って持っているらしい(因みに強化無しだと振り回すことはおろか持ち上げる事も不可能)

 

おまけに、自身の魔力で刃を包んで強化してる為、結構な威力の一撃になってると予想できる

 

そんな剣を遠慮なく振り回して僕をしとめようと立ち回ってる聖兄だが……今現在、ただの一 回も剣也の体に命中出来ていない

 

まぁ、魔導師Bランクでチャンバラよりもひどい剣技と呼べないものがSSSの剣也に当たる筈がない……

 

「どうした、モブ? 俺の剣技にビビったか!」

 

「いや? 余裕で避けれるから避けてるだけ」

 

聖兄が踏み込んで、脳天から剣也を真っ二つにするコースの一撃が斬り込まれる

 

が、それも剣也は一歩横に避けるだけで、何もない空間を素通り

剣也の顔の30cmほど横を、むなしく通り過ぎた

 

その瞬間、くすみの一つも見られない銀の刀身が目によく 見えた

 

「はっ……さっきからよけてばっかりで……どうやら俺の剣技に恐れをなしてるようだな?

 これに懲りたらなのは達に近寄るな!!」

 

「そういうセリフはその剣かすりでもさせてから言ったらどうだ? 君が惨めに見えるだけだし……それに、理由もなく逃げ回ってるわけじゃないんだが」

 

「……っ! バカにすんな!!」

 

自称オリ主はどうやら挑発に弱いらしい……

 

今聖兄が言っていたように、さっきから剣也は攻撃せず、ただ聖兄の剣や魔法をかわしてばっかりいる

 

時々、聖兄の魔法が飛んでくるが、それらに関しては、剣也は殴って砕いたり、握りつぶしたりして、防御等……

とにかく、攻撃を仕掛けていないのだ

 

しかし勘違いのないように断っておくが、別に聖兄相手に攻めるのを躊躇しているわけでも、 苦戦しているわけでもない

 

「(さっさと終わらせるか……)」

 

そうこうしているうちに、また切りかかってきた聖兄の剣をかわし、バックステップで距離をとる。一瞬で、10mくらい。

 

すると、聖兄の剣の切っ先に魔力が収束していき……数秒と立たずに、そこに光の玉が形成される。

 

フォトンバレット……ミッド式の基本魔法で魔力を高密度で圧縮させて飛ばすだけの、原理としてはわりと簡単な魔力弾丸

鍛え上げれば上級者同士の戦いでも十分通用する魔法でもある

 

そうこうしてるうちに目の前に魔力弾が飛んできたが……

 

剣也は瞬時に目算で、魔力弾の大体の魔力量を測り……それとつりあうだけの魔力を手に充填する

そして魔力ピッキングで聖兄の魔力と同じにして……

 

弾丸が剣也に命中するかに思われた……その瞬間

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「ほっ、と」

 

――ぱしっ!

 

「!!?」

 

普通に、キャッチボールの要領で、 飛んできた魔力弾丸を、握りつぶすでも、弾き飛ばすでもなく……『キャッチ』

 

そして、そのまま投げ返した。

 

「――っ!?」

 

あっけに取られて反応が遅れた聖兄は、ギリギリのところでそれを避けると――諸事情から、わざと避けられるように投げていたのだが――しかしそれでも今の出来事が信じられなかった様子で、目を見開いていた

 

今の技、別に難しいことをし てるわけではない

ただ、向こうの攻撃が内包してる魔力量と、手にこめる魔力量を同じにして、手に着弾すると同時に、衝撃を緩和する絶妙な量 の魔力を放出して、相手の攻撃が崩れないように優しくキャッチ

 

そしてあとは、投げ返すだけ

その名も"キャッチ&リリース"

ちなみに、キャッチするって言っても相手のは 『攻撃』なので、飛んでくるときにはそれなりの物理的な威力が伴っている

 

……まあ、平たく言えば…攻撃魔法をキャッ チ、相手の魔法を崩さないテクニック以外は、純粋 な力技である

しかしそれでも、相手に当たると同時に炸裂して ダメージを与えるはずの攻撃魔法を、受け止めて投げ返すなんて行為は、十分に相手へのけん制とかそ のへんには使えるが……

 

そうこうしてる間に……ようやく、さっきから進めていた『準備』が整った

 

まだ『キャッチ&リリース』の驚きから立ち直っていない聖兄だったが、剣也が始めて、回避や防御以外の行動を取ろうとしていることに気付き、はっとして身構える

 

その目の前で、剣也はと言うと……右足に魔力を集め、それを膝の高さまで上げていた

 

聖兄はどうやら、剣也が蹴りか 何かで攻撃するんだと思って身構えてるようだが、残念、はずれである

 

その、魔力のこもった足で……剣也は思いっきり、だ ん、と地面を踏みつけた。

 

その瞬間、

 

――ドカァン!!!

 

今、剣也と聖兄が戦ってた周りの地面が、派手に爆発した。

 

「!!?」

 

当然ながら、爆発に巻き込まれる剣也と聖兄

 

そしてその巻き込まれた2人だが、剣也はその程度じゃびくともしないので無事……っていうより、自分でセットした『魔力地雷』でダメージ受けたら、 笑い話である

何をしたかっていうと、簡単

 

剣也は相手の攻撃を避けなが ら、自分の魔力素を、普段よりも高密度に圧縮して、周囲に散布していたのだ

 

以前、剣也が学校の授業で『粉塵爆発』というものを学び、この技を考えた

 

とはいうものの、ばら撒いた魔粒子に手動で魔力 衝撃を加えて暴発させるだけのアナログかつ物騒な 原始的手段なので、とても技とは呼べない、未完成 品である

なんせ、火薬をばら撒いてるのと変わらない

敵味方の区別も出来ないのだ

 

ちなみに、さっきから聖兄の攻撃のうち、剣は避け、魔法は叩き潰してたのは、地面に着弾して暴発するのを防ぐためだったりする

 

そん なことを知る由もないリ聖兄は、突然周囲が爆発するという奇天烈な現象に驚きつつも、派手な爆発の見た目ほどダメージはなかった様子。

 

若干ふらつきつつも、剣を構えて油断しない姿勢を見せている。

 

ただ、さっきよりちょっとだけ視線に憎憎しげな ものがこもっているが

 

「……っ……こんな罠を仕掛けてたとはな……すっかり騙されたよ。これがてめぇの、奥の手だったわけか?……だとしたら残念だったな……」

 

「いや? ちょうどよかったから試してみただけの新技。あ、まだ3つくらいあるからもうちょっと付き合って貰う」

 

「ふざけんな!」

 

言うと同時に突っ込んでくる聖兄だが……それに対して剣也は

 

ガッ、と、 普通に受け止めた

ウィルで、ではない。 脚甲で、でもない

 

そこを断ち切るために聖兄が剣を振り下ろし た、首筋で、だ

 

単純な話……このくらいの斬撃なら、六式の"鉄塊"使えば避ける必要も防ぐ必要もない

 

「……は……?」

 

鎧どころか布切れ一枚挟んでない、人間の『肉体』で剣を止められるという、ちょっとありえないであろう状況に、唖然となる聖兄

 

「……さて、此でもう周囲に気配る理由なくなったわけだ。さっきは避けるばっかりでイラつかせて悪かった。お望みどおり、こっからは殺す気でいくから…… 武天流体術……」

 

ずんっ、と、

 

聖兄の反応よりも早く、剣也の腕がその体にめり込む。鎧ごと

 

「打棍椀」

 

「が……はっ」

 

あまりの威力に、金ぴかの鎧が無残に変形し、さらには聖兄の体が宙に浮く

 

「砕鎚脚」

 

そこに追撃。浮き上がった先に回りこんで、後ろ回し蹴りを、今度は反対側のわき腹に靴底を叩き付けるようにジャストミー トさせる

 

10mほど吹き飛んだ聖兄は、うずくまって苦しそうに咳き込んでいた。今の一撃で、肺の中の空気がほとんど出て行ったと見る

 

「……がっ……はっ…ふざけんな、モブがっ…調子にのりやがって……」

 

「……」

 

剣也は聖兄の言葉を無視しつつ、次の『新技』を左手にサイガ式の闇を展開させてスタンバイ

 

手に『闇』の魔力を充填しつつ……手の内側に『光』の天力をこ めて増幅させていく

2つが接触して混じり、暴発しないように、線引きに気をつけながら。

そして、

 

「開け、ゲートオb……」「させない」

 

聖兄のセリフの終了を待たず……その左手をばっと向けると、練っていた光と闇、両方の力を混ぜる。大量に、乱雑に

 

結果、相対する性質の魔力の混合は暴発を引き起こし……ちょっと洒落にならん規模の、白と黒の光の爆風が、剣也の手元から放たれ……聖兄を含む前方数mを吹き飛ばす。

 

反応するよりも早く、また聖兄が飛んだ。さらに数mを吹き飛ばされ……壁に激突する

『カオスインパクト』と名づけられたこれは、射程距離や破壊力はいい感じではあるもの の、技と呼べるようなものじゃない

 

何せ、今度こそ本当にただの『暴発』なのである

 

結果的に『攻撃』にはなってるものの、これは魔力、天力の操作以外は全部力技である

 

アリサの場合は刀を媒介にしないと反動が酷すぎる技である

 

「闘いの最中だよ?相手の攻撃を止める……基本だろ?」

 

「……っ、モブが、どこまで人をバカに……」

 

「してるのはお前らだろ、いつも。人の話も聞かないし、なのは達の態度をお前らはちゃんと見てるか?あいつらはお前に対してどんな反応を見せてる?避けられてる時点で嫌われてるんだぞ、いい加減気づけよ」

 

「黙れ!!俺こそが最強のオリ主なんだ!!神にえらばれた存在なんだ!!」

 

「そう思いたきゃ、ずっとそう思ってればいいだろ。その幻想にすがって生きていけばいい……もう……話す意味無さそうだ」

 

聖兄にとってさっきの『魔力地雷』はともかく、『カオスインパクト』は結構応えたらしい

 

一応構えてはいるものの、わずかに足なんかが震えているのがわかる

 

「お前らのその性格、何か根っこに理由があるのかは知らないけど……もういいや……終わりにしようか」

 

言うと同時に、剣也の右手から……ボボボッ、 と、音を立てながら、どういうわけか雪のような純白色に、青い炎が火の粉を出しながら燃え上がる。

そして左手には……若干紫がかった漆黒の魔力が、より禍々しい、煙というか、立ち上 る瘴気のような見た目となって、渦巻いていた

 

「加減はしとくが……死ぬなよ?」

 

剣也は静かにそう言うのだった……

説明
第44話 処刑(聖兄編・前編)、雄火斗達の会話、新技の実験
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コメント
↓確かに、ざまぁwww (肉豆腐太郎)
聖兄、ざまぁ(kaito)
↓まぁ……気持ちはわかります……(肉豆腐太郎)
黒い瘴気……ゴア・マガラを想像してしまった。(REGION)
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