恋姫外史終章・いつまでも一刀第31と1/3話
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パンデモニウムを喰わされ、何日か時間をかけて復活した一刀はそのまま蜀で統治者としての仕事を始めた。

 

突然トップが替わった事に民の動揺も少なくは無かったが、一刀は公平な税制、公平な裁きを軸に良政を敷いていたので民の不安は早期に解消されつつあった。

 

ただ、臣下のものたちは一刀を有能な統治者であると認めてはいたが、蜀で古くから仕えている者などは、よそものである一刀に対しいい感情を抱かない者も少なくはなかった。

 

そんな中、一刀は自分の副官を置くことになった。

 

今まで干吉がその役を引き受けていたのだが、

 

「左慈といちゃつく時間もないので、無期限の休暇を頂きます」

 

とか言って休眠状態に入ってしまったのだ。

 

パンデモニウムを持ってきてそのまま居残っている貂蝉に頼む事も出来たが、一刀はあえて蜀の者達から選ぶ事にした。

 

副官になった者と打ち解けて、自分に不信感を持っている者達との仲介役になってもらおうという考えがそこにはあった。

 

と言う訳で・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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一刀が副官に任命したのは紫苑だった。

 

「ご主人様。ここの工事に使う予算はもう少し増やした方が・・・・・・」

 

「このままじゃ無理か?」

 

「出来ないとは申しませんけど、予想外の事が起きた時のために、少し余分にあったほうがよいかと」

 

「そういやそうだ。じゃあ新しい予算案出しといてくれ」

 

「了解しました」

 

執務室にて政務を行う一刀と紫苑。

 

一刀が紫苑を副官にした理由は大きく分けて二つ。

 

一つは、紫苑は他の者からの信頼も厚いため、彼女に認めてもらえば他の者の不信も息を潜めるだろうという事。

 

もう一つは・・・・・・

 

「ところで、娘の所に中々帰れないから何か送ってあげようと思うんだ。どんな物がいいと思う?」

 

「そうですね、本当なら直接会って、というより一緒にいてあげるのが何よりだと思いますけど・・・・・・」

 

近くにいてもらって、同じ娘のいる紫苑に子育てに関しての相談がしたかったからであった。

 

「そうだよなあ・・・・・・もし、たまにしか会えないのがいつもの事になって、物心ついた娘から、お父さん今度はいつ泊まりに来るの?また来てね?とか思いっきりお客様扱いされた日には、俺、次の日首吊っててもおかしくないし・・・・・・ふふふ・・・・・・」

 

鮮明に想像してしまったのか、乾いた笑いを浮かべる一刀。

 

「そ、そうですね・・・・・・私も璃々にそんな事言われたら、ショックで立ち直れないかもしれません」

 

「分かってくれるか!?」

 

「ええ、勿論」

 

「そうかそうか・・・・・・で、話を戻すが何をプレゼントしてあげるべきだろうか?」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

顎に手を当て、考え込む紫苑。

 

「手作りの物を送ってあげたら喜ぶのではありませんか?気持ちがこもった物を贈りたいのなら、それが一番だと思うのですが」

 

「手作り・・・・・・いいかもしれないな。黄忠、作る物の案を多めに出したいから、協力してくれねえか?」

 

「紫苑で結構ですよ?」

 

「・・・・・・いいのか?」

 

「もちろんです。娘のために一生懸命になれるご主人様なら、構いませんわ」

 

「ありがとよ。じゃあ、思いつくものをどんどんあげていこう」

 

 

 

 

こうして話し合いの結果、

 

 

 

 

送る物は手作りのぬいぐるみに決まったのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

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数日後、廊下を歩いていた紫苑の背後から声がした。

 

「おお、ここにいたのか紫苑」

 

紫苑が振り向くと、そこにはぬいぐるみを二つ抱えた一刀の姿があった。

 

「どうよ?上手く出来たか自信ないんだけど・・・・・・」

 

「いえ、とても可愛いぬいぐるみですわ。でも、見た事の無い動物ですね」

 

「ゴマフアザラシのゴマちゃんだ。まあ、この国の生き物じゃないからな」

 

そう言って、一刀はゴマちゃんのぬいぐるみの片方を紫苑に差し出した。

 

「え?」

 

「アイデア出すのに協力してもらったお礼だ。娘さんにでもあげてくれ」

 

「そんな、ちょっと相談に乗っただけですし・・・・・・」

 

「それで十分。いいからもらってくれよ。そのつもりでもう一つ作ったんだから」

 

「・・・・・・それじゃあ、お言葉に甘えて」

 

ゴマちゃんぬいぐるみを受け取る紫苑。

 

「さて、一羽にもこいつを送ってやるとするか。そいじゃな」

 

軽く手をあげて、一刀は紫苑と別れた。

 

紫苑はゴマちゃんをしばし見つめて、

 

「可愛い」

 

ゴマちゃんをだっこしながら、愛する娘のもとへと向かうのであった。

 

 

 

 

その後、一羽の所にやってきたゴマちゃんは幼い一羽の一番の友達となり

 

 

 

 

璃々もまた、ゴマちゃんをとても気に入って一刀の所へお礼を言いに行き、そのまま一刀と意気投合する事になるのである・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

また随分時間が経ってしまいましたが、何とか更新です。

 

紫苑さんとの仲が少し縮まった一刀君。

 

このまま蜀の人間たちを束ねていく事が出来るのでしょうか?

 

では、次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「地獄のネジ回し!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
復活した一刀は・・・・・・
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コメント
ゴマちゃんを通して璃々ちゃんと意気投合するなんて予想もしてなかったですww(神余 雛)
本郷 刃さん:蜀の四人、どう思い出すのやら・・・・・・(アキナス)
ももいろさん:私はスガオ君とサカタ兄が好きでしたね・・・・・・(アキナス)
紫苑はどんなきっかけで思い出すのか楽しみです(本郷 刃)
元ネタは少年アシベですか?凄く懐かしいです。僕はペッペッぺも好きでしたが・・・(ももいろ)
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恋姫†無双 外史 北郷一刀 真・恋姫†無双 いつまでも一刀 

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