愛玩 |
男の手が、彼女の肌に触れる。
まずは胸に。ムニュッと柔らかくて気持ち良い。
そして男は、胸の形が変わる程に強く、遠慮も容赦もなく彼女の乳房を揉んだ。
「っ!」
微かな痛みを感じ、彼女は思わず声を漏らした。
右手は揉んだまま、左手は乳首を摘まんだ。
「ぁっ!」
揉まれるのよりも強い刺激に、先程よりも僅かに大きい喘ぎ声。
摘まんだ乳首を捻ると「ゃぁっ!」とか細い悲鳴をあげ、男はニヤリと笑う。
揉むのを止めて口でくわえる。強く吸えば「ゃ…ぁ…」と啼いてくれるから堪らない。
腰の括れを撫でれば彼女の体がフルッと震えた。
体を撫でる手は腰から徐々に下にさがり、軈て太股へ、そして秘部へ。
「ひっ!」
彼女の小さく短い悲鳴。それは男の苛虐心を煽るもので。
入口を擦り、女の弱い所を摘まめば彼女は良い声で啼く。
「良い声。気持ち良かったか?」
男は訊くが、彼女は答えない。彼の言葉に、彼女が応える事は稀だ。
摘まんだ弱い所を引っ張れば「ひあっ!」と驚いたように体が跳ねる。実に気分が良かった。
男は、いきなり三本の指を秘部に刺した。
「ひいっ!」
引き攣った悲鳴。ゾクゾクする。
秘部の中で指を上下左右バラバラに動かせば、彼女は堪らず喘ぐ。
「あっ…やっ…いやっ…ゃぁ…」
シーツをギュッと掴み、体内に感じるものに耐える姿は実に扇情的だ。男の興奮に合わせてソレも固くそそりたつ。
「もう我慢ならねぇ」
そう言うと男はいきなり彼女の胎内に固くなったソレを突き刺した。
「いやあああ!!」
少ししか慣らしていなかった秘部は太いソレを入れた事で痛みを伴い、彼女は悲鳴をあげる。
男はそんなものに反応する事はなく、ただただ腰を振り続けた。
「ひぃっあぐっ…うっ…やあ…」
悲鳴なのか嬌声なのか分からない声。
しかし、やはり男は気にする事なく腰を打ち続ける。
「はあ…はあ…あぁ…ぁ…ゃぁ…」
苦しそうな声を出す彼女。無意識に男から逃げようとするが、彼は彼女を逃がさない。
彼女の腰を掴み、打ち付け続ける。
「ひぅ…ぅぅ…は…ゃ…」
「良い…良いぞ、その表情」
男の顔は恍惚としている。
苦痛に耐える顔、揺れる胸、己を締め付ける秘部。
「相変わらず、気持ち良い…!」
「ぁ…ゃ…は…はぁ…はぁ…」
彼女の瞳の焦点が合わなくなってきた。
「はっ…エロい顔」
自然と腰の動きも速くなる。
「そろそろっ…限界だっ!」
男の欲が、弾け飛ぶ。
彼女は、自分の胎内に熱いものがブチまけられるのを感じた。
「ぁ…ぁ…ゃ…」
彼女のか細い声を聞きながら、男は欲を吐き出したモノを胎内から引き抜いた。
「お前…聞いたぞ。キスに憧れてるんだって?」
突然の、男の問い。彼女は答えず、ぼんやりと天井を見詰める。
「お前、俺以外とは結構話すんだな」
やはり彼女は何も反応しない。
「俺がキスしてやるよ」
その言葉に、彼女が反応した。僅かに目を見開き、男を見る。
男は顔を彼女に寄せる。
いきなりの行動に彼女は驚いて目を細めると、鼻に柔らかい感触。鼻にキスされたのだと気付いた。
「鼻へのキスが何を意味しているか、知っているか?」
戸惑った表情で首を横に振ると、男は嘲りの笑みを彼女に見せた。
「『愛玩』…だ」
クククッ…と男は嗤う。
お前は俺の愛玩動物。そんなものが、いっぱしにキスに憧れる必要はない。
男の嘲笑には、そんな侮蔑が込められていた。
そして、彼女はそれを知っていた。もとより男に期待などしていない。
自分は男にとって愛玩動物…ペットだ。
逃げられないように絡め取られ、気紛れに愛され、気紛れに遊ばれ、気紛れに欲を捌け口される。
男は欲望の処理に彼女を使い、彼女は男の欲望を胎内に受け入れる。
それはまるで、獣の所業。
しかし、彼女とて人だ。男の愛玩動物である前に、生身の人間なのだ。
恋やキスに憧れるのは当然だろう。
彼女は、感情の読み取れない瞳を男に向ける。
彼は、何も言わずに寝室を出ていった。シャワーでも浴びに行ったのだろう。
彼女の瞳から、涙が一筋零れ落ちた。
説明 | ||
欲を吐き出す『男』と、彼に遊ばれる『彼女』の話。 | ||
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