真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第二十三話
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〜鞘華視点〜

この城に入って3日 まだ一君は目覚めない

 

この城に入ってから私達はこれからの事を話し合った

一君が目覚めてから迅速に動ける様に

なにしろこの城で力を蓄えて なんて時間は無い

反北郷連合で諸侯が消耗した力を蓄え直している間に確固たる地盤を築かなければならない

まず現状把握

兵は約4千 先の戦いの前は1万だったが他は討ち取られるか逃亡した

兵糧は心許ないが不幸中の幸いで財物が豊富にある

これは洛陽に保管されていた物を持って来た

洛陽の宮殿にある物は基本陛下の物なので持って来ても問題は無い

再起の軍資金に、と陛下が洛陽にある財物の3分の2を持って来た

残りは洛陽を維持・管理する為にと置いてきた

戦いの最中、持って来た分の3分の1を囮にした為、残りは無事だった

そのおかげで軍資金の目途は立っていた

 

この城で徴兵を行い、兵の数を5千に増やし情報を収集する

この益州の主要な将は黄忠、厳顔、魏延と言った所のようだ

黄忠って「老黄忠」って言われた人なんだけど・・・ なんだかこの先は考えていけないような予感がする

 

なんにせよ一君が目覚めない事には次の行動が起こせない

だが、この城に入ってから高熱を発して容体は良くない

劉協陛下がずっと付き添っている

 

そしてこの城に入って5日が過ぎた

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〜一刀視点〜

目が覚めると知らない部屋だった

横を見ると俺の寝台の横で劉協陛下が椅子に座ったまま眠っていた

「ぐわっ」

起き上がろうとしたら背中に激痛が走り起き上がれない

その時発した声で陛下が目を覚ました

「一刀、目を覚ましたのですね!?」

陛下が目に涙を浮かべて詰め寄って来る

陛下の顔が息がかかるほど接近したので驚いて声が出せない

取り敢えず質問に答える為に頷く すると

「良かった、本当に良かった」

と言って泣き出してしまった

間もなくして鞘姉がやって来てやはり泣きながら喜んでくれた

その鞘姉が皆を呼んで来て全員が俺の部屋に集まった

静里はやはり泣いて喜んでくれ、星と葵は微笑んでいた

愛紗は泣きそうなのか、喜びたいのか分からない顔をしていた

 

「皆、申し訳ありませんが一刀と二人にしてくれませんか

 一刀だけに伝えたい事があるのです

 直ぐに終わりますから」

劉協陛下の言葉に鞘姉達は首を傾けながらも従い、部屋を出て行った

二人きりになると

「一刀、此度の事 本当に感謝しています

 その礼と言う訳では無いですが私の真名 雅(みやび)を一刀に預けます

 他の皆が居る時はこれまで通りに呼んでください

 でも二人だけの時には真名 雅で呼んでください」

なぜ他の皆もいる時は駄目なのか分からなかったが

「分かりました 雅様」

と答えると少し不満そうな顔をして

「様も敬語も無しにしてくれると嬉しいのですが」

「それはちょっと・・・」

「まあ、それはいずれ という事にしておきましょう」

と微笑んでくれた

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そして廊下に出ていた皆を陛下が招き入れる

「一君だけに伝えたい事って何だったんです?」

鞘姉が訊いてくるがそれを訊いたら駄目なんじゃないかな?

「隠す事ではありません

 一刀に私の真名を預けただけです」

劉協陛下が答えると

「「「「え〜〜〜〜!!!」」」」

愛紗、静里、葵、星が大声をあげた

俺は何でそんなに驚くのか分からなかった 鞘姉も同じ想いのようだ

「しかし、陛下 噂でしか知りませんが確か皇族の方の真名は・・・」

静里が焦り、陛下に訊いている それを星が引き継ぎ

「さよう、生涯の伴侶にしか教えてはならない筈では?」

「「え〜〜〜!!」」

今度は俺と鞘姉が驚く番だった

その問いに陛下は

「はい、その通りです

 一刀に私の真名を預ける為に皆に席をはずして貰ったのです

 一刀以外に教える訳にはいきませんから」

平然と言い放った そして

「恋敵が多いのは分かっていますが私も引き下がる気はありません」

と言って

「私の嘘偽りのない気持ちです」

と耳元で囁いてきた

その横で鞘姉、静里、愛紗は

「また増えた」

と頭を抱えながらつぶやいていた

ちなみに星と葵は大笑いして星に至っては

「ふ〜む、私も混ぜてもらいましょうかな?」

と、更に話をややこしくしていた

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〜鞘華視点〜

大騒ぎになってしまったが取り敢えず皆落ち着いてきた

そして今後の事を話し合う

「此処から黄忠の居城に攻めるのが一番堅実なのですが・・・」

葵が言いよどむ

「数で劣る我等が勝てるかどうか、勝っても被害が大きすぎる と言った所かな」

星が補足する

「だから此処は陛下の力をお貸し願いたいのです

 陛下の名の元に劉璋の悪政を糾弾し、州牧の任を解く と言う命を出して頂きたいのです

 それは拒否して来るでしょうが噂として民にも流せば内部崩壊を期待できます」

静里が策を説明する

「それは構いません

 洛陽に居る時から劉璋の罷免は考えていましたから」

陛下も了承してくれた

すると一君が

「その策はそれでいいけど、それに付け加えたい事がある

 噂として民に流した後、俺達で黄忠と厳顔、魏延を説得に行きたい

 本当に志を持つ人達なら可能だと思うんだ」

静里達も考え込んでしまう

「確かにそれが成功すれば最善なんですが・・・

 説得に行く人には危険が伴います」

その静里の言葉に

「大丈夫でしょう 軍使としていくような物ですから

 相手側も問答無用で捕えるような事はしないでしょう」

星が答えた

それで一君の案が採用された

 

陛下の命が形式的にとはいえ出され、その噂が流布された

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〜あとがき〜

 

雅が一刀争奪戦に参加です

これも見透かされていましたね

 

益州攻略はこういった謀略を絡めて行います

力づくで攻めるのは逃亡したばかりの一刀達には無理がある気がするので

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

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意識不明の一刀
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タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 愛紗  

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