真・恋姫無双〜項羽伝〜三国編
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第四章 拠点 集いし三羽の烏(前編)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝、まだほとんどの者達が寝ている頃

 

凪「フッ」

 

シュッ

 

ヒョイ

 

凪「ハッ」

 

シュッ

 

ヒョイ

 

凪「これで、終わりです!!ハーーーーーー!!」

 

凪は拳に氣を溜め放った

 

ゴーーーーーーーーー!!!

 

騅「ヒヒーーーーーーーーン!!!!!」

 

騅はそれを迎え受けるように前足を持ち上げ鳴き声を上げながら氣弾に叩き落とした

 

ドーーーーーーーーン

 

凪「う・・・・やはり止められてしまった・・・・・」

 

騅「ブルルルルル」:ふん、まだまだ甘い

 

これを始めて見たほとんどの者はいったい何をしているのかと疑問に思うか、馬相手に馬鹿なことをしているなと思うかもしれないが、今凪がやっているのはれっきとした鍛錬であった

 

凪は普段の鍛錬の時と同じ力を使って攻撃をしているのである。その攻撃の速さも普通の人が見ようとしても見えるものではない。しかし、この馬、騅は違った。凪の攻撃を易々と避け、凪の岩をも壊す氣弾を難なく防いで見せるのである。一刀と供に幾千、幾万もの戦場を駆け抜けてきた騅は、その力も他の馬など寄せ付けないほどでありそこらの人間など軽くあしらえるほどの力を持っているのであった

 

何故凪が騅と朝から居るかと言うと、親衛隊は(三人しかいないが)交代で毎日、城に住む動物(騎兵が乗る馬とかとは違う)の世話をすると言う仕事があるからである

 

何故、他の人(一般兵)がしないかと言うと、この城に住んでいる動物は普通とは明らかに違うためである。城に住む動物たちは全て人間の言葉を理解していて、プライドが高い。その上、気にくわない人間が不用意に触ろうとするものなら攻撃を加えるからである

 

その動物たちと言うのが、将達が各々騎乗している馬たちであったり、涼刀や成刀の虎や狼、この頃では璃々の熊もその中に入る。そして、この動物たちのトップ、ボスがこの騅であった

 

世話と言っても全部するわけでは無い、将達も各々の愛馬たちを世話もするのだからそれほど手間もかからない、なのですると言っても朝の餌と毛繕いをするぐらいであった

 

そして、何故凪が朝から騅と鍛錬をしているのかと言うと、此処の動物の世話をする仕事をするには騅からの許可が必要であった。そのため許可をもらうため恋が「力を見せればいい」と騅の仕合をさせたのであった。そこで、凪と思春は騅に簡単にあしらわれたのだが実力を認められて世話ができるようになった。その時、凪は(思春も)騅の力に尊敬し自分が世話をする日、騅に鍛錬の相手になってもらっているのであった

 

騅「ブルルル」:そろそろ、厩(動物たち用の小屋)に戻ろう。他の奴らも起き出すころだ

 

騅は凪に鍛錬を切り上げるように声を上げながら厩の方を見た

 

凪「そうですね、そろそろ他の動物たちが起き出すころですね。騅は先に戻っていてください。私は皆の餌と飲み水を取ってきますから」

 

騅「コク」

 

騅は一度頷いて厩の方へ歩いて行き

 

凪「やはり、御主人様の騎馬だ。まったく寄せ付けない強さだ。あそこまでの力を手に入れるのにどれだけの戦場を駆け抜けたのだろうか」

 

凪は騅に乗った一刀の姿を想像させながら餌と水を取りに行った

 

騅(ふ〜〜、あいつも強くなってきたな。最初の頃はひよっこだったのにな。主が育てているだけはある。それに、明日の思春もかなり素早くなった。流石の俺も本気で走らなければ追いつかれるからな・・・・)

 

騅も騅である意味自分の弟子の様に思って二人を育てていたのであった

 

 

 

 

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その日の昼

 

 

コンコン

 

凪「入るぞ二人とも」

 

凪が訪れた部屋は少し前まで空き部屋だったが、今は沙和と真桜が共同で使っていた

 

沙和「あ、凪ちゃん。いらっしゃいなの〜〜〜」

 

真桜「おう、凪。それで、うち等の仕事は決まったんか?」

 

凪「いや。一刀様に聞いたが私に全てを一任された」

 

沙和「そうなの?なら、凪ちゃん。沙和、楽な仕事がいいの〜〜〜」

 

凪「沙和・・・・・そうか、そんなにキツイのが良いのならそれをさせてやろうか?あのお方たちのお世話と・・・・あの方たちの対応で胃に穴が開くほどつらい思いが出来るぞ」

 

沙和「うぇっ・・・胃に穴何て開けたくないの〜〜〜〜!!ちゃんとお仕事するからそんなきつそうなお仕事したくないの〜〜〜!!」

 

真桜「なあ凪、そんなきつそうな仕事ってあるん?」

 

凪「ああ、一度だけあの方たちが他の仕事で手を離せない時に、他の方も手が離せなくて一般の兵の中で信用がおける二人に任せたんだが、その者達はその仕事が終わった瞬間に血を吐いたらしい」

 

真桜「一体何をさせたん?」

 

凪「・・・・・子守だ」

 

二人「「子守?」」

 

凪「そうだ、子守だ」

 

沙和「何で子守なんかで血を吐いちゃうの?」

 

凪「そのお子様方と教育係の方たちが凄いからな・・・・・お子様方はあの時、まだ二歳になったばかりだと思うが、もう子供だけで野を駆け、山を登り、猛獣たちと遊んでいたからな・・・・そして、教育係のお二人も桁違いの教育をしているうえに、かなりそのお子様たちを溺愛されている。この教育係のお二人はお子様方が少しでも泣かれた瞬間に、飛んできてその原因を蹴散らしてしまう。そのお方たちが一日離れてみろ、その日に何が起きたかを事細かに、まるで鬼の様な形相で聞いて来るのだぞ。そして、お子様方に怪我が有ったらどうなると思う?」

 

沙和「沙和、そんなお仕事絶対したくないの!!凪ちゃん、沙和これからはまじめに働くの」

 

真桜「そのお子様がって一体何者なん?」

 

凪「この国の王女様である、司馬師様、司馬昭様達だ」

 

真桜「うへ〜〜王女さん達かい。それでも、二歳ぐらいの子どもが山でする事とか、たかが知れ取るやん」

 

凪「真桜は何も知らないからそう言えるのだ。普段あの御二方はそれぞれ狼と虎に跨り走り回っているのだぞ。しかもその虎や狼の強さ素早さはお前たちより速くて強い」

 

沙和「そんなの当り前なの!!沙和、虎や狼に勝てると思った事無いの!!」

 

真桜「そやで〜〜何当たり前の事を言ってるん?」

 

凪「え?お前たちは勝てないのか?此処の軍師でも群れは無理でも、一匹二匹は倒せるぞ」

 

沙和、真桜「「え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」

 

沙和「そ、それだったら凪ちゃん達みたいな武官はどれだけ強いの!?」

 

真桜「そやで、一体何をしたらそんなに強くなるん?」

 

凪「そんなの決まっている。日々の鍛錬、それだけだ。それに私だって昔はお前たちとそんなにかけ離れた強さを持っていなかっただろう?」

 

沙和「それはそうだけど・・・・」

 

凪「私は天水で一刀様と出会ってから毎日鍛錬をして、此処まで強くなった。そうだ、調度いい機会だ。二人は私の仕事を知っているな?」

 

真桜「えっと、項羽様の・・・」

 

沙和「親衛隊なの」

 

凪「その通りだ。そして、お前たちは私の下に付いた。これがどういう事か解るな?」

 

沙和、真桜「「・・・・・」ガタガタブルブル」

 

二人は凪が言いたいことが分かったのだろう、自分たちがこれからどうなるのか想像して体を震わせあった

 

凪「二人の実力はこの前の戦いで把握した。あの実力じゃ、一緒に戦うこともできないし、このままじゃ、戦に出ても足手まといにしかならない。だから、まず二人には力をつけてもらう」

 

真桜「やっぱり・・・・・な、凪・・うちらの仕事は?」

 

沙和「そ、そうなの。お仕事しないとご飯食べれないの」

 

凪「どうせ二人は此処に来たばかりで重要な役職はさせられない。まずは此処になれることが先決だ。それから、それぞれに似合った仕事を回していく。二人の得意分野は理解しているから、私の仕事の手伝いをしながらその分野の人たちと交流を深められるように配慮する」

 

沙和「沙和達の得意分野?」

 

凪「ああ、真桜は絡繰り、沙和は御洒落とかだな」

 

真桜「おおお、流石凪や。うちの事わかっとるやん♪」

 

沙和「そうなの〜〜沙和の大好きな事よく知ってるの〜〜」

 

二人は笑顔になっていたが、凪は窓から太陽の傾きぐあいを確認して

 

凪「そろそろ鍛錬の時間だな。二人とも行くぞ」

 

沙和、真桜「「え!・・・いきなり始めるん(の)?」」

 

凪「いや、これは楚の将の日課だ。大体この時間帯から一刀様ほか呉覇将達が鍛錬を始めるから、それに合わせて皆も鍛錬を始める。だから、二人もこれに参加してもらう。ちゃんと二人には別の鍛錬はしてもらう」

 

真桜「マジかい・・・・・まあ、鍛錬くらい別段いつもしていたことやけど・・・・・」

 

沙和「そうなの。これからする鍛錬の方が気になるの〜〜」

 

二人は楚王と呉覇将と言う、まともに戦っている所を見たことが無いこの楚で最強の面々に怖気づいていた

 

凪「行くぞ、二人とも。私は何方とも鍛錬ができるが、二人は速く行かないと相手が居なくて一刀様や重鎮(呉覇将や夏候などの一族)の方たちのどなたかが相手することになるぞ。特に二人は新しく入ったばっかしだから、年長者の方たちの食種が動きやすい」

 

ダッ

 

凪の言葉を聞いた二人は

 

真桜「沙和急ぐで!!うち等みたいなのがこの国の重鎮とやったら死んでまう」

 

沙和「そうなの!!急ぐの!!何をやってるの凪ちゃん。早く行って沙和たちの相手を見つけてほしいの!!」

 

 

 

 

 

 

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演習場

 

 

一刀「さて、今日の鍛錬を始めますか。皆集まってるか?」

 

涼「産休している四人は居ませんが、後はほとんどの者が参加しています」

 

一刀「そうか。お、厳顔に、袁紹の所の文醜、顔良の二人、それと許緒、典韋も参加しているな。感心感心。曹家の者達は?」

 

春蘭「三人ともあそこで見学すると華琳から聞いています」

 

春蘭は華琳から聞いたことを伝えながら柳琳達三人が見学している場所を指さした

 

秋蘭「三人とも今のところは何もなく過ごしています。ただ、曹洪だけは今だに悩んでいるようですが」

 

一刀「そうか。そこは孟徳が上手くしてくれるだろう。そろそろ、準備運動を始めようか」

 

一刀が皆に指示を出そうとした時

 

凪「すみませ〜〜〜〜ん、遅れました」

 

真桜「す、すんまへん」

 

沙和「ごめんなさいなの」

 

三人が走りながらやってきたのであった

 

思春「ふん、たるんでいるな。遅刻するなど親衛隊にあるまじき行為だ。親衛隊を止めたらどうだ?これからは私と恋様だけでいいぞ」

 

凪「クッ・・・言ってくれるな駄犬が」

 

凪は思春を睨みながら言い返した

 

恋「喧嘩しない・・・・・二人とも」チャキ

 

二人「「う・・・・・すみませんでした」」

 

恋は二人の間に方天画戟を置き喧嘩を仲裁したのであった

 

沙和「真桜ちゃん・・・・見た今の?」

 

真桜「おう・・・・あの凪が一瞬で大人しくなったで」

 

沙和「あの人って確か呂布だったよね」

 

真桜「たぶんな。あの有名な飛将軍・・・いや、鬼神の方が有名やな」

 

沙和「うわ〜〜なの。あそこにいるのは項羽様で〜〜その周りに居るのが、多分残りの呉覇将の人たちなの〜〜」

 

真桜「ひ〜ふ〜み〜よ〜あれ、一人足らんで」

 

沙和「本当なの。四人しかいないの、もう一人は如何したんだろう」

 

パンパン

 

手を叩く音と供に

 

一刀「よし、鍛錬を始めるぞ。まずは段階別に分かれろ。上の者は呉覇将達の元に、下の者達は蓮華の所に集まってくれ」

 

ゾロゾロ、ゾロゾロ

 

一刀「よし別れたな。下の鍛錬はそうだな・・・誰に指導してもらうか・・・・・・よし、翠と亞莎、蝶の三人頼んでいいか?」

 

翠「おう、任せてくれ一刀様」

 

亞莎「がんばります」

 

蝶「私は軍師組の指導しますわ」

 

返事をした三人は蓮華達が集まっている場所に向かっていった

 

そしていざ始めようかとした時

 

凪「おい、真桜、沙和お前たちはこっちだ。二人にはすぐにでも強くなって貰わないと困るからな」

 

二人「「そんな〜〜」」

 

それを見ていた年長者組の食種が動いた

 

葵「あれが凪ちゃんの友達二人ね。楽しくなりそうね炎蓮」

 

炎蓮「まだ青そうだが磨いたら光りそうだな。お前はどう思う厳顔?」

 

桔梗「私は鍛錬に参加していいのだろうか?」

 

炎蓮「気にするな、お前はもう俺たちの仲間だ。楽しくやろうじゃないか!なあ祭?」

 

祭「・・・・・・」

 

炎蓮「ん?どうかしたか祭?」

 

祭「・・・・・・ん、どうかしたか堅殿?」

 

炎蓮「いや・・・・何かボーっとしているけど大丈夫か祭?」

 

祭「いや、少し体がだるくての、後時々吐き気も・・・」

 

炎蓮「?・・・・・・!!祭、お前この頃酸っぱい物とかよく食べてないか?それか、欲しいでもいいが」

 

祭「?ええ、この頃よくすっぱい物が欲しくなりますがそれが儂の不調に関係でも?」

 

炎蓮「よし祭、お前今日から激しい運動禁止だ」

 

祭「な、何故ですか?」

 

炎蓮「祭に子が出来たぞ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

炎蓮は祭の言葉を聞くことなく周りの人に言いふらし始めたのであった

 

炎蓮「遂に、年長組からも一人子持ちが出来たぞ〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

葵「ほんとかい炎蓮!?」

 

炎蓮「ああ、間違いない。まだ腹は出ていないが予兆があるらしい」

 

葵「なるほど、私等も負けてられんな。今日の当番は調度私だし・・・・・フフフ」

 

祭「ほ、本当に儂の腹に一刀様の御子が・・・・/////////////////」

 

祭が顔を赤く染めていると

 

涼「あら、あら祭おめでとう」

 

祭「あ、ありがとうございます」

 

涼「フフ、もっと喜んでいいのですよ」

 

祭「いえ・・・・まだ実感と言うか何というか」

 

涼「まあ、皆最初はそうですよ。それより祭、妊娠の最初の時は安静にしてもらは無いといけないので今日からこの鍛錬はお休みをお願いしますね」

 

祭「わかった」

 

涼「そう言えば調度鷹が往診に来ているからちゃんと見てもらいなさい。場所は分かるわね?」

 

祭「もちろんじゃ。それではすまないが行ってくる」

 

炎蓮「さて、葵。俺らは新参者達の力を見に行くか」

 

葵「そうだな。夜の運動のためにも、準備運動をしとかないといけないからな。それに、凪の友だと聞くし、原石の可能性があるからな」

 

二人は笑いながら三人の元へ歩いて行き

 

炎蓮「凪、お前たち三人俺らの相手をしないか?」

 

凪「よろしいのですか?お二人にお相手してもらえるなんて光栄です。それにこの二人にも成長してもらいたいですから」

 

葵「良い意気込みだ。遊んでやるから掛かってこい」

 

凪「はい、胸を借りる気持ちで行かせてもらいます」

 

炎蓮「フフ、凪は相変わらず気持ちのいい位ハキハキしてるな」

 

三人は楽しそうにしているが

 

真桜「なあ沙和、あの二人って・・・・」

 

沙和「そうなの・・・・江東の虎と西涼の狼なの」

 

真桜「やっぱりか・・・・・結局年長者に捕まったと言うわけやな。うち等大丈夫なん?」

 

沙和「きっと、手加減してくれるはずなの。大丈夫なはずなの」

 

真桜「そ、そやな。うち等はまだ来たばっかしやし色々教えてもらうだけよな」

 

二人は希望的観測でお母様方を見たが

 

炎蓮「楽しみだな、俺相手にどれだけ持つか」ニヤニヤ

 

葵「フフフ、楽しみだね〜〜ひよっこたちをいたぶるのは」ニヤニヤ

 

得物を見る目で二人を見つめているのであった

 

ゾゾゾーーー

 

真桜「なんか終わった気がする」

 

背筋を震わせていると

 

一刀「よし、それじゃあ準備運動から始めるぞ。好きな班に分かれて組手を始めてくれ。呉覇将と春蘭、秋蘭の六人は三人ずつ俺にかかってこい」

 

その言葉からそれぞれ数人ずつで班を作っていき、組手を始めていった

 

 

 

 

 

 

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炎蓮「さて、人数も一対一で出来るし誰が相手をする?」

 

葵「そうだね・・・・私達が新参二人を相手したらどうだい?厳顔も凪とやった方が鍛錬になるだろうしな」

 

桔梗「私はそれでかまわないぞ。それにしても、準備運動で組手とはな中々きつそうだ」

 

凪「私もそれで構いません。お二人とも友二人をよろしくお願いします。厳顔さんもよろしくお願いします」

 

桔梗「おう、よろしく頼む。(ふむ、まだ若いが中々の手練れだな。それに向上心があるみたいだし、一つ捻ってやるか)」

 

桔梗はパッと見で凪に実力を判断したようだが、その判断が間違いだとすぐに思うのだった

 

そして、残りの二人組達は

 

炎蓮「よし、俺はこのでか乳の娘を相手してやろうか」

 

葵「なら、私はそばかす娘の相手をしようかね」

 

その言葉を発した瞬間に二人は地面を蹴っていた

 

ドコン

 

沙和、真桜「「!!??ゴホッ」」

 

炎蓮と葵は沙和と真桜の腹にそれぞれ掌打を入れていた

 

炎蓮「ふむ、今ので反応できないか」

 

葵「仕方がないさ。まあ、次の攻撃からはちゃんと受けて、反撃をしてきてもらわないと詰まらんのだが」

 

二人の最初の一撃は沙和と真桜がギリギリ反応できる速さで攻撃したのだが、沙和と真桜はただ驚いていただけだった

 

真桜「ケホッケホッいったい何なんや。急に一撃入れよってから」

 

沙和「う〜〜〜痛いの〜〜」

 

炎蓮「何を言っている?一刀様が言っただろう、準備運動を始めると」

 

葵「そうです。あの言葉が発されてからは一分一秒気を抜いてはいかないわよ。ほら、周りを見てみなさい」

 

周りの人間たちが漂わせている空気は戦場と変わらないほどの物でかなりの重圧を持っていた。そしてその組手の激しさといたら・・・・・

 

真桜「これ、準備運動やないの?」

 

沙和「皆血眼になって殴り合ってるの〜〜〜!?」

 

炎蓮「それは当たり前だ。この上のクラス、ああクラスて言っても解らんか・・・上の組では準備運動が終わった後の鍛錬で必ず強い人と仕合する事になっている。そのために、体をほぐしておかないと、怪我じゃ済まなくなる。それに、これは下の者にも言えるが使っている武器は刃を潰していないからより危険なものになっている」

 

葵「この意味わかるわよね?あなた達もちゃんと体をほぐしていないと・・・・・死ぬわよ」

 

二人「う・・・・・」

 

炎蓮「さて、お喋りも此処までだ。俺たちも体を動かしておかないと後あとの鍛錬できついから、しっかり付き合ってくれよ?」ニヤ

 

真桜「ヒッ」

 

葵「じゃあ、行くわよ。しっかり構えなさいね」

 

沙和「アウアウ」

 

それから炎蓮と葵の激しい攻撃が真桜、沙和に襲い掛かった。真桜と沙和は必死で攻撃を避けていくしかなかった。腕で防御しようにも、防御の意味がないほどの力で殴られ弾き飛ばされるのである

 

真桜「そ、孫堅さん!!と、止め(ドコン)ウッ、お願いやから一度(バコン)ゲホッ、た、頼んます。きゅ、休憩を・・・・」

 

炎蓮「オラオラオラオラ、何言ってるんだ!!始まったばっかりだろうが!!それにこれを始めたら、十五分はし続けないと休憩何て無い。殴られるのが嫌なら、早く目を慣らして避けろ!!」

 

ボコボコボコボコボコボコ

 

ヒュッ

 

炎蓮「お、今のだ。今のを体に覚えさせろ」

 

真桜は何とか確実に一発だけ避けることが出来た。連撃の内の一発でしかないが、その一発を見て躱すことが出来たのであった

 

真桜「ヒューーーヒューーーー、む、無理や。今のは偶然や。今の立ってるのがやっとやで」

 

炎蓮「その言葉、ここに居る皆が言ってきたぞ。そしてそれを潜り抜けて強くなっていった。お前もそれをしろ!凪もそれを期待しているはずだ」

 

真桜「そんなん言っても・・・(ドカ)ケフ・・もう・・・」

 

パタン

 

炎蓮「何だ、もう気絶しやがったか。仕方ない、次の組手の時間まで休ませるか。無理はいかないからな」

 

 

 

 

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そして、沙和と葵の方は

 

 

葵「私は拳が苦手だからそんなに気負わなくても大丈夫よ」

 

沙和「絶対嘘なの〜〜〜何か馬騰さんの背中からモワモワとなんか出てるの〜〜〜」

 

葵「気のせいさ。さあ始めるわよ・・・・準備はいいかしら?お腹は空いてない?歯は磨いた?体は大丈夫?フフフフ、行ける?行けるわよね?じゃあ・・・・・・行くわよ」

 

ドドドドドドドドドドドドドドド

 

葵の攻撃が沙和に向かって何度も何度も浴びせられていった

 

顔、胸、足、腕、背中、腹、体のいたるところを殴り蹴り投げ、極めた

 

葵「ほらほら、如何したの?これはまだ準備運動なのだから、しっかり体を動かしてほぐさないと次からの鍛錬がつらくなるわよ」

 

沙和「(ボコ)あう・・・・(ゴキン)ううう・・・・(ドン)ケホ、ケホ・・・む、無理なの・・・これで動けって・・・絶対無理なの」

 

葵「何を言ってるの?凪ちゃんはこれを毎日やって、その上親衛隊だけの鍛錬をやっているのよ。貴女はその凪ちゃんの大切な友達で部下なのよ、そんな弱いままじゃ足手まといにしかならないわよ」

 

沙和「それは・・・・凪ちゃんだから・・・出来たの。沙和は・・・・」

 

葵「・・・・・本当に貴女は凪ちゃんの友達?残念だわ」

 

葵は沙和の言葉を聞いて、攻撃を止め冷めた目で沙和を見たのであった

 

沙和「う・・・・・」

 

葵「于禁ちゃんだったかしら?ごめんね、痛くして。私の思い過ごしみたいだったわ。貴女じゃこの段階は無理よ。下の班に行って鍛えなさい」

 

そう言って葵は炎蓮と凪達の元に行った

 

 

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凪達の方では

 

 

凪「厳顔さんは確か蜀の方では喧嘩士として有名と聞いています。かなりの腕と思いますので胸を借りる思いで行かせてもらいます」

 

桔梗「おう、掛かってこい。(ほう、構えを取った瞬間からまったく隙が無い・・・それにあの闘気は・・・)」

 

二人が構えを取って準備がお互い出来たと判断しあった時、二人は駈け出していた

 

凪「はあああああああああああ!!!!!!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダ

 

凪の拳が何度も桔梗の体へと振りかかった

 

桔梗「クッ・・・なんて重く速い拳なんじゃ。私もやられてばっかしではおれん・・・そこだ!!」

 

桔梗は凪が振りかぶった拳の時に空いた脇に蹴りを喰らわせようとしたが

 

凪「私がその隙に気づかないとでも?」

 

ガチン

 

凪は振りかぶっていた腕を曲げ、迫ってきた足を曲げた手の肘と膝で挟み止めてみせた

 

桔梗「ぐっ!」

 

桔梗の挟まれた足には青あざを通り越して赤黒くなっていた

 

凪「次行きます!!」

 

凪はその場から飛び上がり桔梗の頭上へと行き、両足で桔梗の頭を固めそのまま上半身を反らせて首を折にかかった

 

桔梗「このままでは首が折れる」

 

桔梗は首が折れるのを恐れ自分で凪が体を反らした方向へと飛んだ

 

ドサ

 

凪「自分から飛んで折れるのを避けましたか。中々いい動きですね」

 

凪は一度桔梗から離れて氣を練り出した

 

桔梗「これは組手じゃないのか?今のかなりヤバかったぞ・・・・・それに、その氣は・・・」

 

凪「何を言っているんですか?これ位は普通ですよ。ほら回り、と言うか一刀様たちを見てください」

 

桔梗は言われた通りその方向を見ると

 

桔梗「・・・・・・・・・」

 

桔梗が見た物はまるで戦場と同じ雰囲気を出している者達の姿であった

 

三対一のはずなのに押されているのは三人の方で、項羽の方は笑いながら三人の相手をしていた

 

桔梗「何だあれは・・・三人の殺気が籠った連係攻撃を易々と避けている。そして、項羽様の攻撃、あれ普通に喰らったら骨が折れるじゃ済まないぞ」

 

凪「わかりましたか?準備運動でも、気を抜くことなく全力でやるのが大事です。そうじゃないと後あと辛くなりますから。・・・・・・では、改めて行きますよ」

 

凪は練っていた氣を拳に回しそれを放った

 

チュドーーーーーーーン

 

桔梗「なっ!!!今のは・・・・・・何だ?」

 

凪「ただの氣弾ですよ。次はからの攻撃は氣を纏いますので気を付けてくだい。さもないと、大怪我しますから」

 

凪はそう言って前進に氣を纏わせ迫り出した

 

桔梗「何という・・・・しかし、私も喧嘩士と言われたほどだ。このまま何もせず負けるのも癪だから、私もやれることはやってやろう!!」

 

ドドドドドドド

 

凪「流石ですね。でも、まだまだこれからですよ!!ハーーーーーー!!!!」

 

ドコン、バキン、グキン

 

桔梗「まだまだーーーーー!!!!」

 

凪「(チュン)今のは危なかったですね。それじゃあ次は・・・パンパン「よし、最初の休憩をするぞ」と、休憩のようですね。厳顔さん、休憩にしましょうか」

 

桔梗「あ、ああ。(さっきまでと雰囲気が変わった。此処まで気持ちを切り替えることが出来るのか。それにしても・・・・)」

 

桔梗は凪と自分が明らかに実力に差がある事を理解した。自分は呼吸が上がりかけており、体中に怪我や痣があるのに凪には怪我と言う怪我は無く、まだ汗もほとんどかいていないからである

 

凪「私は友の所に一度行ってきます。厳顔さんは確り休んでいてください、鍛錬はまだ始まっていないのですから」

 

桔梗「え!?まだ、始まっていない?」

 

 

 

 

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凪「炎蓮さん、葵さんお疲れ様です。どうでしたか真桜と沙和は?」

 

炎蓮「おお、凪。そうだな、李典は鍛えればかなり伸びると思うぞ」

 

凪「本当ですか!?とても嬉しいです。そうか、真桜も強くなれる・・・・・それでは沙和、于禁のほうはどうでしたか?」

 

葵「ああ、凪ちゃん。あの子は少しね・・・・もう少し気持ちが強ければいいんだけれどね。今の状態だと、凪ちゃんや李典ちゃん三人一緒で頑張るっていうのは難しいかもね」

 

凪「・・・・そうですか。でも、沙和は心が強いですからきっと大丈夫です。私も信じていますから。それで、今二人は?」

 

炎蓮「ああ、李典はあそこで気絶している。休憩が終わったら起こして、また俺が相手しようと思っている。アイツ、一度だが俺の攻撃を確り見て避けたからな、次は後数発は避けれるようにしてやる」ニヤニヤ

 

凪「・・・ほどほどにお願いしますね。葵さん沙和は何処に?」

 

葵「ああ、今は下の班に居るわ。あの子はまだ、心も体もできてないと思ったからね。でも、凪ちゃんが言うみたいな子だったらすぐに、こっちに戻ってくるでしょうね」

 

凪「はい!!それに、これからは私も二人の事を鍛えようと思っているので、すぐにとは言いませんが必ず強くなりますよ」

 

凪は二人の友を信じてるからこそ笑顔でそう答えたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

三羽烏の話前半でした

 

友と一緒に成長が出来る事を喜ぶ凪、凪との力の差を感じながらも自分たちはあそこまで強くなれないと思っている真桜と沙和

 

すれ違う気持ち

 

これから三人はうまくやって行けるのか・・・

 

 

 

次回、集いし三羽の烏(何話続くか分かりません)三人の仕事

 

をお送りします

 

では待て次回

 

説明
三羽烏の話です

何話か続く予定です
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コメント
祭さんおめでとう、沙和( o≧д≦)oガンバレー!!(スネーク)
真桜と沙和もご愁傷様です(?)。そして、祭さんはおめでとう…で良いのかな?(mokiti1976-2010)
この国の仕事に楽なものはおそらく無い……真桜は兎も角、沙和はなあ……武官としては力不足が目立つから、今の段階では親衛隊無理でしょう。それはまだ良いとして、そろそろ凪と思春は対立をやめたほうが良いと思う。何度も見てるとみっともなく思えてきた……可愛いの領域から逸脱しているような気がする。(Jack Tlam)
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