真・恋姫無双〜項羽伝〜三国編
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第四章 拠点 集いし三羽の烏 (中編) お仕事探し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍛錬をした次の日

 

 

真桜「う〜〜〜、う〜〜〜〜」

 

沙和「ま、真桜ちゃん・・・あまり唸らないで・・・・ほしいの」

 

真桜「そう言ってもな・・・体がう・・・・動くだけで・・痛!!」

 

沙和「それは沙和もなの・・・・痛っ・・・・あの鍛錬おかしいの」

 

真桜「ううう・・・・それは同意や。うち、気づいたら此処で寝とったけど・・・・覚えてるだけでもあれ地獄やで」

 

沙和「そうなの〜〜〜〜沙和も地獄に思えたの〜〜。痛っ・・・体中筋肉痛だし・・・そこらじゅう痣ができてるの・・・・」

 

二人が鍛錬の愚痴を言っていると

 

コンコン

 

凪「二人とも起きてるか?入るぞ?」

 

真桜「凪か?一応起き取るで・・・」

 

真桜の元気のない声を聞きながら凪は部屋に入ってきた

 

凪「二人とも初めての此処の鍛錬はどうだった?」

 

沙和、真桜「「地獄なの(や)!!」」

 

凪「叫ぶだけの元気があるなら大丈夫だ。初めての参加で真桜は準備運動を耐えきったのは凄いと思うぞ。私は初めての時は準備運動の時で倒れたからな・・・・・」

 

凪は鍛錬を始めて頃の事を思い出しながら思いに吹けていると

 

また二人とも息の合ったように

 

沙和、真桜「「準備運動!?嘘なの(やろ)!!」

 

真桜「あれが準備運動なんてありえんやろ!!うち死ぬ思いしたんやで!!」

 

沙和「そうなの!!沙和も初めの馬騰さんとした時、死ぬかと思ったの!それに、気絶して起きた後に相手した馬鉄ちゃんも殺す勢いで攻撃してきたの!!」

 

真桜「うちなんか・・・ううう・・・グス・・・・孫堅はんが笑いながら攻撃してくるんやで。うち、怖くて逃げよう思ったら孫堅はんが直ぐに殺気を出してうちを・・・・・うえええええええええん。怖かった、怖かったんよ〜〜〜〜〜〜〜」

 

真桜は炎蓮との組手の事を思い出してついには泣き出してしまった

 

凪「・・・(炎蓮さんやり過ぎです)真桜はよく頑張ったぞ。その孫堅様も真桜の事を思ていたぞ。中々根性のある娘だって」

 

凪は真桜の肩に手を置きながら慰めてあげた

 

沙和「う〜〜〜、凪ちゃん・・・沙和達毎日あれをするの?沙和死にたくないの」

 

凪「鍛錬は参加してもらう。それに、二人には他の鍛錬をすると一刀様に許可をもらっているし、その相手をしてもらえる方達の参加の許可ももらっている」

 

沙和「そんな〜〜〜〜」

 

凪「この鍛錬は相手の方達が色々とお忙しい方達だから毎日お相手できないから、私か甘寧が相手をする。甘寧(思春)の実力は私も認めている。それに・・・(なんだかんだでアイツは信頼も出来る。本人には言えんがな)」

 

真桜「甘寧は分かるけど他の相手て誰なん?」

 

凪「それはその時になったら教える。お前たちのとってためになる相手だぞ」

 

沙和「こ、怖いの〜〜〜」

 

真桜「それで、凪は今日それだけを言いに来たんか?」

 

凪「いや、勿論他にも用事があるにきまっているだろう。今日から二人に私の仕事の手伝いをしてもらいながら、二人の取り柄が合う仕事を探してもらおうと思う」

 

真桜「凪・・・・それは嬉しいんやけど・・・」

 

沙和「そうなの・・・・沙和たち昨日の鍛錬で体中が痛くて動けないの〜〜」

 

凪「ハーー、今日も鍛錬をするのだからそんなこと言ってられないぞ。それに、『働かず者食うべからず』これが此処の基本方針だ」

 

真桜「と言うことは・・・・」

 

沙和「沙和達寝たままだと・・・・」

 

凪「ご飯を食べることが出来ないし、給金も出ないから沙和の好きなオシャレも、真桜いつもしていた絡繰りいじりもできない」

 

沙和、真桜「「がーーーーーん」」

 

凪「わかったなら、行くぞ。まずは新兵達の指導、訓練だ」

 

凪は二人を起こして連れて行くのであった

 

 

 

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訓練場

 

 

凪「皆、集まっているみたいだな。今日から、皆の指導にこの二人李典と于禁が参加する。しっかりと言う事を聞くようにしてくれ」

 

兵「「「「はいっ」」」」

 

真桜「本当に新兵なんこいつら?」

 

沙和「そうなの、もう統制とれてるのに必要なの?」

 

凪「気づいていないのか二人とも?今返事をしたのは新兵の中に紛れている古参の兵だ」

 

真桜「え!そうなん?全員が返事したように聞こえたで」

 

沙和「凪ちゃんあの中に古参の兵は何人ぐらいいるの?」

 

凪「六十人の内の六人がそうだ」

 

真桜「何で古参の兵が一緒におるん?古参言うぐらいならかなりの実力ちゃうん?」

 

凪「それはそおさ。古参の兵と言えば一刀様や呉覇将の方達の近くで供に戦っている者達だ。経験も実力もかなり持っている」

 

沙和「なら、何で新兵の中に紛れてるなの?」

 

凪「新兵達だけでは指示を聞きのがしたり、対応が遅れることがあるからそれを補助するために古参の兵を数人入ってもらっている」

 

沙和「成る程なの」

 

真桜「それで凪。うち等は何をすればいいん?凪の補助言うてもよくわからんのやけど」

 

凪「今回は二人の指導力を見るためにも私、沙和、真桜の三つに分けて新兵の指導をする。二人は初めてだから紛れてる古参の兵達をお前たちに三人ずつ分ける。その三人が上手く補助してくれるはずだ」

 

沙和「行き成り兵の指導をしていいなの!?」

 

真桜「そや!いきなりうち等みたいなんがして大丈夫なん?」

 

凪「それを見るのも今回の訓練に含まれている。二人とも曹操軍では将をしていたはずだからこれぐらい楽だろう?」

 

真桜「それはそうやけど・・・・」

 

沙和「沙和は・・・・今までうまく訓練が出来た事無いの・・・戦の時はみんな必死だから何とか沙和の指示を聞いてくれたけど・・・・・」

 

凪「沙和・・・・」

 

真桜「馬鹿言うなや沙和!あの時沙和は頑張っていたで。それに、信頼が無いとあんなに兵達があんな時に付き従うわけないで!だから沙和は自信を持って得えはずや」

 

沙和「真桜ちゃん・・・・」

 

凪「そうだぞ沙和。鶸も言っていたがお前に付き従っていた兵は最後まで抵抗してあの場から放さないようにしていたと聞いたぞ」

 

沙和「凪ちゃん・・・・・わかったの!!沙和頑張ってみるの」

 

沙和は拳を上に突き上げて元気とやる気を出したのであった

 

 

 

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そして訓練

 

凪の訓練

 

凪「そこ!!もっと速く動け!!!戦場では一秒の遅れで死が来るのだ、その事を考えてもう一度だ!!!」

 

兵「「「はい!!!」」」

 

流石三人しかいない親衛隊のうちの一人である。親衛隊に入りたい者は数知れない中、それから選ばれ一刀からの信頼を得ている人物である。いくら新兵とは言え、その武勇は聞き及んでいる。その凪からの指示には一瞬の乱れもなく従っていた

 

ザッ!!

 

ザッ!!

 

凪「良し!今のだ!!今のを忘れず次の陣形をするぞ!!」

 

兵「「「はい!!!」」」

 

 

 

 

 

真桜の訓練

 

 

真桜「さっきも凪から紹介があったと思うが、うちの名は李典や。今日からお前たちを指導することになった。よろしく頼むで」

 

兵「「「は!」」」

 

しかし、返事をしたのは古参の兵三人とその周りに居た者がつられて返事した数人だけだった

 

真桜(うわ〜〜〜うち一人で本当に大丈夫なんやろうか・・・・)

 

パンパン

 

真桜「違うで、弱音吐いている暇なんかないで!!凪はうちを信じてこの仕事をさせてくれとるんや。それに、うちからお願いしてここに居させてもらっとる、頑張らな顔向けできん!!」

 

真桜は弱音を吐いている自分に気合を入れるために顔を叩いたのであった

 

真桜「よっしゃ〜〜〜!!!皆、訓練を始めるで!!うちもここでの仕事はお前たちと同じで初めてや。だから、うちもお前たちと一緒に訓練するで。うちと一緒に頑張って強く成るで!!!」

 

兵「「「お、おおお!!!!」」」

 

真桜の親しみやすい性格もあってか兵達は真桜に心を開きだし、一つの連帯感が生まれだしていた

 

真桜「まずは、三つに班を分けるで。そしてうちが居る班が最初に基本の陣形の形を見せる。他の班はそれを見て形と動きを覚えるんや。ただ覚えるんやないで、此処をこうしたらもっと上手く動けるとか考えておくんやで。ほんなら、別れるで」

 

真桜は率先して兵達と触れ合っていった

 

 

 

 

沙和の鍛錬

 

 

此処では沙和が新兵達の前に立って少し経っていた

 

沙和「・・・・・・・・」

 

ザワザワ

 

ザワザワ

 

沙和「・・・・(プツン)いつまで騒いでるなの、このウジ虫どもーーーーーーー!!!!!!」

 

兵「「「!!!」」」

 

シーーーーーン

 

沙和「沙和を無視してペチャクチャペチャクチャと・・・・沙和はもう怒ったの!!!このビチクソのお前たちの根性を沙和が叩き直してあげるの!!このウジ虫以下の乳臭い野郎共、もう一度整列しなおすの!!!」

 

兵「「「・・・・・」」」

 

沙和「返事は如何したの!!!お前たちは言葉も話すことのできない程低脳なお馬鹿さん達だったの!?」

 

兵「「「は、はい!」」」

 

沙和「何だーその返事は!!返事の前と後にサーを付けて、サーイエッサーなの!!」

 

兵「「「さ、サーイエッサー!!」」」

 

沙和「声が小さいなの!!!」

 

兵「「「サーイエッサー!!!」」」

 

沙和「もっと大きく!!!」

 

兵「「「サーイエッサー!!!!!!」」」

 

沙和「良しなの!それじゃ、右向けー右なの!!」

 

兵「「「サーイエッサー!!!!!!」」」

 

ザッザ

 

沙和「左向けー左なの!!」

 

兵「「「サーイエッサー!!!!!!!」」」

 

ザッザ

 

沙和「良し、そのまま鍛錬場を五十周なの!!もし、途中で誰かが倒れたら、倒れたウジ虫をおぶりながら一人につき十周増やすの!!気合入れて走りきるの!!!!」

 

兵「さ、サーイエッサー!!!!!!」」」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダ

 

兵達は必死の形相で走り始めたのであった

 

 

 

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鍛錬後

 

 

凪「二人ともお疲れ。どうだった、初めての訓練は?」

 

真桜「ん〜〜〜、如何やろな〜〜うち的には出来る限りの事は出来たと思うけどな〜」

 

沙和「沙和はちょっとやり過ぎた気がするの〜〜〜終わった後に立っていたの新兵に紛れていた古参の兵だけだったの・・・・これで新兵が減ったらごめんなさいなの」

 

凪「報告はうけている。大丈夫だぞ沙和。あれぐらいで音を上げるぐらいなら兵としてやっていけない」

 

沙和「本当なの?よかったの〜〜〜」

 

凪「それに報告でこれからも訓練に参加してほしいと言う意見も上がってるぞ」

 

二人「「え!?ホントなん(の)?」」

 

凪「ああ、かなり好評みたいだぞ。さて、この話はここまでにして昼食を取りに行こう」

 

真桜「勿論凪のおごりやろ?」

 

凪「お前たち二人が初めて仕事をして、しかもかなり好評ときている。友としてこんなに嬉しいことは無いからな、一食位奢るさ」

 

沙和「やったなの〜〜〜〜ありがとう凪ちゃん」ダキ

 

沙和は凪に抱き付きお礼の言葉を投げかけるのであった

 

凪「よし、なら街に食べに行こう。私のおすすめの飯屋を紹介するぞ」

 

凪は笑顔で答え二人を連れて行ったのであった

 

 

 

 

 

 

飯屋で

 

 

凪「そうだ二人とも、他にやってみたい仕事とかないか?」

 

沙和「他にしてみたい事なの?」

 

凪「ああ。二人供新兵訓練だけではつまらないだろう?それに真桜は絡繰りに触れたいだろうし、沙和は服の事も気になるだろう?そして、楚の将達は民達との触れ合いを大事にしているからな」

 

真桜「まあな。こっちに来て全然絡繰り触れてへんしな・・・・」

 

沙和「沙和もお洋服屋めぐりしたいの。可愛い服欲しいの〜〜〜」

 

凪「だから二人はその趣味を活かした仕事をしてみようと思わないか?」

 

沙和「沙和お洋服の仕事ができるの?」

 

凪「服の事はあまりわからないけど・・・一刀様は服の委託はされているぞ。ほら、あそこで食事している女性の服は確か一刀様が作られた服だぞ」

 

そう言って凪は少し離れた席で食事している学生服みたいなのを着ている女性を見た

 

沙和「え!?本当なの凪ちゃん!!あんなに可愛いお洋服沙和今まで見た事無いの。本当にあれを項羽様が作られたの?」

 

凪「そうだぞ。ただ・・・・その・・・・あれを作られた時に、私と思春が試着させられたが(あれはとても恥ずかしかった・・・・可愛いと言われて頭を撫でられたのはうれしかったが・・・・あの時思春が居なかったらそのまま・・・・///////////////)」

 

沙和「え!!凪ちゃんがあんなに可愛い服を着るようになったなの?全然沙和たちの前で着ないからまだオシャレに興味ないと思ってたの!!」

 

真桜「(凪が乙女の顔になっとる・・・・沙和は気づいてへんし、うちも凪の可愛い顔が見れたから触れんでおこう)それで凪、うちの絡繰りは如何なん?」

 

凪「真桜以上の技師はあまりいないと思うが一人かなりすごい人が居られるぞ。ただあの方は絡繰りと言うより物作りと言ったほうが良いか?それをされている」

 

真桜「それって誰の事なん?」

 

凪「楚の技術屋である、星様、趙雲様で呉覇将の一角を担っているお方だ。飄々とした方だが、芯が立っていて尊敬できるお方だ。ただ、真桜。いつもの様に軽口を叩くと何をされるか分からないから気を付けろよ」

 

真桜「う・・・・呉覇将って・・・・・」

 

少し怖気づいた真桜だった

 

凪「紹介するのはいいが指示には必ず従った方がいいぞ。昔、一度だけ星様の技術を盗もうとした輩が許可なく部屋を覗いた瞬間に命を落としたからな」

 

真桜「またまた凪ったら、うちを驚かす冗談なんやろ?」

 

真桜は笑いながら聞いたのだが凪は顔を崩すことなく真面目な顔のまま返事をしなかった

 

真桜「マジなん?」

 

凪「コク」

 

沙和「真桜ちゃん、気を付けないとだめなの。死んじゃったら何もできないの」

 

真桜「う〜〜でも、技術気になるしな〜〜〜、そこら辺んはどうにかならんやろうか?」

 

凪「話を聞いてみないと分からないな。ああ、それとお前たちも楚の将となったわけだから今日も鍛錬に参加してもらうぞ」

 

真桜「鍛錬・・・・・・そ、そんなん当たり前やろ」

 

沙和「そ、そうなの〜〜鍛錬は何時もしないといけない事だから、そんなに真剣な顔で言ってどうするの〜〜?」

 

凪「最終的に二人には私と同じで上の組の将がしている鍛錬を全て出来るようになってもらう。お前たちも覚悟をしておけよ」

 

二人「「!!!!」」

 

話をここで区切って凪は二人を連れて星の工房に連れて行った

 

 

 

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星の工房

 

 

カーーーーン、カーーーーーーン

 

凪「星様、今大丈夫ですか?」

 

星「ん、凪か。どうかしたか?」

 

星は工房の中から何かを作りながら返事をした

 

カーーーン、カーーーーーン

 

凪「それが、私の友人の一人が星様の工房で働かせたいと思い紹介をと思いまして」

 

星「私の所で??・・・・ふむ、少し待ってくれ、もう少ししたら時間を空けられる」

 

カーーーン、カーーーン

 

凪「わかりました」

 

ジューーーーー

 

真桜「なあ、凪。今この中でいったい何作ってるん?」

 

凪「おそらくだが、この聞こえる音は鉄を叩く音だろうから何かの刃を作っておられるのだろうな」

 

カーーーン、カーーーーーン

 

真桜「へ〜〜〜、刃か〜〜。どんなふうに作ってるんやろ・・・・・」ウズウズ

 

凪「覗くなよ」

 

真桜「う・・・分かってるって・・・でもな〜〜覗くなと言われたら覗きたくなるのが人間っていうもんやろ?」

 

凪「ただ欲望に負けているだけだろうが」

 

カーーーーン、カーーーーン

 

真桜「そうやけどさ〜〜なあ、沙和?」

 

沙和「・・・・・」

 

真桜「如何したん沙和。返事もせんで?」

 

そーーーー

 

真桜が返事をしない沙和の方を見たら、沙和は窓の隙間から覗こうとしていた

 

カチャン

 

星「命が入らないなら覗いてもいいぞ、凪の友の一人よ」

 

星は手を止めて窓の方に目線と殺気を向けて言葉を発した

 

ビクン

 

沙和「ご、ごめんなさいなの〜〜〜〜〜」

 

ダダダダダダ

 

沙和は近くの茂みに逃げ込んだ

 

凪「星様、すみませんでした。私の友人が失礼なことを!」

 

凪は壁の向こうに居る星に向かって頭を下げたのであった

 

真桜「あちゃ〜〜、沙和何やっとんねん。それにしても・・・・・今の一瞬だけやけどあの殺気ありえへんやろ・・・・陳留での防衛戦の時に受けた凪や春蘭様達の殺気より濃ゆかったで・・・・・これが呉覇将の実力なんか・・・・・」

 

真桜は星の殺気を受けて出た鳥肌を摩りながら壁向こうに居る星を想像したのであった

 

少しすると

 

カラカラカラ

 

星「待たせてすまないな。中々納得のいく出来にならなくてな」

 

そう言いながら鍛冶用の格好をした星が出てきたのであった。その格好は白一色の着物で袖を紐でたくし上げ、工房の熱気により汗を垂らし、涼しくなるためか、胸をはだけさせ妖艶な美しさを出していた

 

真桜「その格好は何なんですか?」

 

真桜は鍛冶を行うのにその格好はありえないと思い質問すると

 

星「ん、この格好か?この格好は身を清めるための物だ。それに、この格好が集中出来てな、火色も見極められる(そして、代々伝わっている伝統あるものだしな)」

 

真桜「火色?何の事や?」

 

星「知らんのならそれでいい。それで凪?こやつを私の下で働かせるのか?」

 

凪「はい。そう考えています。この李典は絡繰りを作るのが好きで手先も器用な方です。それに、真桜自身も物を作る仕事をしたいと言ったので星様に紹介したのです」

 

コソコソ

 

真桜「なあ凪、この人本当に職人なん?」

 

真桜は小声で凪に自分が知っている鍛冶屋達と明らかに違う姿の星を見て疑問を感じて聞いたのであった

 

凪「何を言っているんだ真桜?この方ほど技術を持っている方は他にはもう一刀様以外おられないぞ」

 

真桜「しかしやな・・・・何なん、あの格好。全然職人とは思えんで」

 

凪「・・・・・・真桜・・・・あまりそう言うことは言わない方がいいぞ」

 

星「どうかしたか、二人とも?何やら私の格好を馬鹿にしたような言葉が聞こえたが?」

 

真桜「う!?・・な、何でもないです!!」

 

凪「それで星様、どうでしょうか?友の私が言うのもなんですが、こうゆう物作りに関する仕事には熱心で手を抜くこともありませんよ」

 

星「李典と言ったな?」

 

真桜「は、はい」

 

星「お主は曹操軍の時はどの様なものを作っていたのだ?」

 

真桜「そうやな〜〜、将達の武器を改良するのは基本としてやな、投石器や破壊鎚なんかも作ってたで」

 

真桜は自慢するかのように自分の功績を言っていった

 

星「ふぅ・・・(曹操軍の絡繰り技師と言ったら、凄腕と聞いていたが・・・これでわな・・・)凪、悪いが他を当たってくれ。李典が腕のいい技師なのはわかったが、こやつとはそりが合いそうにない。良い技師は私以外にもたくさんいるから、他を当たってくれ」

 

凪「星様・・・・・」

 

真桜「うち変な事でも言うたんか?」

 

星「そうではない。ただ、私の元ではお主は働けないとそう思っただけだ。それに、私の元では学べぬことが多いからな」

 

真桜「学べん事?何やそれ?」

 

凪「星様が持っている一部の技術は一子相伝らしく他の者には教えることが出来ないらしいのだ」

 

真桜「何でや?すごい技術やったら皆に教えて多く作ったほうが良いとやないの?」

 

星「全部が全部そう言うわけでは無い。凪、話は終わりだ。李典を連れて行ってくれ。後、あそこに隠れて怯えているもう一人の友達の事も頼むな」

 

星はそう告げて工房に戻って行った

 

真桜「・・・・・・な、何なんや〜〜〜〜あの人〜〜〜!!!何様なん!!自分が特別なんかは知らんがあの上からの物言い、気にくわんで〜〜〜!!!それに、あの格好まったく職人とは思えん。集中できるかは知らんが、まるで水商売してる人やん!!」

 

凪「(真桜の格好も同じのように見えるのだが・・・)それで真桜どうする?一応他の鍛冶屋を見てみるか?」

 

真桜「・・・・・そうやな、凪、他の所に案内頼めるか?あんな風に言われたら、別の所で働いてうちが凄い事を見せつけてやるで!!」

 

星「凪、少し来てくれ」

 

星は凪を呼んで小声で

 

星「凪すまなかったな」

 

凪「いえ・・・・・でもどうしてあんなことを?」

 

星「ああ、それはな李典は私の様に武器を作るのじゃなくて、人に役に立つ物を作って欲しいと思ってな。それに李典はそっちの方が合っていると思うしな」

 

凪「そうだったんですか、解りました。真桜にはそっちの方を紹介してみます」

 

星「すまないな」

 

凪「いえ、それでは失礼します」

 

凪は一度礼をして二人の元に走って行った

 

凪「待たせた。他の場所へ案内するよ。沙和も何時までもそこで怯えてないで、速くこっちに来い」

 

凪はそう言いながら街の鍛冶屋(物作りを生業にしている人達)が集まっているエリアに向かっていった

 

ガサガサ

 

沙和「あ〜〜、待ってなの、凪ちゃ〜〜ん」

 

 

 

 

 

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真桜「凪〜〜〜他に無いん?腕の良い人が居る仕事場は〜〜?」

 

凪「さっきので私が知っている限りの鍛冶屋は全部回ってしまった。なぁ真桜、何がいけなかったのだ?回った鍛冶屋のどれも、それぞれ良い方たちだったじゃないか?」

 

真桜「ん〜〜〜、何や何処もこれだ!みたいなんが無かったんよ」

 

凪「でもこのままじゃ、お前完全に武官のみで働いてもらうがいいのか?」

 

真桜「う・・・・それは・・・・でも、それやったら沙和も同じやないの?」

 

凪「それだったら沙和には回っている間に服関連の仕事を見に行ってもらっているぞ」

 

真桜「途中から、沙和が居ないと思ったら見学行かせてたんかい」

 

凪「ああ、真桜が結構必死に探していたからな、途中で切り上げるのもあれだったから沙和には一人で行ってもらった」

 

真桜「そうか・・・・それにしても、うちこれからどないしよ・・・見てきた鍛冶屋は今までうちが知っている中ではどこも上位に入るほどのもんやった・・・けど、どの主人もこの楚で一番の鍛冶屋は趙雲様て言うし・・・そんな凄いんか、趙雲はんの作ったものは?」

 

凪「当たり前だろう。この楚に居る将軍級の方たちのほとんどを星様が作られたものを使っているのだぞ」

 

真桜「へ〜〜そうやったん。それならそうと言ってくれたら色々話が出来たん思うんやけど・・・」

 

凪「あの方は自分の功績を大っぴらに言うのを嫌っておられるからな。それに・・・・・・(あの事を言われていたしな)」

 

真桜「あ〜〜〜〜本当にどないしよう・・・」

 

凪「真桜、別に武器作りだけが物作りと言うわけじゃないだろ?さっきから武器の事ばかり言ってるみたいだが、そっちの方は如何なんだ?」

 

真桜「武器以外?」

 

凪「ああ、例えば人、民達の生活のための絡繰りとかだな」

 

真桜「民達のための絡繰り・・・・・・うち今までそんなん考えた事無かったで」

 

凪「なら、今から考えてもいいんじゃないか?真桜にはそっちの方が合ってると思えるしな」

 

真桜「・・・・・・少し考えてみるわ」

 

凪「ああ。考えてみてくれ(星様これでいいんですよね)」

 

凪は笑顔でそう答えた

 

凪「さて、そろそろ鍛錬の時間だから沙和と合流して城に戻ろう」

 

真桜「うえ〜〜〜〜本当にあの鍛錬毎日やってたんかい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

お仕事のお話でした。

 

如何でしたでしょうか?楽しんでもらえたなら嬉しいです

 

次回は真桜、沙和の成長?をかきたいと思ってます

 

三羽烏の話が終わったら稟と風、星の三人の話、栄華の話か、美羽たち子供の話、愛紗の話、その他のどれか書きたいと思います

 

何か希望があるならコメント、足跡、ショートメールでリクエストお願いします

 

 

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コメント
きっと沙和のあの鍛錬法はいつの間にか遺伝子レベルで刻み込まれていたのだろう…子供達の話が気になるのでそれを見てみたいですね(スネーク)
原作では沙和のあの鍛錬方法は一刀が教えたはずだけど、此処では誰が教えたのでしょうね?それと真桜には此処でもカメラを作り出してほしいですね。そのカメラで一刀や炎蓮や葵が子供たちの写真を親バカよろしく撮り続けるとか…。(mokiti1976-2010)
義肢とか義足とか医療方面でもいけそう。(himajin)
確かに、真桜は竹かご編み機とか作ってたから生活に密着してる物を作るのも良いですね・・・。(とんぷー)
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真・恋姫無双  沙和 真桜  

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