暁の食事処 第16話
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Noside

山賊たちは幽州と許昌の境となる山の地点にいた

1000いや2000人はいるだろうかその集団があるくごとに

木から嫌な気配を感じたのか鳥たちが飛びさっていく

その集団の中央にいたリーダーらしき男が

「よし!もうすぐ幽州に入る、入った後少しやすんで近くの街を襲い食料を奪う、いいか!気合いを入れろよ」

リーダーらしき男がそう言った後

「うおおおおおー」

と雄叫びをあげる

リーダーらしき男は満足しながら

そういえば偵察のために先にいかせた奴らはどうしたのだろうか?

ある程度調べたらこちらに戻ってくるように言ったのだが

また酒でも飲んで騒いでいるにちがいないこちらから拾うとするか

 

そう考え歩くやがて幽州に入るところで

「頭、あそこに人影が・・・・」

仲間のひとりが言い指を指す

リーダーらしき男は指の方向を見る確かに人が立っているのが見える偵察の仲間かと思ったが違うようだ

見る限りひとりのようだしかし体は黒い布に包まれているそして明らかに背が低かった

なんだ子どもか、リーダーらしき男は油断した・・・・・

 

 

しかしその判断は間違いだろう今たたずんでいる人物の覚悟と決意そして有無を

言わせぬ力はとても大きなものだろう、それも2000の山賊をひとりで滅ぼすほどの・・---

 

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紅蓮side

私は幽州の入口辺りの山の麓にいる白牙と黒渦はいつでも戦闘に入れるように背中から吊るしている

山賊はまだ来ていないか・・・・・

私は目を閉じ精神を統一する、辺りは木の揺れる音、全身を包んだマントが少しなびく音、そして鳥のさえずりが聞こえるだけだった

 

数十分くらいたっただろうか、辺りの風の感じが心地よい山の風から

人の悪意や容認出来ないほどの欲望の混じった嫌な風に変わり頬に感じた

来たか・・・・・・・

静かにゆっくり私は目を開く

目の前は武装をした山賊で埋め尽くされていた1500いや、2000と言ったところか

私はしばらくその場にたたずみやがて山賊との距離が50メートルほどになったとき

先頭にいた山賊のひとりが口を開く

 

「おい、そこにいる餓鬼、今すぐ金と・・・・後背中の剣もだおいていけ、俺たちは山賊だ

渡さないとどうなるかわかってるよな?」

私の姿と刀を見て言った

出会い頭からこれか・・・・・どうやら彼らは他人の命は自分たちの欲望をかなえるためならば

どう扱おうが関係ないと思っているらしい・・・・・・「はぁ...........」

私は大きなため息をつくおそらく今からする忠告も意味はないかもしれないしかし......

 

 

「悪いが、その提案は聞き入れられない私がここにいるのはあなたたちを止めるためだ

頼む何もせずここから立ち去ってくれないだろうか?」

私は先頭の山賊に言った後、目を再び閉じ返答をまつ

数秒の沈黙の後私の願いは意味のないものになる

 

「ぶぷっ.......はーはっはっはっ、お、お前のような餓鬼が俺たちを止める?冗談にしては愉快すぎる」

「ぎゃーハハハハハ、そうそう、怖くて気が狂ったか?」

「なっハハハハ」

「くくくくくっ」

 

やはり交渉は無駄かなら..............もう容赦はしない

そして何故だろうか私の目頭が熱くなる私は目を開きながら

 

「黙れ・・・・・・・」

 

 

雛里の時とは比べ物にならないほどの殺気を放ちちドスのきいた声で言う

そして目を完全に開いたとき私の瞳を炎が燃え盛るように赤くなっている

瞳を中心に体の全身が熱く炎に包まれているようだしかし頭は驚くほどに冷静だ

雛里の時は雛里にも影響してしまうかもしれなかったが今はもう加減をせずに殺気を出せる

山賊たちはあまりの殺気にたじろいでいた

 

 

「貴様らは人を殺し過ぎた.....罪のない人を、それも未來を作っていく子どもを授かる女性を、

その女性を支える男性を・・・・・・・あまつさえ、これからの未來をつくる子どもまでも殺した・・・

そしてまたこれから大勢の命を奪おうとする貴様らを通す訳にはいかないだから・・・・・・」

 

「俺は今から 2つの理由で剣を抜く」

俺は右手で白牙、左手で黒渦の柄を強く握る

 

 

「一つは今まで貴様らに殺された人たちの無念を晴らすため・・・・・

俺は白牙を抜く

 

 

もう一つは・・・・・・・・・・ 」

黒渦にこれが初陣ですまないと思いながら

 

 

 

「俺の手の届く範囲、なんとかできる範囲で未來を作る人、授かる人、支える人たちそして・・・・自分の何とかしたいと思う人たちの笑顔や幸せを守るためだ!」

黒渦を抜く

 

俺は正義の味方になるつもりはないでも、朱里や雛里、水鏡さんも含め自分の世話になった人たちを

自分にできる範囲で何とかしたいと思うだけだこれは人として本能的に思うことではなかろうかそして今はギリギリ俺のなんとかできることの許容範囲だ

 

「さあ、死ぬ覚悟のあるやつからかかってこい」

 

私が白牙を山賊たちの正面に向ける

 

山賊たちは少し怯えながらも

「ふ、ふざけんなこの人数で負けるわけねぇだろ!」

「そうだ、そんな見かけ倒しが通用するか!」

「そこを退きやがれ〜」

「死ね〜〜!!!」

 

先頭の山賊がこちらに突っ込んでくるそれに続き一斉に向かってくる

 

まったくそんなにこの刀で切られたいのだろうか?

 

なら受けてみるがいい

 

この容赦なく____________無慈悲に___________切り裂き_______

命を狩りとるこの剣技を_______

 

俺は白牙を肩の辺りに黒渦を正面に構える

「せめてもの慈悲だ、苦しまないように一瞬で終わらせてやろう」

俺は集団に突っ込んでいった・・・・

 

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Noside

山賊の集団の中心で一人いや、一つの炎が舞っていた

実際には一人の少年が山賊を切り伏せているしかし

少年の纏う殺気が炎を幻想させる

少年が白銀の剣をひとふりすれば一気にいくつもの命が失われていく

悲鳴や命乞いすらさせぬほどの剣速

「ビュオ、シュウン」

わずかに聞こえる剣の音のみ、少年は一言も口を開かない

ただ、山賊たちの命を切り裂くのみその姿は死神おも思わせる

 

 

どのくらいの時間がたっただろうか2000程いた山賊は残り一人

少年のマントには返り血がべっとりついているそして、少年の使う刀も

血ついているが刀は一切はこぼれせず、勇猛さをまとっていた

いつの間にか空は雲に覆われ雨が降りそうだった

 

紅蓮side

後一人、ようやく終わる、それが頭の大部分を占めていた

疲労はあるがまだ問題ない程度だしかしはやく終わらせたい気持ちは大きかった

今自分の目の前には最後の一人このまま斬ってもいいが今後のためにいかしておくことにした

私が最後の一人に近付くと

 

「ひいっ、頼む殺さないでくれまだ死にたくない!」

人の命を奪っておいて何をと思うがぐっと押さえる

 

「黙れ、俺の言うことを聞けば逃がしてやろう、

いいか、お前はこの事をほかの山賊に触れ回れその時

俺のことを赤い目をもち、剣を振るう大柄の男、これだけだ

もしもこれ意外のことを言ったり、間違ったことを言えば・・・・・分かるな?」

 

俺は黒渦を首筋に当てる

山賊は「こくこく」と必死にうなずく

「ならはやく行け二度と姿を現すな」

 

山賊は一目さんに来た道を帰っていった

終わった・・・・・・・・

自然と体の熱さが収まっていく

どうやら瞳もライトグリーンに戻ったようだ

すると

「ぽつ、ぽつ、すさあ〜〜〜〜」と雨が降る

マントについた血が流れていくのでちょうどよかった

私は白牙と黒渦の血をマントで拭き取り「お疲れ・・・」

といい鞘に戻す

 

やはり慣れないものだいや、なれてはいけないのか

人を切るのなんて背負い続けるそれしかない

 

「さて、いくか」

私は山賊の帰っていった道をゆっくり歩いていく

 

 

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Noside

 

数時間後幽州からの援軍の兵が到着する

「うわっなんだこれは_・・・・・・!」

 

死体のやまになっていたしかし山賊たちについた傷には無駄な傷がなく

全て一太刀で命を奪っていた

「誰がこんなこと・・・」

兵たちの間で疑問が残るばかりだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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