孫権伝ー7
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 孫権伝第7話

 

 『黄巾党討伐と人材探し』

 

 

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 門番「お疲れ様です北郷様。」

 

 一刀「お疲れ。使者の方は帰った?」

 

 門番「今は仲謀様と謁見中です。」

 

 一刀「そっか。ありがとう。」

 

 門番「いえ、これぐらい。」

 

 門番にあいさつを交わしそのまま俺は城へと入って行く。どうやら使者は結構長く話しこんでいるようだ。仕方ない・・・中庭で時間をつぶすとしよう。

 

 一刀「しかし・・・此処に来てもう二月になるのか〜。」

 

 程立「おや?どうしましたか〜?お兄さん。」

 

 一刀「ん?ああ、仲徳か。警邏が終わったからね。そろそろかなぁって・・・」

 

 程立「そろそろとは?」

 

 一刀「使者が来てるだろ?あれってたぶん・・・」

 

 彼女に説明しようとした時にふと廊下から視線を感じてそちらを見ると、仲謀がこちらに手招きしていた。

 

 一刀「謁見は終わったようだな?」

 

 孫権「ああ。北郷はどうしてここに?」

 

 一刀「たぶん呼ばれると思ってな。」

 

 程立「そんなあいまいな理由で来てたんですか〜?」

 

 一刀「だが・・・間違ってないだろう?」

 

 孫権「ああ、伝令を出そうと思っていたら見かけてな。」

 

 その言葉に程立は驚きを隠せないでいた。

 

 程立「なんと・・・お兄さんは妖術使いですか〜?」

 

 一刀「失敬な・・・それを言ったら仲謀の母親や姉はどうなる。噂は聞いてるぞ?軍師泣かせの勘を持ってるそうじゃないか。」

 

 孫権「それは・・・そうだな。私も同じ血が本当に流れてるのか分からなくなる。」

 

 程立「なるほど〜。此処は軍師の出る幕はほとんどないわけですね〜。」

 

 孫権「そんな事は無いぞ?代わりにと言っては良いか分からんが、仕事をしている時間は一月に何日ある事か・・・」

 

 一刀「それはもう為政者として駄目だろう・・・」

 

 程立「仲謀様可哀そうですね〜。」

 

 孫権「私は良いんだ。今は北郷も居るからな。むしろ冥琳・・・周瑜と陸遜が正直倒れないか心配ではある。」

 

 俺はそんな苦労人2人を置き去りにさせて彼女を王に仕立てるために伏理の毒状態になっている。少しばかり心が痛んだ。

 

 孫権「それでだな・・・これから軍議を開くから北郷は一緒に執務室に来てくれ。仲徳は戯志才と子龍を呼んで来てくれないか?」

 

 一刀「了解だ。」

 

 程立「了解しました〜。」

 

 こうして軍議を開くためにそれぞれが移動を開始した。さて、使者殿はどんな話を持ち込んだのやら。ま、おそらく黄巾党のごたごたを持ちこんだに違いない。

 

 

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 しばらくして執務室に趙雲と戯志才と程立の三人が入ってきて軍議が開始される。今、執務室には俺、孫権、甘寧、張昭、趙雲、程立、戯志才の七人しかいないが、一つの部屋に七人となると結構な密度だ。

 

 一刀「・・・で、使者はなんだって?」

 

 孫権「ああ、どうやら黄巾党と呼ばれる賊が官軍の手に負えなくなったらしく、各諸侯に討伐令が発せられた。それで袁術に我等孫家の将達を招集するのを許可されたのだ。」

 

 一刀「ふむ・・・だが俺や子龍たちは向こうには秘密なんだろう?」

 

 孫権「そうだな・・・だからこそ私と思春だけで行こうと思っている。この柴桑は北郷隊が居ればそれだけで治安維持は出来る。政務に関しては子布に一任する。」

 

 張昭「御意。」

 

 趙雲「しかし我等が何故秘匿なのかは事情を聞きましたが・・・本当に大丈夫なのですか?」

 

 一応彼女やらは独立の話をこっそり聞かされている上で、不確定要素の不安を与えたくないと説明している。俺の事情は孫権と甘寧の二人しか今の所知らないのだ。

 

 孫権「兵もごく少数、三千ほどしか連れて行かん。残りはこの街の防衛と屯田兵として活用してほしい。兵糧は多いに越したことも無いしな。なるべく情報を漏らさず、だからと言って慎重になりすぎないようにしてもらいたい。袁術に気取られぬように・・・な。」

 

 程立「情報操作はお任せを〜。」

 

 戯志才「それなりに心得は有りますし、私達にとっても良い経験です。しかし・・・」

 

 一刀「客将にそこまで重要な仕事を任せていいのか?って話か?」

 

 戯志才「その通りです。」

 

 孫権「こちらは少数だ。北郷の言もある。信頼しても良い、とな。」

 

 三人「「「・・・」」」

 

 三人は半ばあきれた表情で俺の方を見るが、俺はそれに笑いながら答える。

 

 一刀「はは。そんな顔を見られただけでも黙っていたかいがあるな。こほん、俺は子龍がそういった信頼を裏切らない奴だと信じているし、程立も戯志才もこう言った機会を腹黒い野望で棒に振らないと思っているからさ。どうだ?違うか?」

 

 程立「お兄さんは風達の事をよく御存じなようですね〜。」

 

 戯志才「そうですね・・・少し怖く有ります。」

 

 趙雲「そうか?そこまで潔く信頼してると言われると私はこそばゆいが。」

 

 一刀「まあ、協力してくれるに越したことは無いって事。いざとなれば子布だけでも内政は回るしね。」

 

 張昭「・・・ちょっと待て北郷。お前は協力しないつもりか?」

 

 一刀「実は思う所があってな・・・戦力強化のために人材集めに行こうと思う。」

 

 張昭「・・・私一人で内政を回せと言うのか!?」

 

 一刀「いざとなったら藍里に頼れって。あの子も内政は得意だと言ってるし。」

 

 そう言いながら捨てられそうな子犬の目を向けて来る張昭から視線を反らし、孫権に目を向ける。

 

 一刀「どうだろう?」

 

 そう言いながら孫権の目を見る俺は、視線に「“目的”の為の人材探しだ」と言う意思を込めて見つめる。

 

 孫権「ま、まあ、いいだろう。北郷のおかげで守りの人材はいい感じで揃っているしな。//////」

 

 視線を外しながらそう言う孫権に俺は何かしたかな?と思うが、今は許可を取れたのが幸いだ。

 

 一刀「ならすぐにでも出よう。北郷隊はそのまま昴に任せられると思うからな。それじゃあ、改めて。」

 

 そう言いながら俺は趙雲たちの方に向き直る。

 

 一刀「三人とも、この柴桑を頼む。」

 

 そう言って俺は深く頭を下げる。こういう場合は下手な策は弄さない方がいい。

 

 趙雲「まったく、北郷殿は人が悪い。どうせ我等には誠心誠意が一番効果的だと分かってやっているのだろう?だが、分かっていても私もそれに応えない訳にはいかない。本当ならば真の主を探す旅に出たいと言いたい所ですが・・・なぜでしょうな?貴方の言葉は我が魂に深く突き刺さる。」

 

 戯志才「まあ、そうですね。私もこの経験は活かしたい。なので協力は吝かではありません。」

 

 程立「風もいいですよ〜?ただ・・・お兄さんの目的をちょっとは聞いておきたいんですよね〜〜。」

 

 相変わらず要らない所で鋭いな、彼女は。さてどう答えたものか・・・下手な嘘は彼女の不信を買いかねない。

 

 一刀「この先どうなるにしろ味方を増やさない選択肢は俺には無い。勿論仲謀の為という前提は嘘じゃない。」

 

 程立「おやおや、それではお兄さんはまるで自分の為に人材集めをするみたいな事を言ってるような物ですよ〜?」

 

 張昭「そうなのか??」

 

 孫権「そうなんだ。」

 

 一刀「なぜ仲謀が答えるし。まあ、彼女も承知の上だよ。」

 

 張昭「そうなのか!?」

 

 孫権「黙っててすまんな、子布。だが・・・私も北郷も互いにそう言う関係なんだ。だから・・・」

 

 甘寧「蓮華様、それでは雷火殿が振られたみたいに聞こえます。」

 

 孫権「振ったつもりだが?」

 

 張昭「なぜ突然振られなければならないのです!?」

 

 一刀「残念だったな子布。そう言う事なんだ。君の思いには答えられそうにない。」

 

 張昭「だからなぜ振る時の台詞みたくなってる!?」

 

 趙雲「ふむ・・・悲しいかな私も貴殿の事はどうでもいいと思っている。北郷殿の思いに私は応えたいのだ。」

 

 張昭「無関心宣言された!?」

 

 甘寧「私は蓮華様の意向に従うのみ。雷火殿、申し訳ございません。貴方の傍には居られないのです。」

 

 張昭「仕舞いには泣くぞ!?」

 

 程立「可愛いそうな子布さんは放っておいて、一応納得しとくのですよ〜。」

 

 戯志才「そうですね、別に裏切る雰囲気でも無いのですから大丈夫かと。」

 

 張昭「私の味方はいないのか!?」

 

 全員「「「「「大丈夫、皆、味方。」」」」」

 

 張昭「一番信用できない言葉だな!?」

 

 途中から張昭弄りに移行したが、どうやら俺に対する不信感は張昭に美味しい役回りとして押し付けることが出来たらしいな。ま、それも含めて彼女は納得してくれているみたいだ。なぜって?だって・・・

 

 張昭「まったく・・・無能を連れてきたら承知しないぞ北郷。」

 

 何だかんだで俺がちゃんと戻って来るって思ってるからな。

 

 一刀「当然。ついでに西側の情報もしっかり持って帰るよ。」

 

 張昭「頼む。」

 

 こうして軍議は終了。孫権と甘寧は黄巾党討伐で孫堅と合流、張昭は客将の三人と北郷隊副官二人と共に柴桑の治安維持、俺は黄巾の乱に乗じて人材確保の為に西へと旅立つことが決定した。

 

 一刀「さてと・・・どういう経路で行こうかなぁ。」

 

 そのまま隊舎に向かい昴と藍里に事の顛末を引き継ぎをしながら教え、旅支度を整え、見送りもそこそこにさせて出発した。さあ、俺の野望の駒探しだ。

 

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 あとがき

 

 

 一刀「さて、孫権伝ももう第七話となりました。他の同時投稿作品を合わせると結構な数、そして結構な人数がゲストとして来てくれました。さて、今日のゲストは?」

 

 今日のゲストは、艦娘の吹雪さんです。

 

 吹雪「えっと・・・何で私呼ばれたんでしょう?」

 

 一刀「あのさ・・・本当に見境ないなお前。」

 

 好きだから仕方ない。うん、仕方ない。

 

 吹雪「え?え?提督に言われて来たんですけど?どう言う場所なんですか??」

 

 一刀「あ〜、えっと・・・」

 

 さて吹雪さん、此処はある二次創作作品のあとがきコーナーです。此処では吹雪さんに次回予告と同時に今後の意気込みを聞いて行きたいと思います。

 

 吹雪「今後の意気込み!?」

 

 さ、どうぞどうぞ。

 

 吹雪「え、えっとこのメモを読み上げればいいんですか?えっと・・・次回『艦これ〜岩川基地00××鎮守府〜 第七話』お楽しみに。こ、これでいいですか?え?次のコメント?これですか??提督の夢に出て来たウェディング姿で提督に抱きしめられたいですってなななななんですかこれぇぇぇぇぇぇ!!!!・・・by提督?提督ぅぅぅぅぅ!?!?!?」

 

 一刀「提督酷いな。走って行っちまったぞ?」

 

 正直あの姿に俺は燃えました。

 

 一刀「え?萌えたんじゃないの?」

 

 あの姿に萌えを生じた奴は俗物だ。ハートを燃やしてこそ真の漢だ!!

 

 一刀「えっと・・・ユウヤが壊れてるので此処までです。次回お楽しみに。」

 

 他にも響とか叢雲とか初春とか、いや、初春はやっぱ白無垢か?それでもいい!とにかく幼い子のウェディング姿を見たいがために心(と言う名の欲望)を燃えたぎらせなくてどうするかぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

 一刀「疲れてるんだな・・・そっとしておいてやろう・・・

 

説明
孫権伝第七話です。物語が進んでないですねぇ・・・そろそろ進みますよ?たぶん・・・そこはかとなく・・・進むといいなぁ。

では本編どうぞ。

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コメント
黒鉄刃さん<返し遅くなりましたが、魏の戦力をこれ以上落とすのはどうかと思っている次第ですので、仲間になるにしても凪か香風どっちかにはなるであろうと思います(ユウヤ)
嘘か誠か知らんけど、香風ちゃん魏ルートの一番最初に出てくるらしいから、香風ちゃんオナシャス!m(_ _)m(あくまでも恋姫†英雄譚での話なので実際はどうかは知りません(^_^;))(黒鉄 刃)
あかさん<続き。凪に関しては迷ってますよ〜。実は武官の数が少ないんです。文官の層が厚すぎて涙目です。(ユウヤ)
あかさん<いやいや、白蓮はかまってすらもらえないからまだ雷火のほうが扱いはいいですよ。 白蓮「それはどういう意味だ!?」 ちなみに貴方の出番は今作ではない予定です。 白蓮「私が日の目を見る日は来るんだろうか・・・」 さあ?(ユウヤ)
白蓮wwww第二の白蓮が居る〜〜〜〜〜〜!!!!一刀西に向かうと言う事は・・・・・・涼州は行きすぎだから・・・・もう少し手前の・・・・取りあえず凪仲間にしてくれ〜〜〜〜〜!!!ここでも忠犬を拝みたい!!(あか)
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孫権伝 恋姫†無双 一刀 

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