ジョルジュ・サリバン、叩き上げの航空設計技師の生涯
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ジョルジュ・サリバン 【Georges-Sullivan】

 

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★ 【最終階級】[[jumpuri:統合技術研究開発部 (特殊技術院) http://seesaawiki.jp/harmony-gold_japan/d/%c5%fd%b9%e7%b5%bb%bd%d1%b8%a6%b5%e6%b3%ab%c8%af%c9%f4%20%a1%ca%c6%c3%bc%ec%b5%bb%bd%d1%b1%a1%a1%cb 技術少佐

 

★★ 画像と図面付きの元記事:ジョルジュ・サリバン - ロボテック・クロニクル http://seesaawiki.jp/harmony-gold_japan/d/%a5%b8%a5%e7%a5%eb%a5%b8%a5%e5%a1%a6%a5%b5%a5%ea%a5%d0%a5%f3]]

 

クラウス=マッファイ・リベリテ支社時代

 

軍事兵器、特に航空宇宙機の設計作業が巨大化・組織化され、際だった個性が発揮し難くなった現代において、ジョルジュ・サリバンは前世紀の「エド・ハイネマン」【Ed Heinemann】(A-4 スカイホークの主務設計者)を想起させる独創的&大胆な発想で精力的に製品を世に送り出した設計者だった。

 

その設計の一部は植民惑星間の星間技術ネットワーク【Planetary Technical Network】や、遠征艦隊軍【UEEF】の目に留まり、ネットワークを通じて何種かの機体(車体)は採用があり、一層名を知られることになった。

 

彼は当時、主としてヨーロッパ系住民の移民先であった植民星「リベルテ」にて出生した植民星2世であったが、その才能を認められ、わずか18歳でクラウス=マッファイ社のリベルテ支社に採用された。

 

支社は当初「ヴィッカース plc」&「コンチネンタル AG」社開発の 「MBR-04 トマホーク」系デストロイドに対して、ヨーロッパ出身の伝統から高速格闘性能を持つことで、 過去に主に海兵隊や空軍のB.D.F(基地防衛地上部隊)からの評価をあげた、MBR-07 Mk.I〜Mk.II「スパルタン」の植民星仕様や、「地球統合軍・海兵隊」、植民母星、「遠征艦隊軍」向けの、バトロイド並みの柔軟性を持った 「MBR-08 マサムネ」【Masamune Mk.I〜MK.III】を生産していたが,これまでに対戦車ヘリコプターや対地攻撃機の設計を幾つか手がけており、ノースロップ・グラマン支社と提携し,航空機産業にも本格的に進出しようとしていた。

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ジョルジュは、ここで手始めに、「F-206 ファルコン II」 の機体構造部門の一設計者として参加した。

 

兵器に汎用性が求められる時代に、非変形戦闘機とはいえ、迎撃・航宙艦対艦任務に的を絞った設計は賛否両論あったが、一方で徹底した費用 & 重量管理を行い、大気圏からそのまま衛星軌道まで上昇可能な上、宇宙専用機に迎撃を引き継いだ後、もしくは敵機を追って大気圏再突入も可能という迎撃能力は高く評価された。

VF-7A シルフィード

 

続く中戦闘機「VF-7 シルフィード」にも機体構造と可変機構の設計者として参加、大気圏での運用が前提となる機体を考慮した、合理的で確実な可変構造と、空気抵抗の少ない流麗なラインという矛盾する項目を両立させたデザインに「F-206 ファルコン II」に続く彼独特の設計哲学を見ることが出来る。

 

設計哲学

 

彼の設計哲学は「エド・ハイネマン」【Ed Heinemann】(一部はクルト・タンク【Kurt Tank】)に倣った次のようなものであった。

 

1.軍部の要求や用兵側の意見に左右されず、自ら観察した戦場の状況を取り入れて(適切に)独自判断する。

 

2.非変形型の機体はその用途に沿って不要な装備を常備せず、可能な限り合理化を図る。例:ファルコン II。 三重、四重の予備安全装置を設置するよりは、二重に減らしても装置そのものの信頼性や配置を工夫し、重量管理をする。

 

3.可変機【ベリテック技術による】に関しては、まず始めに可変構造と骨格(フレーム)を策定し、航空機形態又はバトロイド形態より設計後にすり合わせ・辻褄合わせをすることを避ける。これにより特に航空機形態で突出部分を避け、空気抵抗を極力削減することが出来る。(例:VF-7シルフィード)

 

4.可変構造には「6.」で設計した関節や可動部を共用し、ある1つの形態の為だけの可変構造用可動部やアクチュエーター(Actuator)を用意することを避ける。

 

5.大気圏内外汎用機であってもその主眼がどこにあるのかを見極め、互いに不要な装備を常備しない。例えば大気圏での使用が主になる機体に宇宙用装備の一部の常備は不要で、ただ必要な場合に短時間で換装出来れば良い。例:「VF-7 シルフィード」

 

6.以上の目的を達成する為に、既存の共通部品を流用することで不都合が出る場合は妥協せずに、新規に部品開発させる。但しその新規製作部品は次回作にも可能な限り応用出来る余地を残して企画する。

 

このうち項目6は特に部品メーカー側は利幅が小さくなることから難色を示したが、彼は直接下請け先に出向いて説得を重ねるなどしてこれを実現。

 

これによって完成したパーツ類は俗に「ジョルジュ・パーツ工房」作等と揶揄(やゆ)されたが、結果として費用対効果の割りに信頼性と性能に優れた製品が産まれたのも事実である。

 

クラウス=マッファイ・ヴェクマン時代

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次に彼は「クラウス=マッファイ・ヴェクマン」本社の「地上車輛 設計局」に招かれ、「VHT-2 スパルタス」の可変機構の構築に取りかかった。

 

この新型車輛は母星「リベルテ」のみならず、過酷な自然環境の開拓途上惑星「グロリエ」のサザンクロス軍での採用を見込んでおり、車輛の耐久試験を兼ねて惑星「グロリエ」設計分室に度々赴いた彼は、リベルテ側との設計局との「星間技術ネットワーク」完成を期に「惑星グロリエ」に実妹「ミレーネ」と共に移住し、本星リベルテと行来を重ねながら設計を続けた。

 

ここでの要求は、戦略機甲軍団向けの可変式・装甲戦闘偵察車両ということであった。

 

ジョルジュは地上戦闘車両の設計は「非・装甲車輛」(ソフトスキン)しかなく、他には従来型の戦闘ヘリコプターの設計に携わった程度ではあったが、意欲的に仕事をこなし、クラウス=マッファイ・ヴェクマン社の伝統である、スパルタン以来の高速駆動と格闘能力重視の設計を目指した。

 

一方で同社の旧来型の地上戦闘用デストロイド や 重バトロイドを設計又は改造してきた技術者達は、高火力と重装甲を主張し、陸軍保守派の要求を満たす為に、「105mm の実体弾砲」 又は 「202mm イオン・プラズマ砲」 を搭載した自走砲形態の採用を主張した。

 

ジョルジュは、高速で戦場を偵察する浮上式車輛と、格闘性能を活かす「バトロイド形態」への変形機能を備えた「全長6m級 の車体に対して、

 

『自走砲は過大な負担であり本車両の任務には不要である』

 

と決定に反対したが、当時のグロリエ陸軍、特に「クロード・レオン」一派をはじめとする上層部の決定は絶対であり、最終的には従わざるを得なかった。

 

結局、スパルタスは自走砲形態(ガウォーク)時の運用の為“だけ”に運転席を前後逆転させ、脚部関節も前後反転させて、発射の運動を受け止めるという、彼の設計哲学に反した「中間形態の為だけの余分な変形構造」を設けざるを得なかった。

 

その最大歩行速度は僅か13kphに過ぎず、かつ跳躍歩行となり関節構造にも負担を掛けた為、ジョルジュは「ファティーグ・オウトルーシェ」【仏語: Fatigue Autruche 】(やつれたガチョウ)と自嘲的に後輩達にこぼす程だった。

 

もっとも、サザンクロス軍の装甲車輌で唯一、ゾル軍の揚陸艇「ランディング・フリゲート」に致命傷を負わせられる上記イオン・プラズマ砲の搭載を、結果論として肯定する評価もあることは付け加えておく。

 

またこの為に、上下開閉式の可変構造(スパルタスの変形過程画像参照)を採用せざるを得ず、強度や将来的な宇宙空間戦闘、核・生物細菌・化学兵器防護の大前提である気密性確保に根本的問題を残した。

 

但し、開放式操縦席は彼の本意ではなく、胴体内の二重構造の重量増加を忍んで、防弾グラス化された開閉式戦闘室とヴァーチャル・ディスプレイ方式の操縦システムが予定されていたが、予算と官僚主義的怠慢の結果として実現しなかった。

 

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特殊技術院時代(徴用)

 

この件以来、クラウス=マッファイ・ヴェクマン社での仕事に意欲を見出せなくなった彼は、翌年同社を退社し、サザンクロス軍上層部からある程度独立した組織であり、自由に腕が振るえるとの知人の推薦で、軍属としてリベルテ方面軍グロリエ支局「特殊技術院」に入局した。

 

(但しこの件に関しては、条件が折り合わず一旦は離脱しかけた所を「徴用としてGMPに連れ戻された」というのが真相のようである。)

 

■ 外部本体記事URLアドレス画像の解説:本編第9話「スター・ダスト」回想場面において民間人(当時)であった「ジョルジュ・サリバン」を連行するGMP一般兵。 実行部隊の素性を隠す目的で、意図的にアーミング・ダブレット(A.D)をフルマスクで装着している。 ■」

 

最後の仕事

 

「特殊技術院」ではゾル(ティロリアン)の侵攻(実態は故郷奪回)によって失われた、グロリエ政府の母星リベルテとの通信(技術情報ネットワーク含む)回復作戦等(本編第3話)の立案を行い、上記作戦の成功でリベルテとの間の「星間技術ネットワーク」が回復すると、「VF-8 ローガン」の後継機となる「VFH-10 オーロラン」の開発をロッキード社のとノースロップ社からの招聘(しょうへい)設計技師として行ったが、これが彼の最後の仕事となった。

 

この直前、ラインハルト大将 命令による「ジョン・カーペンター少佐」 (ジョージ・ロンバル大佐)及びロバート大尉 らによるリベルテ側のグロリエ援軍(SCV-02 UES「ハンニバル」【 Hannibal 】、リベルテより派遣・2030年ゾル人辺境艦隊により撃沈)の脱出ポッド搭乗技術者よりもたらされた情報で、ゾル艦隊の「アズシャール級」母艦のエネルギー・システムや、バイオロイドの設計に関する情報(母艦内クレアチュール製造局)が断片的にもたらされる。

 

彼は個人的動機から(後世の研究書では実妹ミレーヌがゾル軍の攻勢で重傷を負ったことが原因とされる)単独ゾル艦の撃墜を試みるため、ピアノ・バー「ハーフムーン」にて民間人の歌手を装って、戦略機甲師団 第15分隊の分隊長(女性尉官)ジャンヌ・フランセーズ少尉に接触し、そのナビケーターとしてその弱点の破壊を試みるが、作戦自体は失敗に終わり、その過程で戦死した。(享年36歳)

 

人物と女性観

 

私生活でのジョルジュは独身を通し、他の家族は無く〔事情は不明〕、実妹ミレーヌ・サリバンとの兄妹2人暮らしであった。

 

巷間では甘いマスクと言動で、クラウス=マッファイ社勤務時代や、「特殊技術院」の軍属時代には女性職員に人気があったとの話もあるが、容姿そのものは整ってはいるが、上記写真を見るように決して美男子という水準のものでは無く年相応であり、むしろ、その言動や彼の人格そのものが醸し出すオーラ(熱気)に酔わされた女性も多かったようである。

 

実際、クラウス=マッファイ社グロリエ支局勤務時代〜特殊技術院時代には、惑星グロリエの副都心「モニュメント市」に於いて、ジョージという名(本名の英語読み)で実妹の治療費を捻出する為にピアノバーで歌手をしているなど(本編9話劇中歌 『STAR DUST MEMORY』/歌: 影山ヒロノブ)、単なる設計技師に留まらない多彩な才能を見せたが、同時にその個性的言動が「本業を疎かにして、裏でアルバイトをしている」等の陰口となり、仇となった面もあったと思われる。

 

しかし、その設計手腕に留まらず、後輩設計技師に対する対応や、私生活での意外な実直さ等、彼の本当の姿を知る人物からの評伝もあり、近年(2066年)再評価の動きもある。

説明
ジョルジュ・サリバン 【Georges-Sullivan】
画像付き元記事(この Tinami にはリンク機能がないので、以下のアドレス“全部”をコピーの上、お使いのブラウザのアドレス欄に貼り付けにて Enter で移動ください ) http://seesaawiki.jp/harmony-gold_japan/d/%A5%B8%A5%E7%A5%EB%A5%B8%A5%E5%A1%A6%A5%B5%A5%EA%A5%D0%A5%F3

★ 本文「クラウス=マッファイ・リベリテ支社時代」から

軍事兵器、特に航空宇宙機の設計作業が巨大化・組織化され、際だった個性が発揮し難くなった現代において、ジョルジュ・サリバンは前世紀の「エド・ハイネマン【Ed Heinemann】」(A-4 スカイホークの主務設計者)を想起させる独創的&大胆な発想で精力的に製品を世に送り出した設計者だった。

その設計の一部は植民惑星間の星間技術ネットワーク【Planetary Technical Network】や、遠征艦隊軍【UEEF】の目に留まり、ネットワークを通じて何種かの機体(車体)は採用があり、一層名を知られることになった。

彼は当時、主としてヨーロッパ系住民の移民先であった植民星「リベルテ」にて出生した植民星2世であったが、その才能を認められ、わずか18歳でクラウス=マッファイ社のリベルテ支社に採用された。
支社は当初「ヴィッカース plc」&「コンチネンタル AG」社開発の MBR-04「トマホーク」系デストロイドに対して、ヨーロッパ出身の伝統から高速&格闘性能を持つことで過去に、主に海兵隊や空軍のB.D.F(基地防衛地上部隊)からの評価をあげた、MBR-07 Mk.I〜Mk.II「スパルタン」の植民星仕様や、「地球統合軍・海兵隊」、植民母星、遠征艦隊軍【UEEF】向けの、バトロイド並みの柔軟性を持った MBR-08 マサムネ【Masamune Mk.I〜MK.III】を生産していたが,これまでに対戦車ヘリコプターや対地攻撃機の設計を幾つか手がけており、ノースロップ・グラマン支社と提携し,航空機産業にも本格的に進出しようとしていた。
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