白猫は地に想いを馳せ、黒猫は空を睨む。
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白猫は地に想いを馳せ、黒猫は空を睨む。

 

 

第1章1話『変わり出す日常』

 

 

 

 

人は夢を見る…

それは、妄想かもしれないし、別次元の自分の体験かもしれない。

 

今日もまた夢をみる。

 

黒き髪の男が、宮殿を駆け抜ける。

幾重にも魔物が眼前を塞ごうと、その剣で、その拳で薙ぎ払い進む

 

 

『邪魔だぁ、どけぇぇぇ!!』

 

 

再度立ちはだかる魔物の軍勢。

その刀身に黒き魔力を絡ませ、軍勢に放つ。

衝撃に飛び散る破片らに見向きもせず、前へと走る。

 

扉をこじ開け、眼前の玉座に座る女性に手を差し伸べる。

 

 

しかし、彼女は手を掴むことも無く、ただ、そうただ一言。

 

 

 

『ごめんなさい……』

 

 

悲しそうな瞳で、彼女は拒絶する。

 

 

 

夢の中の出来事…なのに、胸が、心がくるしくなる…

 

何故、手を取らないのか。

何故、共に歩めないのか…

 

 

 

-----そして、そこでいつも夢は閉じる-------

 

 

 

 

『…………い、……………なさい、起きなさい!アキト!!』

 

 

咄嗟に飛び起き用として転げ落ちる。

 

 

『まったく、ご飯出来てるから早く食べなさいね。』

 

 

目の前で自分を見下ろす女性、彼女は自分の姉のヘレナ。

親のない自分にとって姉であり、母であった女性だ。

 

 

『はーい、今用意する…』

 

 

言いながら、服を着替え、練習用の木刀を腰につける。

 

 

階段を下り、居間に着くといい香りがする。

どうやら今日もパイの出来は絶好調らしい。

 

「「いただきます!」」

 

 

いつも通りの朝、食べ終わった後出かけようとすると

 

 

『またいつもの稽古、危ない事はしないって約束、忘れないでね』

 

 

『あぁ、わかってるよ、じゃ、行ってきます!』

 

 

町を駆け抜け、いつもの浜辺に向かう。

 

『また、星タヌキがたむろしてるよ…』

 

 

溜息一つし木刀を構え、魔物である星タヌキに向かっていく。

 

そう、この世界には無数に魔物がいる。

何故かはわからない、ただいるのだ。

 

 

そして世界は広大で、幾つもの、それこそ大小様々な無数の島がある。

 

 

さらに世界の果てには《約束の地》があると言われてた。

 

『いつか行ってみたいよな…』

 

 

星タヌキを倒したアキトはそのまま、その場所で素振りをする。

 

いつもしてる日課だ。冒険者になる為の。

 

 

《冒険者》、それは世界の果てや、魔物狩り、様々な目的で世界を廻る者。

 

 

自分は冒険者に憧れている。

様々な世界を見たい。

だがその為には力がいる。

 

ここは星タヌキ位しか魔物はいない、だが外は違う。

 

 

だから力をつける。その為の日課。

 

 

『はぁ……俺、強くなってるよなぁ…』

 

 

変わらない日常では確かめようもない事だった。

 

 

ふと、視線を海に向ける。

いつも通りの蒼があるだけの筈だった。

 

 

『あれは、船……?』

 

 

この1隻の船が、自分の運命を変えるかアキトは解らずにいた。

 

 

これは愛情から始まる、怨念で締めくくられた物語の再演。

少年はただ繰り返すのか、それとも……

 

 

第1話 完

 

 

説明
初作品です。
白猫プロジェクトの二次小説となります。

キャラの正確に違和感があるかもです。
(誹謗中傷はお辞めください。)

基本的にメインのストーリー以外は外伝としてやる予定です。
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