【サイバ】北城珈琲店にて(3)【交流】
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「いらっしゃいませ!」

 次に北城珈琲店を訪れたのは。

「よぉ、お二人さん」

「こんにちは」

 スコティッシュフォールド種のネコ型セリアンスロゥピィ男性と、ウサギ型セリアンスロゥピィ女性の仲睦まじいカップルだった。

「あ、((晴一|せいいち))先輩! レインさんも!」

 彼、((井尻|いじり))晴一は、狐太郎の大学の先輩だった。卒業してからも、こうして時々店にコーヒーを飲みに来るのだ。その恋人、レイン・スリートとも、狐太郎たちは親交があった。

「そっちの女の子は、シャイオちゃんね? 変身してからは初めて会うわね」

「よろしくお願いします」

 シャイオは一礼した。

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「コーヒー2つ。あと、サンドイッチも二人分」

 晴一が注文を告げる。

「かしこまりました」

 厨房に向かおうとする狐太郎とシャイオ。

「あ、ちょっと待って。シャイオちゃん、こっちへ」

 レインがシャイオを呼び止めた。

「すぐ終わるから。狐太郎君は先に行ってていいよ」

「わかりました」

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 狐太郎が厨房へ消えたのを見計らってから。

「シャイオちゃん、ちょっと両手を出して」

「え? こうですか?」

 シャイオが差し出した両手を、レインの両手が優しく包み込んだ。シャイオは、手の平が暖かくなるのを感じた。レインは、そのまま、その手をシャイオの胸に押し当てる。手の暖かさが胸にじんわりと伝わっていく。

「勇気の出る魔法をかけてあげたわ。狐太郎君に伝えたいことがあるんでしょ?」

 シャイオの顔が輝く。

「は、はい! ありがとうございます!」

 そのまま、シャイオは厨房に駆け込んでいった。

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「……なあ、本当は何の魔法をかけたんだ?」

 コーヒーをすすりながら、晴一がこっそりレインに訪ねた。

「うふふ、ただの温熱魔法よ。彼女の背中を少し押しただけ」

 レインはいたずらっぽい笑みを浮かべる。

「プラシーボ効果ってやつか。お主もワルよのう」

 晴一も笑いながらサンドイッチを頬張った。

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「ありがとうございました!」

「ごちそうさま。また来るよ」

 晴一は手を振りながら店を出た。

「がんばってね、シャイオちゃん」

 レインは、去り際にシャイオにウィンクを投げかけた。

「はいっ!」

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 ドアが閉まってから。

「狐太郎君、今度、わたしと、アクアプラネット水族館に遊びに行きませんか!?」

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 風天区の片隅にある小さなコーヒー店を訪ねてみよう。

 ドアを開けると、

  カランカラン。

「いらっしゃいませ」

 心地のいいベルの音と、コーヒーの香りと、朗らかな笑顔が出迎えてくれるはずだから。

 

説明
締めを任されました。
狐太郎君 https://www.tinami.com/view/949808
レインちゃん https://www.tinami.com/view/738604
シャイオ https://www.tinami.com/view/948606
晴一 https://www.tinami.com/view/783924
アクアプラネット https://www.tinami.com/view/947564



シャイオのデートのお誘いへの返事は敢えて記載しておりません。小太郎くんとDr.Nさんの意思次第。
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コメント
>古淵工機さん 時系列とか全く考えてませんでしたw 静かに聴かせるバラードとかかな?(尾岸 元)
>Dr.Nさん かってに晴一を狐太郎君の大学の先輩にしてしまいました。ゆったりとした時間が流れる素敵なお店です。(尾岸 元)
ちょうどEMCeeが二曲目の演奏に入った頃でしょうね。お疲れ様でした!(古淵工機)
運がよければ、コーヒーを飲みながらチエ子さんのジャズ(&雅行さんのピアノ)やゲストのステージも聴ける店。〆お疲れ様でした!(Ν)
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