PokemonSM CosmosEpic 09:3人のキャプテン
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3人のキャプテン

 

牧場がある田舎町、オハナタウン。

そこでツキトは別のトレーナーとポケモンバトルをして、ポケモンセンターで休息をとっていた。

そのとき、見覚えのある少女の姿を発見して彼女に駆け寄る。

 

「あ、スイレンちゃん!」

「ツキトくん」

 

白い肌にそばかすのついた顔に青い髪に瞳の、華奢な体つきの少女だ。

スイレン、と呼ばれた少女はツキトに気付き彼に声をかける。

 

「ここにいるってことは、通りすがりかお手伝いですか?」

「まぁ、通りすがりが正解かな、途中でポケモンバトルもしたけど。

スイレンちゃんこそ、今日もマオやカキと会う約束をしてたのか?」

「はい」

「そうなのかっ」

 

スイレンと話をするときのツキトは、なんだかとても楽しそうでうれしそうだ。

そんな彼女と会話を楽しんでいると、その場に2人の男女が合流してきた。

 

「言ってる側からきたな、よう、マオにカキ!」

「あ、ツキト!」

「お前もここにきていたのか」

「ああ、たまたまだけどな」

 

緑の目と髪に花飾りをつけた褐色の少女がマオ。

黒と赤が混じった髪に、マオよりさらに肌の色が黒い少年がカキだ。

この2人も、ツキトとは顔見知りらしく普通に会話をしていた。

 

「3人とも、今日は何で集まってたんだ?

キャプテンとしての特訓か?」

「まぁそんなところだ」

「そっか」

 

そうして3人が会話を弾ませていたときに、別の方向から少年と少女の会話する声が聞こえてきた。

 

「ハウくん、ここならちょうどええんちゃうの?」

「いいねー、ここにしよー!」

「?」

 

その声には、聞き覚えがある。

そのためにツキトは迷わず声のした方に向かうと、予想通りというべきか、ヨウカとハウの姿があった。

 

「あれ、ヨウカにハウじゃねーか」

「ツキト、知ってる子?」

「ああ、お前等にも紹介してやるよ。

おーい、ヨウカー、ハウー!」

「え?」

 

ヨウカとハウもツキトに気付き、彼の声に答えて笑顔で手を振る。

 

「あ、ツキトくん!」

「こんにちはー!」

 

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「こんなところで、なにをしようとしていたんだ?」

「これからねー、おれとヨウカでーポケモンバトルするんだよー!」

「あたしとハウくん、そういえば一回もバトルしたことないよねってことで戦うことを決めたんよ」

「そうだったのか」

 

二人がこれからポケモンバトルをするときき、ツキトは二人に対し興味を抱く。

するとハウは、ツキトと一緒にいた3人組に気付き彼らのことをツキトに質問する。

 

「ねー、その人達はー?」

「ああそうだな、お前達も知っておいた方がいい」

 

ツキトは3人のことを彼らに紹介することを決め、右から順番に名前を教えていく。

 

「この子がスイレンちゃんっで、そしてマオにカキ。

3人ともこのアーカラのキャプテンなんだぜ!」

「え、キャプテンなの!?」

「そうだよ!」

 

マオが肯定するとスイレンとカキも自分達のことを二人に話す。

 

「はい、わたしがみずポケモンを得意とするスイレンです」

「オレが、ほのおポケモンの使い手のカキだ」

「そしてあたしが、くさポケモンと心を通わせるマオでっす!」

「せやったんかぁ、あたしはヨウカだよ、よろしく!」

「おれはハウ、よろしくねー!」

 

そうして互いの紹介を終えたときにスイレンはヨウカとハウを見つめ、それに気付いたヨウカはスイレンに問いかける。

 

「どうかしたの?」

「これから島巡りで、わたし達の試練に挑む人の力・・・わたしも、みてみたいです」

「オレも興味あるな」

「あたしも!」

「そっか!」

 

3人の要望を聞いたツキトはヨウカとハウに頼みごとをする。

 

「なぁヨウカにハウ、3人もお前達のバトルを見学させてもいいか?

審判はオレに任せてくれればいいからさ」

「いいよ!」

「おれもー!」

「へへ、さんきゅ!」

 

ツキトやスイレン達が思ったこと。

これからこの、アーカラ島をまわる島巡りに挑戦するトレーナーの実力が知りたい。

このポケモンバトルで一気に二人の実力をみることができるのでは、と思った4人は見学の許可を二人からもらった。

ヨウカもハウも、それにたいし特に抵抗はないので見学を許可すると、ツキトが二人の勝負の審判となる。

 

「ルールは2対2、どちらかのポケモンが2体とも戦闘不能になった時点で試合終了だ!

じゃ、試合開始!」

「まずは、キャキャだよー!」

「あたしはこの子でいくよ、サニちゃんっ!」

 

ハウが出してきたのはキャモメのキャキャ、対するヨウカはサニーゴのサニちゃんだ。

あのあとヨウカはサニーゴに話しかけて、ついてきてほしいといったところ、サニーゴもヨウカを気に入ったようで自分からついて行くと告げたので、今も彼女の手持ちにいるのだ。

 

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「たいあたり!」

「つばさでうつ!」

 

まずはサニちゃんのたいあたりとキャキャのつばさでうつが衝突する。

単純な攻撃力でいえば互角だが、ハウはそこで体制を立て直させ、キャキャにみずでっぽうを指示してサニちゃんに攻撃する。

サニちゃんはみずでっぽうをまともに受けるが耐え抜き、キャキャにパワージェムで反撃する。

 

「キャキャ、そこででんこうせっか!」

 

効果抜群の技を受けるキャキャのダメージを振り切ろうと、ハウはキャキャにでんこうせっかを指示して素早い一撃で相手に攻撃した後ではねやすめをさせて体力を回復させる。

その隙にサニちゃんはとげキャノンを放ってキャキャを攻撃しようとしたが当たる直前でキャモメは体力回復を終えてでんこうせっかでそれを回避、みずでっぽうで再びサニちゃんに攻撃する。

 

「サニちゃん、もう一度パワージェム!」

 

すかさずヨウカはサニちゃんにパワージェムを指示してキャキャを攻撃し、さらに追撃としてとげキャノンを放ち全弾をヒットさせてキャキャを戦闘不能にした。

 

「あー、キャキャー!」

「キャモメ戦闘不能、サニーゴの勝ち!」

「へへへー!

やったねサニちゃん!」

「さにさごっ!」

 

まずは一勝を勝ち取ったことでヨウカはサニちゃんと一緒に喜ぶ。

 

「まぁ、同じタイプ同士の勝負はヨウカさんに軍配が下りましたね」

「キャモメはひこう、サニーゴはいわをみずと同時に持っているからな。

勝因はそこだろう」

「だけど、相性を生かすのもトレーナー次第だよね。

だけどあのキャモメも、スピードという長所を生かして戦えていたねっ」

 

一方のハウはキャモメにお疲れさまと声をかけるとヨウカの方を向く。

 

「ヨウカすごいねー!

だけどまだまだ勝ちは譲らないよー、いっけーライライ!」

「うわ、ピカチュウに進化してきた!」

 

次にハウが出してきたのは、ライライと呼ばれるでんきタイプのピカチュウだ。

そのNNからして最初からハウがつれていたあのピチューが進化したのだろうそのピカチュウはやる気満々という顔をしている。

みずにでんきは不利、まずはとライライはでんこうせっかでサニちゃんに急接近してきた。

 

「近づけないで、とげキャノン!」

「でんげきはで相殺してー、そのままエレキボール!」

「くっ!」

 

ハウのねらい通り、とげキャノンはでんげきはで打ち消されてエレキボールはそのままサニちゃんにヒットしてしまう。

そのエレキボールによって、サニちゃんは麻痺状態になり動けなくなってしまった。

 

「サニちゃん!」

「スキありだよーっ!

ライライ、もう一度エレキボールッ!」

 

麻痺の影響で動けないサニちゃんに、ライライはさらにエレキボールをぶつけて一気に戦闘不能に追い込んだ。

 

「あぁ、サニちゃん!?」

「サニーゴ戦闘不能、ピカチュウの勝ち!」

「さっきのバトルの疲れが残っていたようだな」

「ええ」

 

ヨウカはサニちゃんをモンスターボールに戻すと別のボールを手に取った。

 

「ありがとう・・・サニちゃんのためにも、負けないからねっ!

お願い、タツくん!」

「タツベイ・・・ドラゴンならでんきに有利だね!」

 

ヨウカがサニちゃんにかわって出したのはタツくんだった。

 

「でんげきは!」

「りゅうのいかり!」

 

まずはでんげきはとりゅうのいかりがぶつかりあう。

その二つの技は激しく飛び散るとタツくんはすかさずひのこを浴びせてライライにダメージを与え、それを受けたピカチュウは反撃でエレキボールを放つ。

 

「でんこうせっか!」

「しねんのずつきでむかえうって!」

 

でんこうせっかとしねんのずつきもまた衝突し、吹っ飛ばされつつもライライはでんげきはを放ってタツくんを攻撃し、そこからまたでんこうせっかを繰り出してタツくんに追撃をしかける。

 

「もう一度いっくよー、エレキボール!」

 

さらに繰り出されたのはエレキボール。

だがその一撃をタツくんはしねんのずつきで打ち消し、ひのこを連続で浴びせて足止めをする。

その隙にタツくんはライライの懐に飛び込んだ。

 

「あっ!」

「りゅうのいかり!」

 

至近距離なためにねらいは正確なりゅうのいかりは、ライライに命中した。

そこからとどめの一撃としてしねんのずつきが飛び出して、ライライは戦闘不能になった。

 

「ライライッー!」

「ピカチュウ戦闘不能、タツベイの勝ち!

よってこの勝負、ヨウカの勝利!」

「やっりぃ、いいよタツくんサイコー!」

 

ポケモンバトルに勝ち、ヨウカはタツくんを抱き上げて喜ぶ。

一方のハウもライライを抱き上げてお疲れさまと声をかけつつ、笑顔でヨウカに歩み寄り彼女の実力をたたえた。

 

「やっぱヨウカはすげーなー!

じーちゃんに勝っただけのことはあるよー!」

「ハウくんも、ハラさんみたいになれるとおもっとるよ!」

「えへへー、だといいんだけどねー!」

 

ハウはにかっと笑って頬をかくと、ツキトの方を向く。

 

「ツキト、審判ありがとー!」

「いや、オレもいい勝負をみさせてもらったぜ」

 

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「お二人とも、いいバトルでした!」

「これは、試練を与えるときが楽しみだ」

「あたしも、今から試練の見直しをしておこうっと」

「あははっ」

 

3人のキャプテンから賞賛の声をもらったとき、どこからか男の声がした。

 

「YO、YO、バトルをみさせてもらったYO!」

「えっ!?」

 

その声とともに姿を現したのは、スカル団の下っ端二人だった。

 

「スカル団!?」

「どこにでもでるねー!」

 

スカル団は妙な動きをとりながらヨウカとハウに接近してきた。

その動きに若干引きつつも、ヨウカはスカル団をにらみつける。

 

「なんのよう!?」

「さっきのバトルをみる限りお前達のポケモン、結構強そうじゃねーか!」

「バトルで弱ったことだしチャンスということで、オレ達がそのポケモンをもらってやる!

さぁ、ポケモンをよこしな!」

「なんでそんなワッケわかんない理由でポケモン渡さなきゃいけないんだよっ!

お・こ・と・わ・り・だよっ!」

 

そう言ってヨウカはまだ体力が残っているニャーくんのモンスターボールを構えるが、それをツキトは制止する。

彼の手には、モンスターボールが握られていた。

 

「お前達が動くまでもねぇよ、こんなザコどもは・・・オレだけで十分だ」

「なにをぉ!?」

「いくぞ、アシレーヌッ!」

 

そういってツキトが出してきたのは、青系統の色と白色の人魚の姿を連想させられるソリストポケモン、アシレーヌだった。

 

「アシレーヌ!?」

「オレの最初のパートナー、アシマリを最後まで進化させたのさ!

そして今はオレと一緒にライフセーバーになるために、がんばってるところだ!」

「いけ、ズバット!」

「やっちまえ、イトマル!」

 

スカル団が出してきたのはズバットにイトマルという、みずとフェアリーを併せ持つアシレーヌに対し有利などくタイプを持つポケモン達だった。

だが、アシレーヌもツキトも焦らない。

 

「ズバット、どくどくのキバ!」

「イトマル、どくばり!」

「アシレーヌ、ハイパーボイス!」

「シィァァァーーーゥ!」

 

二つのどくタイプの技がとんできたが、アシレーヌは自らの技でそれを相殺し、さらにバブルこうせんでまずはズバットを倒す。

 

「一撃!」

「つっよ!」

「チィ・・・イトマル、動きを封じるぞ、いとをはく!」

「チャームボイス!」

 

いとをはくも、チャームボイスが打ち消す。

そしてツキトは彼らのポケモンを一斉に倒すことを決めアシレーヌにとどめの技を指示する。

 

「そこに決めろアシレーヌ、うたかたのアリア!」

「シィィレェェイヌゥゥゥッ!」

 

一度に複数の相手を攻撃するみずタイプの技、うたかたのアリアは水の衝撃波を放ちながら相手のポケモンに襲いかかった。

それによって自分たちのポケモンがやられて、スカル団は急いでポケモンを戻してその場から逃げていった。

 

「覚えてろぉ!」

「OK、忘れておくぜ!」

 

スカル団が逃げ去っていくのをみとどけたツキトは、アシレーヌに声をかける。

 

「お疲れさまアシレーヌ」

「シィ」

「さ、ボールに戻ってくれ」

 

そう言ってツキトはモンスターボールにアシレーヌを戻した。

するとヨウカとハウはさっきのバトルでツキトの実力を知り、彼に対し興味津々と言った様子で彼に一気に近寄る。

 

「すっげー!」

「ツキトくんも、すっごく強いんだね!」

「こいつもかつては島巡りに挑み、試練をいくつか突破した奴だ。

これくらい、朝飯前じゃないのか?」

「あははっ、それいえてるかも!」

「ま、それほどでもないけどな」

 

周りから自分の実力を賞賛されて、ツキトは少し照れる。

 

「ツキトくんのおかげで、ヨウカさんもハウさんも守れましたね」

「え、あ、そういってもらえてうれしいぜー!」

 

スイレンにもほめられて一気に顔を赤くするツキト。

 

「ふふふ、元気で何よりです。

・・・では、わたしももういかなきゃいけませんね」

「あそっか、スイレンの手伝いをしにきたんだった」

 

どうやら彼らにも用事があるらしい、ここを立ち去ろうとしていた。

そこでふと二人をみたスイレンはあることを思いつき、彼らに提案をする。

 

「・・・では、これからアーカラの島巡りに挑むというなら、まずわたしの試練に挑んでみませんか?」

「スイレンちゃんの試練?」

「ええ」

 

スイレンはオハナタウンをでたところを指さして、2人に説明する。

 

「この先のせせらぎの丘、そこがわたしの試練の場所です」

「そうなんだ」

「準備ができたらおいでください、あなた達が来るのを待っています」

 

そう2人に言うと、では失礼しますと告げてスイレンはそこを去っていった。

マオとカキも、ハウとヨウカに対し挑戦を待っていることを告げると2人ともスイレンを手伝うために彼女の後を追う。

 

「よーし、おれもスイレンさんの試練に挑むぞー!

ああその前に、ポケモンセンターでー、ポケモンを回復させなくちゃー!」

「あ、あたしもする!

ついでにカフェで一息いれたいねっ」

「あ、それさんせー!」

 

ヨウカとハウがこれからなにをするか決めたのを確認すると、ツキトは彼女たちに笑いかける。

 

「じゃああとは大丈夫だな?」

「うん、ありがとうねツキトくん!」

「大丈夫ならよし、またな!」

「うん、またねー!」

 

そこで2人はまたツキトと別の道を行くことになった。

 

「・・・」

 

そのバトルの様子を見つめている一つの陰があったことには、ヨウカ達は気付いていなかった。

 

 

説明
投稿中、すごくねむかった。
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