時代に取り残されている世界と時を刻む事を止めたモノ(Things that have stopped ticking in an antiquated world) |
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「C.T.W.(Colour-Trash World)では且つて、 他の世界で不要になった 多数の旧型ロケットを タイムマシーンに改造して、 過去や未来を自由に行き来出来るようにする ...と言う計画があったのだが、 改造された大半のロケットは 上手く稼働させる事が出来ずに結局、 計画そのものも 立ち消えになってしまった。 現在はその大半が 他の用途に転用されたのだが、 この街では 手頃な料金で泊まる事が出来る 宿泊施設に転用されていた。 内部は空間魔法を用いて 多少は拡張されているようだが、 客室の居住性は、 基本的には ロケットの乗組員の居住区画として 使用されていた頃と 大差ないとの事である。 「なぁ、アンタ時計屋だろ? コイツを直してくれよ」 電車通り沿いにある この街唯一の時計屋「時間の海」では ドアが開け放たれたままになっており、 店の中では旅行者が この店の店主に、 腕時計の修理を 頼んでいる様子が見えた。 「この世界に来た途端、 コイツ動かなくなってしまってよ。 先週発売されたばかりの 最新機種なんだぜ、コレ」 どうやら旅行者は 先進諸国からやって来たらしく、 彼が身に着けていた腕時計と言うのも、 ただ時計として時を刻むだけではなく 大事な予定を記録したり 連絡先の管理が出来たり 地図を表示する事も出来たり...等 様々な機能が搭載されているようである。 古めかしい時計ばかりが 壁やガラスケースの中に 陳列されている、 時が止まっているかのような― C.T.W.に於いては 取り立てて珍しいと言う訳では無いような店内で 店主は、 先進技術の結晶とも言うべき 旅行者の腕時計を 手に取ってまじまじと眺めた後、 何一つ顔色を変える事なくこう言った。 「ああ、これは故障した訳ではない。 「時を刻むのをやめてしまった」のだよ」 「はぁ!?」 「君は旅行者だろうから、 数十年前にこの世界で起こった 時計の革命を 恐らくご存じないとは思うが、 昔この世界の全ての時計が ストライキを起こしてね。 何故皆揃って文字の向きを同じにして 一定の時を刻まなければならないんだって 一斉に怒り出したんだ。 「君達は時を刻む”機械/道具”なんだから その機能を果たしてくれなきゃ困る」などと 言おうものなら火に油さ。 そういう事が起きて以来、 時計達は好き勝手に刻を刻むようになって、 時計の文字盤が一定になっていなかったり 整列していなかったり、 時計自体も 動いたり動かなかったりするようになった...と言う訳さ。 勿論、日常生活で 使用するような時計は 正確な時刻を刻むよう 修繕していたり、 時には説得したりもしているのだが。 そうでなければ 「(時計が) まともに時を刻むつもりが無いのであれば、 そもそも最初から 時計そのものが不要となる」と言う事で、 流石にこちらも商売あがったりだからね。 この店の二件隣の鳩時計だって 文字盤が全て逆さまになって―」 「分かったよ、そんな話はもういいよ」 旅行者は 明らかに苛立った様子で 店主の言葉を遮った。 「コイツはアンタにやるよ。 時計が時を刻むのをやめたんだか 何だか知らないけど、 動かなくちゃ話になんないからな。 フリマサイトで 転売だって出来やしないし― 高かったんだぜ、コレ。 ...ったく、とんだ不良品を 掴まされちまったな。 帰ったら新しいの買わないとな。 あ、あと、ネットにも 低評価のレビューを書き込んでおくのを 忘れないようにしないとな」 ブツクサ言いながらその旅行者は店を出て行った。 「...やれやれ。 やっと行ったようだな。 そう言う訳で 君も今日からもう この世界の一員になったのだから、 好きな時を刻んでもいいのだよ」 店主は旅行者の手を離れた腕時計に向かって 言葉を掛けたが、 腕時計は相変わらず何も反応しなかった。 「まぁ、それもいいだろう。 何か語りたいような事があれば、 その時にでも語ればいい」 そう言って腕時計を 店の抽斗の中にしまおうとしたが、 その前にこう付け加えた。 「後で近所の色彩処理工場で色を抽出させて貰うが、 その時ばかりは少し辛抱しておくれ」」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ In a watch shop across the street from the inn, which is a converted old rocket, a traveler wasasking for a watch to be repaired, which is apparently not broken. (※DeepL翻訳を使用・一部改変しております) (DeepL translation used and partially modified) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ A4サイズ(210×297)のケント紙に 色鉛筆で描いたもの。 |
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